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第6話 能力検査と訓練と・・・

                第一章

          第6話 能力検査と訓練と・・・


 「まずは身体能力検査から始めます。そこのメモリが書いてある隣で思いっきりジャンプしてみてください。」


 私と樹希は今、訓練をするということで闘技場みたいな、体育館みたいなところに来ていた。


 先に身体能力を検査するなんて聞いてないけど、身体能力がどれくらいかわからなかったらどの程度訓練しないといけないか、分からないもんね。


 そう思いながら私はそのメモリの隣に行って全力で飛ぶ。


 「わっ!!」


 なんとマンション10階分ほどの高さを飛んでしまった。


 約30メートルくらいだった。


 あれだけ高く飛んだのに、着地もきちんとできてしまった。


 次に、樹希が飛んだ。


 私より15メートルくらい高かった。さすが男子。


 ・・・高すぎない?


 「あの、加田さん。すごく高く飛べるんですね・・・吸血鬼って・・・」


 「そりゃあ、吸血鬼ですからね。樹希さんも鈴さんも、平均よりいくらか高く飛んでいますよ。これは、だいぶ期待できそうですね。」


 「そんなに期待されても・・・」


 「わかっていますよ。それでは次ぎ、一応の50メートル走です。これで人間の時とどう違うかがはっきりしますよ。」


 そして図った結果が、2秒ほど。・・・えっ?


 樹希は・・・2秒切ってる?!でもほとんど2秒に近い・・・?!


 「やはり二人とも、とても優秀ですね・・・」


 「普通はどれくらいなんですか?」


 「3秒ほどです。特に運動神経がよくてやっと2秒台に行けるという程度ですね。」


 ・・・・・・あれ?これやばくない?


 「これやばくね?」


 ああ・・・樹希、言っちゃった。


 「はい。ちょっとやばいですね・・・でもまだいろいろあるのでやっていきましょう。」


 そう言って走り幅跳びや、腹筋、反復横跳びやボール投げなど、普通の身体能力検査をしていった。


 そして大体普通よりも早かったり遠かったり回数が多かったりしていた。


 「これは大変やばいことになりますね。」


 「何がやばいんでしょうか?」


 「普通の吸血鬼たちは疎か、少し身体能力の高い吸血鬼でさえも凌ぐ身体能力です。なので・・・駆り出されまくってしまうかもしれません。もしくは別々でペアを組まされる可能性が大変高いです。」


 「そんな、一緒にいたいから・・・」


 「こればっかりは上の判断ですので・・・。部屋は何とかして同じにしていただきましたがこればっかりは無理かもしれません・・・。」


 これを聞いて私も樹希も少しへこんでしまった。


 でも、部屋は一緒だし、もういいよね・・・


 本当は嫌だけど。ペアがいいのに。


 「・・・わかりました。加田さんが無理ならそれで仕方がないです。逆に、よく私たちのことサポートしてくれているのが分かっているのでもう無理しなくていいですよ?」


 「・・・いえ、そうもいきませんよ。いつ・・・いや、言わないでおきます。私的には仲のいい人達にはそのままでいて欲しいので・・・。」


 「・・・?わかりました。とりあえず今日はこれで終わりですか?」


 「いいえ。これからもう一つの訓練場で訓練します。一応二人ペアで行っていただきますから、安心してくださいね。」


 「・・・どういうような訓練になりますか?」


 「それは向こうの訓練場についてからのお楽しみということで。大丈夫です。傷がつくことはありませんよ。」


 意味深な言い方をされて、とても不安になりながら樹希と一緒に加田さんについていった。




 「ここですよ。」


 そこは真っ白で何にもない場所だった。


 「ここですか?」


 「ここです。」


 そう言って加田さんは手を挙げた。すると、一気に森へと変化した。


 「まさか・・・」


 「そうです。アニメとかでしか見たことないでしょうが、本当にあるんですよ?知ってました?」


 加田さんはそう言いながらにこにこしていた。なんていうか少しお茶目なんだなぁこの人。


 「・・・本当にこんなのがあるなんて・・・知らなかった・・・」


 「さて、ここで訓練です。今から、この前襲われたあの丸い敵、ギャルンを二人で倒してください。鈴さんは一度戦ってますよね?あの触手自体にはそこまで力はないですが、取り込もうとする性質があります。あとは、どこかに核があります。それを見つけ出して破壊してください。あと、この間の戦いでは出なかったですが、もう一つ攻撃手段を持っていますのでそれにも気を付けてくださいね。それでは、私が出て行って1分後に開始です。頑張ってください。」


 そう言って加田さんは出て行った。


 「今から一分後か・・・」


 「ねえ樹希、どういう風に戦う?」


 「どういう風にって・・・なるようにしかならないんじゃない?」


 「そうだよねえ・・・」


 「でもこの間出てこなかった攻撃が来るって言ってたけど・・・」


 「それはそれで出方をうかがえばいいんじゃない?」


 「そりゃそうだけど・・・」


 「じゃあ、以心伝心できるか試す?」


 「・・・はっ?」


 「仲のいい人同士って目が合っただけで何するかわかるっていうじゃん。」


 「確かに・・・。試すだけなら問題ないかな?」


 「だよね?試してみよう?」


 「わかった。そろそろかな?」


 樹希がそういうと、いきなりドオオオオオン!と音がした。


 「向こうかな?行こう!」


 「わかった!」


 走って音がした方向に行く。するとすぐにギャルンが見えた。


 ・・・そういえばどうしてギャルンなんだろう?まいいか、後で聞こう。


 そう思いながら一度身をを隠そうと木の裏に隠れた。


 そして、それを見て即座に樹希も体を木の裏に隠した。


 まだギャルンはこっちに気が付いていないみたいだった。


 「核があるって言ってもわかんないよね・・・」


 「意外と中心かもしれないよ?」


 「あ~そうかも?」


 「とりあえず、私が前に出るから様子を見ててほしいな。」


 「・・・本当は逆だと思うんだけどな・・・」


 「そうだね、でも一回戦ったことある私が行ったほうが良いかなって思ったから。」


 「んん~~・・・。わかった、任せる。」


 「うん、任された。」


 樹希に戦うことを許可された私は、音を殺してギャランの後ろに出た。


 そして、そのままキックを入れた。


 「オォォォォォォ・・・」


 叫び声をあげながら吹っ飛んでいくギャラン。


 そのまま詰めてあの時と同じように殴る蹴る。


 そんなことをしていると、触手がわらわらと出てきた。


 それを避けるべくジャンプして空気を蹴って移動していく。


 ・・・あれ?蝙蝠になれるなら翼出せないかな?


 そう思ったら背中からばさって音がして黒い蝙蝠みたいな翼が生えていた。


 その翼プラス私の今の脚力で飛び回って触手を躱していった。


 すると触手で捕まえることをあきらめたのか、触手を撤退させていった。


 そして、そのまま動かなくなった。


 「・・・?」


 動かないまま5秒ほど経過したその時、いきなり魔法陣のようなものがギャランの下に出現した。


 そして、口と思われるところから飛んでいる私めがけて光線を発射した。


 光線の速度はとても早く、いつの間にか目の前に迫ってきそうな勢いだったので空気を足で蹴って高速でで回避。


 するとその直後には私がさっきまでいたところを光線が通過した。


 何とか回避できたものの恐怖で頭が動かなくなった。


 まさかあれが言ってた攻撃なの・・・?


 「ああ、え?なに、あれ。あんなの、なかった・・・」


 「鈴!!!しっかりしろ!!よけれるんだから、大丈夫だ!!」


 樹希の声がはっきりと聞こえた。


 そうだ、避けれるんだから、大丈夫だよね・・・


 そう思った瞬間、また光が私めがけて飛んできた。


 「っ」


 ギリギリで回避した。


 そして、樹希の声で動くようになった頭を使って思いついた。


 そういえばさっきのは魔法陣だったなと。


 吸血鬼や夜魔の存在、そしてギャランの存在。ギャランが使った魔法陣。


 そうだ、もうありえなくてもあり得るかもしれない。


 そう思って樹希を見た。


 樹希もこっちを見ていた。


 私は意思を込めた目で樹希を見た。


 すると樹希はうなずいてくれた。


 もし、できなかったらその時はその時。


 向こうが魔法か何かを使えるのならこっちだって使えるはず。


 何か、力を感じ取れないかと少しだけ目をつむる。


 すると、頭の奥に熱いものがあった。


 直感的に第2の心臓だと分かった。


 どうして頭の奥にあるのかなんてわからないけど、これを使えば。


 そう思った瞬間、体から何かが抜けるような感覚がした。


 そして、私の足元には魔法陣が出現した。


 これはもう待ったなし。あとはイメージを固めて使うだけだと思った私は、光線以外に何ができるか考えた。球を大量に作って弾幕を張ることができそうなイメージが速攻で頭に出てきた。


 瞬間、私の周りには大量の赤や水色や白や緑といった色とりどりの球が出現、その球が次々と発射されていった。


 それをもろに食らうギャラン。


 一部分に集中して弾幕を当てたおかげで中心深くの核が丸見えになった。


 そして、下では同じく魔法陣を出現させる樹希。


 瞬間、手には銃が握られていた。


 それのトリガーを樹希は2回引いた。


 すると銃口の先に紅い光が出現し、そのまま核に高速で飛んで行った。


 途中いくつかの触手が核を守ろうと球の弾道に表れて邪魔をしたが、全く効果なしですぐに触手を破壊し突き進み、むき出しの核を破壊した。

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