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プロローグ

 四月三日――桜の花びらを乗せて吹く風はまだ寒気を帯びていて少しばかり手が冷える。天気は雲一つない快晴で始業式には持ってこいと言わんばかりの清々しい今日、俺こと来栖琉一(くるす るい)は校門前で親友を待っていた。


「るいるい」


「登校時間ギリギリって……遅いぞ、梶」


「いや、ほんとごめん!」


「許す、それより早く校門を通らないと遅刻扱いになるぞ」


 それもそうだと言いながら仲良く校門を通る。昇降口にデカデカと貼られたクラス替え表を見て、またかと思いながらため息をつくも親友とハイタッチを交わす。


「また一年よろしくな、梶」


「こちらこそだ、るいるい」


 上履きに履き替え、東の階段を上り二年三組――これから俺たちの教室となるドアを開けるとなんとも見慣れたメンバーだらけだった。


「おー、るいるい、またよろしくな」


「また琉一と一緒かよ、俺のモテ期はいつ来るんだ」


「来栖くん、今年も一緒だね」


 去年、クラスが一緒だった人からは男女問わず飛び交う挨拶にそれ相応の返事で返す。別のクラスだった人からも挨拶される。クラスで一番人気者ではないがそれなりに人望はあったためか人間関係で不自由に思ったことはなかった。

 そうして、春休みの間の出来事とかで盛り上がり、やがて始業式が終わり、教室に戻った時だった。

 床に何かを象った文字が浮かび上がると景色は一転した。プリントを取りに行った俺たちのクラス担当になった先生を除いて二年三組にいた全員がどこかも分からない空間へと放り出されてしまった。


「これが俗に言う、異世界召喚ってものか……」


 まさか、身をもって体験することになるとは思ってなかっただけに口から言葉が出てしまった。

 後はラノベ小説のテンプレよろしくで『魔王の討伐』という話が進んでいったのだった。

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