裏話 ある少女の話
短いです
2話前半の裏話です
「はぁ…」
剣の王国にあるとあるクランのサブマスター、フォル・アルーダはため息を吐いた。
「どうしたんです?ため息なんて貴女らしくもない」
話しかけたのはクランの所謂参謀、エクレである。
「サブクラマスだからと言ってそんな態度を取って言い分けじゃないんですよ?」
「分かってるよ…分かってるけど…」
ここでクランについて説明をしよう。
ゲームによってはギルドとも言われるそれは大人数のプレイヤーで集まり、メンバー内でパーティーを作ったり、ゲリラ的に来るクランクエストに挑んだり…と様々なことが出来るシステムである。最大人数は現在100人までだがこれからもアップグレードで増える事もあるらしい。
この二人は様々なクランを転々としてプレイしている。フォル曰く「ここじゃない」というクランが多いらしい。今いるクランからも離れるつもりのようだ。
「なんです?悩みなら聞きますけど?」
エクレが言う。フォルとエクレは現実でも中のよい幼なじみで性別を越えお互いにお互いをよく知る仲だった。
「うん…実は…」
フォルは先ほどのリオとの出来事を話した。
「全く貴女は…それは初心者には厳し過ぎですよ‼何が弱い奴には興味がない ですか‼」
「ぼくも反省してるよ…」
「当たり前です!ゲームも現実でも超美形の完璧人間って周りの評判があるのにその人達がこれを知ったらどう思うか…」
「その周りの評判…ぼくは嫌いだな…」
「ハハ…私もです。こんな普通の少女だというのに」
「でも、聞いてくれてありがとう。ちょっと楽になったよ」
「なら良かった」
すると部屋のドアをノックする音が聞こえる。
このクランのマスターだった。
「すまないが、このドラゴンのクエストに同行して欲しい。報酬は弾ませる」
クエストを依頼された二人に拒否するという考えはない。
「うん。いいよ」
「もちろん行かせてもらいます」
どんなに簡単なクエストも、どんなに難しいクエストも依頼されたらすべて受け入れる。
それが剣の王国No.3プレイヤー エクレと、No.1プレイヤー…フォル・アルーダの意地である。
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