第2話 死因、そしてこれから
神様からショック死と告げられてやや数分
僕は自分がショック死で死んだことに疑問を抱いていた。なぜか?それはな、心当たりがないからだ。神様いわく僕は死んだらしい。それもショック死で。しかし僕はショック死に陥る場面に出くわした事がない。たぶん自分の記憶では·····あれ?ほんとになんで死んだ?
「お主、思い悩んだような顔をしてどうしたのじゃ?」
そこまで考えたところで、神様が声をかけてきた。
「思い悩んでいるんですよ!ショック死で死んだなんて考えられないですからね」
「そうは言われてもじゃな···ほんとにお主はショック死なんじゃよ」
「はぁ·····わかりました。では、なぜショック死で死んだのか教えてください」
「うむ、よかろう。あれは下校の時じゃった」
神様は語りだした。
「お主がスマホを持って歩いているときじゃったな確かあの日は雨上がりであちこちに水溜まりがあってな、お主はポケットからスマホを取りだそうとしたとき運悪くけっこう深い水溜まりに落ちてだな慌てて拾おうとすると次はバックからパソコンが···スマホは水没で、パソコンは落ちた衝撃と水没によって完全にぶっ壊れたんじゃよ。お主運が悪かったの···」
「それで僕は多大なるショックを受けて死んでしまったと?」
確かに死ぬほどショックを受けるだろうがそれで死ぬだろうか?少し疑問が残った。すると神様が
「お主は確かに多大なるショックを受けて精神不安定になっておった。しかしそれから今にもショック死しそうな状態でお主は硬いものにでも頭をぶつけまくると少しは気がマシになると思ったのかすぐ近くにあった硬いものに頭をぶつけまくったのじゃ。ある程度ぶつけた結果それをやめた。しかしそれが間違いだったのじゃ」
「間違い?なぜです、少しぐらいは気が紛れるのでは?」
とっさに突っ込んでしまった。しかしそれも間違いであったと気づいたのは神様の次の言葉でだった。
「お主は頭をぶつけ終わったあとその硬いものを見た。するとそれは身長は180㎝オーバー、筋肉ムキムキ、口には薄い髭、髪はツインテールのいかにもヤバそうなおじさんがいたんじゃよ。それが決定打となりお主はショックで意識を失いそのまま死んだのじゃ」
「え!?·········嘘····ですよね?」
僕は内心嘘と言ってほしかった。
「神は嘘をつかん」
神様の即答により俺は心が折れかけた。
「しかし後からわかったことじゃがなんかテレビか、映画かよくわからん撮影かなんかでたまたまその衣装を来ていただけだったんじゃよ」
「そうだったのですか···それは相手の方に悪いことをしてしまいましたね···」
神様の言葉で安心したものの次は罪悪感が僕を襲った。
「大丈夫じゃ。その者は最初こそ目の前で自分を見てショック死したのをみて罪悪感に襲われ塞ぎこんでいたんじゃが周囲のフォローがあってか今はいつもどおりの生活に戻れておる」
「そうですか、少し安心しました」
「うむ、それはよかった。ではお主はこれからどうするのじゃ?」
「はい、そうですね···僕は本格的に異世界に行ったのだと気づいたのでまず始めにすぐ近くの町へと向かおうと思います」
「うむ、あっ、そういえばそのスマホとパソコンじゃが」
「はい?僕の親友がどうかしました?」
「···お主の親友じゃがお主が前いた世界の情報はそのままじゃが、異世界の情報についてはワシの知っている限りの情報しかでてこんのじゃ。···でも安心するのじゃ、ワシはこう見えて異世界の情報はよくしっておるからのぅ」
「わかりました。一応すべての情報がわかる訳ではないのですね。頭に入れておきます」
「うむ、そうしてくれ。···では電話を切るぞ、一応ワシに電話はできるようにしておくがの、しょうもないことで電話をかけるのは止めてくれよ」
「わかりました。ではどうしようもないときだけ頼らせていただきます」
「うむ、たまにワシから電話をかける時もあると思うのでなその時は出てくれよ」
「わかりました。では切りますね困った時はお願いします」
「うむ、気をつけてな」
よし、僕の死因もわかったし、親友もすぐそばにいるので多少、前の世界に未練は残るが、この世界で悔いのないよう親友と共に生活しようかな···まぁとりあえずここから一番近い町でも行ってみるかな