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1話 ハズレスキル12連発

「皆にはそれぞれスキルが与えられてるはずだ、『ステータス』と念じれば見れる。一般冒険者のステータスは平均50程度で自動発動スキルは会得して初めてステータスを見た時から発動するからな」


 王から魔王討伐の話をした後、見るからに齢四十相応の召喚士はそう告げた。その後にも祝福スキル、スキル、試練スキルがある事も教えてくれた。

 祝福スキルは俗に言うチートスキルそのもの。説明をするまででもなく最強スキルに匹敵し、この世界では全ての属性を扱うことが出来る『全属性適応』などといったものがそれに該当する。

 スキルはごく一般的なスキル。任意でステータスを少し上昇を行う『身体強化』や読んで字が如く『毒無効』など戦闘や生活次第で得られるものがここに該当する。

 試練スキルは言わずもがなハズレスキルである。何かしらのデメリットを負い、スキルレベルを上げていけばデメリット軽減出来るが全部上げ終わったとしてもデメリットが消えるだけでメリットに繋がることはないと言われている。このスキルはスキル名に《○○の試練》と書かれてるため非常にわかりやすい分、滅多に見ることは無いそうだ。

 ここで俺――来栖琉一(くるす るい)の異世界での運命が決まると言っても過言ではなかった。


(ステータス……これでいいのか?)


 ----------------

 名前:ルイ・クルス

 性別:男

 種族:人間

 魔力:50

 筋力:50

 頑丈:50

 精神:50

 俊敏:50

 祝福スキル

 ・変動(Lv1/1)

 スキル

 ・身体強化(Lv1/100)

 試練スキル

 ・愛想の試練(Lv1→3/100)

 ・重圧の試練(Lv1/100)

 ・枯渇の試練(Lv1/100)

 ・飢餓の試練(Lv1/100)

 ・脆弱の試練(Lv1/100)

 ・衰弱の試練(Lv1/100)

 ・暴走の試練(Lv1/100)

 ・遅癒の試練(Lv1/100)

 ・悪化の試練(Lv1/100)

 ・不運の試練(Lv1/100)

 ・迷宮の試練(Lv1/100)

 ・悪育の試練(Lv1→2/100)

 所持アイテム

 アイテムボックス

 ----------------


(なんで愛想の試練と悪育の試練が見てからレベルが上が――)


 俺は何かに気が付いて周りを見渡す。


(ここにいる全員になんか避けられてる気が――って、全員、半径三メートルぐらい離れてる!?)


 試しに二歩歩み寄るが進んだ方向にいる全員が二歩後退りした。


「その……ごめん、るいるい。頭の中じゃお前の試練スキルのせいだってのは分かってるんだが、近寄りたくない」


 親友にさえこう告げられてしまい、周りを見渡す限り、クラスメイトは皆申し訳なさそうに顔を伏せたり、謝ったりしていて、無意識に俺は居た堪れずその場を離れるように背後にあった扉めがけて走り、城の中を迷走しながらもなんとか出ていき、この城下町からも逃げるように出ていった。

 この時点で俺の試練スキルは愛想がLv8、重圧がLv3、飢餓がLv2、脆弱がLv3、不治がLv4、悪化がLv3、不運がLv3、迷宮がLv4、悪育がLv7になっていた。


 ■□■□


 それからとは言うものの愛想の試練のせいで行った町や村では嫌われるかのように避けされた。

 戦闘時なんかもっと酷くて、重圧の試練のせいで武器もろくに持てず、持てたとしても暴走の試練で自分にダメージが入ったり、衰弱の試練でダメージがだんだんと与えられなくなったりしたり、いざ逃げるといった時でも重圧の試練が邪魔して鈍足ながらも頑張って逃げるも飢餓の試練のせいで空腹になりやすく食べ物を我慢する日々が続いた。

 脆弱の試練せいで足をくじいたり怪我をしたりする日には怪我の悪化したり、運悪く別の怪我をするといった事もあった。こうなると遅癒の試練で治りが遅くなってしまうため厄介この上ない。そもそも、悪育の試練のせいで他のスキルのレベルアップに必要な条件が通常の二倍になってしまってるため、もう何だか生きるのが辛かった。


(それでもなんとか腐らず生きてきた気がする……ちょっと心折れかかってるけど)


 行く町先で奴隷商に出会す事があったがここで愛想の試練スキルが役に立ち、その度に捕まっていた奴隷を全員解放して、避けられながらだったが感謝されてそれが嬉しかった。それがなんとか心折れかかってるギリギリで保てる拠り所だった。


「だいぶ、避けられる範囲が狭くなってきたからこのまま行けば」


 その意気込みで俺は目の前の町へと足を運んだ。

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