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引きこもり魔女さんとスローライフ始めました!  作者: らぴんらん
第三章: 小さな体の大冒険
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ダクトの中で

リスさんの目を撒いて逃げだしたわたしと小人さん。

それに使ったのは雑貨屋さんで買ったどんぐりの懐中時計という落ちだったのですが、なにはともあれ、いまはダクトの中を進行中です。


「小人さん、暗いですからあんまり好き勝手行かないでくださいね」


「いかない! いかない!」


「おふざけではないですからね」


「分かってる! 分かってる!」


「よし、いい子いい子。では先を急ぎましょう」


ダクトの中はかなり真っ暗です。

数メートル離れてしまったらそれで見失ってしまいそうなほど。ちょこちょこ動き回っている小人さんなので、いついなくなるのか分からないのが難点です。先ほどは怯えていて静かだったのですけどね。それもないのでいまはいなくならないのを願うばかり。


「それにしても、このダクト長いですね。全然先が見えないや」


「長い! 長い!」


「小人さん、ちょっと思い出話でもしましょうか」


「話? 話?」


「そうです、お話。どうせ長い通路なんですから暇つぶしにでもどうでしょう」


「聞きたい! 聞きたい!」



「よーし、それでは聞いてくださいね」


そういって、わたしは話し始めます――。





あれは、わたしが魔女さんにであってから一週間くらいのことです。

突然魔女さんとくらすことになったわたしが、ちょっとだけ馴染んでからのお話。


あのときは天気も良くて、例によって日向ぼっこをしていました。そして魔女さんときままに話をしていたわけなんですけど、そのときにいろいろ話をしてもらったんです。


……まあ、引きこもり最高、みたいな内容のですけどね。

 で、なんで引きこもり生活を送っているか聞いたんですけど、


「家で大体何とかなっていますし、あんまり用も無いのに外を歩いていても時間が勿体無いだけですよ。家で読書なりなんかなりしているのが一番いいんですよ~」


 という感じで。言っていることも体外正論でなにも言えなかったのですけどね。

 結局、初めて家の外に一緒に出かけたのは……お祭りのときかな?

 小人さんも良く知っていると思いますけど、あの時はたのしかったですね。

また、一緒にお出かけしたいなぁ。


 そんな魔女さんも一人でこんなところまで来ちゃって、なにを思ったんだか。

まあ、家に引きこもっているよりかはいいんですけどね。そんなことですから、小人さん。魔女さんを見つけていろいろ問題が解決しましたら……雑貨屋の女の子も誘ってお花見でも行きませんか?


 あ、大歓迎? 良かった。

 ではそうしましょうか。とりあえず今は、魔女さんを見つけて脱出しましょうね。

そんなわけで、思い出話……? を終わりますね。

 




 話し終えたわたしは、小人さんのテンションが上がっているのを見つつ先に進みます。

 小人さんは楽しいことが大好きですから、沸き立っているのもそういうことでしょう。なんだかんだ歓迎しているみたいでよかった。


「――あ、小人さん。なんか光見えませんか?」


「見える! 見える!」


「ちょっと静かにしてくださいね、小人さん」


「分かった! 分かった!」


わたしと小人さんは、話しているうちについた光のもとへ忍び寄り、音を聞きます。


『――おい、あの猫と小人がみあたらないらしいぞ』


『猫と小人……? ああ、殴りこみにきた命知らずか』


『そうそう。なんでも、ダクトから逃げ出したとか。もしかしたら、そこの通気孔にでもいたりしてな』


『それはないだろう。さすがにこんなところにはいないって。どうせもう脱出したか何かじゃないか? だって考えてみろよ。敵地に一人だぜ』


『それもそうだな。あっはっは』


『あっはっは』


といって談笑しているリス二匹。

というか、さきほどの『通気孔にでもいたりしてな』ってところ、正直超びびりました。もう今でも心臓ばくばくです。あ、あせった……。


「小人さん、どうしますか? ここからは出られないみたいですね」


「ほか? ほか?」


「ほかの道を探すと、一体いつ見つかるか分かりませんよ」


「でる! でる!」


「それもちょっとねぇ」


 どうしましょうか、この状況。


 キッチンルームのような部屋にリスが二匹。わたしと小人さんはその通気孔の中で這っているのですけど…手、脱出する術はあるのでしょうか。

 幸い彼らは料理をしているみたいなので、足元にいるわたしたちには気付いてないみたいですが、いつ気付くかも分かりませんで。そうそうに決断して実行するほうがいいでしょう。


「よし、じゃあ――」


『おっとジャガイモが落ちてしまった……あっ』


「…………」


『…………』


「……ど、どうも」


『……い、いたぞおおおおおおお! 脱走した猫と小人がこんなところにいいいい!』


「わあああ! ばか! なんてこと言ってるんですか!」


『みんなきてくれ! こいつを牢獄にぶち込むぞ!』


「えっちょっと……まって! まってって!」


 そういっているとぞろぞろとリスがやってきて通気孔が開けられまして、わたしと小人さんの手が捕まれます。


 「……わたしたち、また牢獄ですか?」


 『そうだ。今度はもっと厳重なところにな』


 「……」


 そしてわたしと小人さんは、リス何匹かに引きずられていきます。

 今度はもっと厳重なところとか何とか、はてさてどんなところなのでしょうか。いや、入りたくないですけどね。


gwいかがお過ごしでしょうか?

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