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夢日記  作者: 森の小人
ドリファム編
6/160

リアルの私

今回のはブログ形式ではないです……_φ(・_・

私の名前は犬塚貴子(いぬづかたかこ)

つい最近28歳になってしまった。

両親には結婚を急かされてるけど、私はまだ運命の出会いを信じている。

そんなことを言うと、まだ夢を見てるのか?とか、現実を見ろとか、本当ウザい。

妥協して結婚したって幸せになれるわけない、って思う。

私の好みを言えば、包容力のあるイケメン。

ただそれだけ。でもなかなか出会えない。


私の仕事は銀行のパートタイムで、そこそこの安月給。職場に男性はいるけど、私たちパートを顎で使って嫌味を吐き散らかす下等な男ばっかり。

他のパートの子は基本的に結婚してて、合コンやろう!とか、バーで出会い探そう!なんて感じでもない。


だからかな。


ドリームツールを買いたいって思ったのは。

独り言のようにブログを始めたけど、毎日仕事のことばかり。読んでくれる人なんてほとんど居なかった。

嘘でもいいから充実しているような、幸せいっぱい!みたいなブログを書きたい。そう思ってドリームツールを買った。

そう…半分は自己満足のため。もう半分は、出会いを期待してたのかもしれない。

私がやっているドリームファームは女性が多そうだけど、意外に男性もいる。

牧場生活に憧れてやる人もいるけど、モンスターと戦うゲームより明らかに女子率が高いからこそ、そこそこ男も居る。多分男女率は半々くらいだと思う。


ドリファムの世界は、東西南北に分かれていて、その地方の中央に中央広場という塔が建っている。そこに行くと他の地方に行ったり、上に上ってレベルの高い土地に移ることが出来る。それと、イベントをするメイン会場で、プレーヤーである牧場主がよく集まる場所でもある。イベントが無くてもそこで情報交換したり、ナンパしたり、使われ方は色々あるみたい。


ドリファムを始めて数日しか経っていないけど、私にようやく友達が出来た。

牧場主の名前はこーへい、だった。見た目を言うなら、そこそこ身長が高くて細身。喋り方が大人っぽくて、紳士感を出してる。声はやや低め。そして黒髪のイケメン。

ちなみにドリファムの中で、キャラクターの声は選べない。つまりリアルが男で、キャラクターを女にしても声は男のまま。だから彼はリアルで男性なんだってわかる。さすがに声で年齢を当てるのは難しいけど…。


実を言うと、こーへいさんと初めて出会った時は凄く警戒した。

ブログでは彼との出会いを面白おかしく書いてみたけど、声をかけてくる=出会い目的って思ってたから、正直、少し話したら逃げようと思ってた。

でも彼はリアルの私については全く聞いてこなかった。

ただ、いつこのゲームを始めたのかとか、効率良くお金を稼ぐ方法とか、ステータスの振り方とか、本当にゲームのことしか話していない。

話をしていくうちに、彼を警戒するのが馬鹿らしく思えてきた。むしろドリファムに詳しくて尊敬すらするようになっていた。

親切に色んな所を案内してくれて、こーへいさんのドリファム友達とも知り合いになって、またお茶しましょう、なんて口約束までしていた。

気づけば、牧場生活したい気持ち半分、彼に会いたい気持ち半分でドリファムの世界に行くようになっていた。


どうしよう…。


1人で勝手に舞い上がってる気がする。

きっとリアルでの彼は不細工かもしれない。

そう、彼は不細工だ。


そんなことを寝る前に考えている私は本当に痛い女だと思う。

恋愛経験も年の割に少ない………。

あーあーあー!

もう寝よう。

幸せいっぱいの日記はもう書いたんだから…。








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