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第8話 エンダ·ティナント

今回は、リンダに続きエンダ視点の物語です。

ーーエンダ視点ーー

私の名はエンダ·ティナント。リンダとは双子の妹で、16才だ。リンダとは小さい時からずっと一緒にいる。思い出もほとんど同じだ。リンダは姉のくせに気が弱い。でもリンダは私とは普通に話せる。私もリンダと話すのは楽しい。だからリンダとずっといても苦ではない。今日はリンダが依頼したクエストを受けた人···シルフォード·システリアという人が来る予定の日だ。依頼を受けてもらった場所から片道2日そこにあるのが私たちの住む村だ。知名度が低い分、依頼しても受けてくれる人は少ない。そこからの距離の問題もあるのだろう。

ここらはモンスターがよくいるため盗賊や山賊の類いの者はいない。襲われたら終わりだからだろう。なので、モンスターに出会わなければ何事もなくこの村に着くだろう。


昼頃になると予定どおりシルフォードが到着した。


シルフォードは村の中をキョロキョロした後リンダを見つけ話しにいった。リンダの様子は相変わらずだ。私はリンダの助っ人的な感じで会話に入った。


少し話した後リンダは私に耳打ちしてきた。


「本当にこの普通そうな人があのモンスターを倒せるの?」


私も気になっていた。シルフォードと言う男はどこからどうみても普通の人だ。体格も普通だ。

私は本人に聞いた。


「ところであなた、本当にモンスターに勝てるの?」

残りの話はリンダのと、同じだ。 



次の日、森に入った。

ある程度進んだところでシルフォードが止まった。

今さら怖じ気づいたのか?と、私は思いシルフォードに直接聞こうとした。声を出す直前、リンダの真横からモンスターが襲ってきた。大きさはこの森のボスほどの大きさだった。

リンダは悲鳴をあげて目を瞑った。私は何もできず声すらも出なかった。襲ってくるモンスターを見ているぐらいだった。


死ぬ。そう思った瞬間目の前の狼のようなモンスターの首が吹き飛んだ。


狼は首を失いそのまま死んだ。


そしてそのモンスターの頭を吹き飛ばした人の姿を見て呆然とした。シルフォードだったからだ。

呆然としていると、誰かがシルフォードに向かって叫んだ。

·····リンダ?リンダが叫んだ?

内心驚いた。リンダがこのように声を荒げたのは指で数えれるほど少ないからだ。

それは私の父と、母が関係していることだが···いや、思い出すのは止めよう。それより両親の仇···両親を殺した敵をこの人は一撃で···

それより本当にあなたはいったい?そう聞こうとしたときシルフォードが変なことを言っていた。私が聞こえたのはこの部分だ。


「この森ってどうなってもいい?」

考え事をしてあまり話を聞いていなかったからか、なぜシルフォードからこの言葉が出るのかよくわからなかった。

するとリンダは


「えっと、はい。たぶん」

本当に内容がわからなかった。この瞬間までは。

シルフォードは「じゃ、いくね」

そう言って目の前の木に向かって拳を振り上げた。

シルフォードが目の前の木を殴った瞬間···


森が半壊した。

意味がわからない。一撃で森が半壊···しかしシルフォードの次の言葉で私は絶句した。


「ふぅー終わった終わった。いやぁー手っ取り早く終わってよかったよ。でも流石に森を一撃で半壊させちゃうとはな、しかも本気じゃなかったしな···本気を出せばどうなるんだ?いや、本気はやめておいたほうがいいな。どうなるかわからん」


···本気じゃなかった?本気を出せばどうなるかわからない?

自分の力を知らないのか?そもそも本当に何者だ?この力はどこで手に入れた?など、どんどん疑問も浮かんでくる。


そして私は決めた。


その夜、私はシルフォードの部屋に行った。

シルフォードは驚くことはあまりなく、優しい笑みを向けて聞いてきた。


「どうしたの?」と。

私は素直に言った。


「私は冒険者になる。そしてあなたについていく」


シルフォードはちょっと笑っていった。


「姉はどうするの?」

そのことに関しては私も考えていた。姉には悪いが私は冒険者になることを決めた。だから


「姉は巻き込みたくないので、この村で一番信用できる村長に預けようと思います」

そう言うとシルフォードは笑った。普段なら不快に感じるだろうがなぜか感じなかった。理由はよくわからないがいいだろう。···今は。


「僕も今パーティーのメンバーを集めていたから良かったよ。これからよろしくね、エンダさん。」


「エンダでいい」

私はとっさにこんなことを言っていた。


「わかったよエンダ。僕のことも気軽にシルって呼んで」


「う···うんシルよろしく」

なぜか恥ずかしい。でも悪い気はしない。


その後は雑談などして今日は部屋に帰った。

私はシルの正体や、シルの過去それにシルのすぐ側に置いていた横に大きくて、厚さは小さい長方形の鉄?の塊と、手の大きさサイズになった長方形のこれもまた鉄?の塊については聞けなかった。でもこれからはいつでも聞けるチャンスはあるしね。そう考えていた。


そうして私はシルフォードこと、シルのパーティーに入った。

シルの話だと明日にはシャーリアに向かうらしい。

リンダには悪いがこれからがけっこう楽しみだ。

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