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第1話 アトリビュート

こんにちは!


ここでは初めて書くのでうまく書けてるかはわかりません。


是非読んでみてください!

ある丘の上──緑の丘と呼ばれる場所。どこまでも広がる青い空。雲がゆっくりと青い空を漂って行く。時折風が吹き、後ろに生えている木々を揺らす。そこに寝転がって目を閉じている1人の青年。


 髪は黒く少しツンツンしている、服装はスーツ。両手を頭の下で重ね、組んだ足を一定のリズムでプラプラと動かす。


(はぁー。マジで胸くそわりぃ……。今更元の家族に会いに行けって、なんだよ……)


 少しも覚えていない本当の両親の顔。幼い頃に捨てられ、自分がどこの誰かすらもわからない。ただ1つわかるのは、今はシンジ・ファーランという名前で、育て親はロイ・ファーランということ。


 しかしその育て親が今日病死したことがわかった。それと同時に政府は分別という能力が高い者と低い者を分ける政策を発表した。


 この世界では属性と呼ばれる能力を持つ人をアトリビュートと呼ぶ。しかし誰もが属性を持っている訳ではない。属性を持って産まれる子供は10人に1人居るか居ないかの確率である。


 政府は力欲しさにアトリビュートをかき集めようとしていることがわかった。しかしそう簡単にアトリビュートが捕まる訳がない。政府の意志に従わないとなれば反抗するからだ。


(なにが分別だ。人をゴミみたいに扱いやがって。政府のお偉いさん方はみんなわかってないみたいだな。所詮は権力に溺れた人たちの集まりってじっちゃんも言ってたっけ)


 ゴミみたいに扱われ黙っている訳がない。この政策が発表されると、前から政府をよく思って居なかった人たちはすぐに反乱軍なるものを作った。そのことはすでにシンジのような一般人にも伝わるくらいに有名な話になっている。


 まぶたを上げ空を見つめるシンジ。ずっと握りしめていた紙を顔の前に持ってくる。そしてそれをジッと見つめた。


「考えてもわかんねーなー。なんで今更これを俺に渡したんだ? じっちゃんは……」


 誰かが答えてくれる訳でもない。辺りには人が居ないのだから。シンジは迷っていた。今更自分を捨てた人に会ってどうなるのかと。捨てた息子など、とうの昔に忘れてしまっているんじゃないかと不安だった。


 会いに行く決心がつかないまま、もう何時間ここに居るのだろうか。それすらもわからない。それだけここが静かで、時間を忘れるということなのだろう。今の現実とは違って。


 そんな時、ふとロイの言葉を思いだした。


『自分の成すべきと思ったことをしろ。我々には自由に生きる権利があるのだから』


(自分の成すべきと思ったことを…………)


 紙を持った手を横に倒した。そして紙をスーツの上着のポケットにしまい込み、頭の下から左手をどかし、勢いよく起き上がった。


「考えるのは俺の性に合わねぇ。さて…………成すべきと思ったことをやってみますか」


 そう言ってシンジは緑の丘をあとにした。向かった場所は自分の家。今の場所からはそう遠くない場所に家が建っている。


 サッサッと少し伸びた草を歩く。しばらく歩くとだんだんと家が顔を見せる。


 家の前に着き、ドアを開け、スーツを脱ぎ捨ていつもの服に着替える。動きやすい黒いズボンに、赤いシャツ、黒いパーカーを羽織り出掛ける準備を始めた。


 ふとロイがいつも寝ているベッドに目がいった。たまに家のどこかで感じるエネルギーのことを同時に思い出す。いつも探してみようと試みたが、結果は不発で終わってたのだ。


 しかしこの時は違った。引き寄せられるかのようにベッドへと足を向けて歩きだす。一歩一歩踏み出すにつれて強くなっていくエネルギー。今まで感じたことのない力。


 こんな感覚は久しぶりだった。一度だけ政府の軍人相手に見せたロイの強い殺気。あの時は背筋が凍るかと思ったくらいだった。しかしベッドから感じるエネルギーはそれとはまた違う。


 ベッドの前に立ちゆっくりと敷布団と固い板の間に指を滑り込ませる。めくるとそこには銀色に輝くアタッシュケースが埋め込まれていた。長さは木刀の大刀より数センチ大きいくらい。


 ロイのベッドは外側からみたら床から数10センチくらいの大きさの木の上にある。そのため敷布団をめくらなければ気付かない。


「このエネルギーはこれから来てるのか?」


 敷布団を左手で抑え、右手でアタッシュケースを取り出しそれを布団の上に置いた。まだ開けた訳でもないのに気が付いた時よりも感じるエネルギー。そーっとフタを止めている金具に手をかけ、カチャっと外した。


 ゆっくりとフタを開ける。


「こ、これは………剣? だよな?」


 木刀の大刀とほぼ同じくらいの大きさの黒い剣とベルトが入っていた。それを取り出しゆっくりと鞘から引き抜く。黄色く刃が輝いていた。


 剣にばかり目がいっていたが視界に白い物が入る。よく見るとフタの裏側に封筒が貼り付けてあるのがわかった。


 ビリッと音を立ててそれをはがし裏表を確認した。表にはシンジへと自分宛の手紙だと言うことがわかる。


 中身を取り出すと紙が一枚だけ入っていた。早速広げ読み始める。


「・・・・・・期待はしてなかったけど、本当にこの剣の説明だけとは………。まっ、じっちゃんらしいちゃ、じっちゃんらしいか」


 手紙を封筒にしまい、そのままパーカーの内ポケットに入れた。アタッシュケースからベルトを取り出し腰に巻きつけ、ロイが用意した刃の部分がかなり希少な鉱石、純度100%エナジー鉱石で出来たエナジーブレードを鞘に戻し、専用のベルトへと装着した。


「なかなかいいじゃん。さて……出掛けます──」


 言いかけた瞬間ドアの向こうから声が聞こえたが、最初に聞こえた言葉に耳を疑った。


「政府軍だ。分別に来た。ドアを開けろ」


 口元まで覆われている装備を付けている政府軍人の籠もったような声が聞こえてきた。


(げっ! よりによって政府軍かよ! 逃げたらマズいし、出てもマズいな……さて・・・どうするか)


 果たしてシンジの運命は………

どうでしたか?


更新は不定期ですので次はいつかはわからないですが、出来るだけ早く投稿します!


感想などお待ちしております。誤字脱字やアドバイス等もあったらよろしくお願いします。

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