《season2》リアルのまさかの展開
ブログの更新を終えパソコンを閉じると
「貴子、ちょっと来て」
と母親に呼び出された。
リビングルームに行くとダイニングテーブルに父親と母親が隣同士で座り、正面に座るよう促された。
「何?改まって」
「貴子、何か私たちに言うことがあるんじゃない?」
そう言われ考えてみる。
(言うこと…?双子の世話を手伝ってくれたことかな?)
「えーと、色々とありがとう」
「それから?」
「それから??」
(…何だろ!?全然分かんない!)
父親と母親は貧乏揺すりをしながら貴子を見ている。
「何?何を言えば良いのよ!?」
父親ははぁとため息を吐く。
「お前、できたんだろ?」
「……へ?」
「言いにくいのは分かるが…、俺たちはお前の親なんだ」
「え?何?何言ってんの?」
「今日おばあちゃんがガソリンスタンドで、お前が妊娠しているという話を聞いたそうだ」
「……………」
「正直に言え。俺たちはお前を責めるつもりはない」
「いや、その…、私、妊娠してない、です」
「え?」
「あれは友達に頼まれて」
「これを見ても言い訳するつもり?」
母親は陽性と出ている妊娠検査薬を貴子の前に差し出した。
「え!?」
「おばあちゃんに話を聞いた後にゴミ箱を探したら出てきたの」
(何やってんのー!?普通ゴミ箱漁る!?しかも陽性だし…)
「これが証拠よ!白状しなさい!」
(私、窃盗犯か何かですか?)
「彼氏はこのこと知っているのか?」
貴子は首を横に振った。
「そうか…。相手の出方次第だが、俺はあいつに責任を取らせる!」
「え!?ちょっ」
「そうよ!何がなんでも責任取らせてやるんだから!」
「いやいや、気が早」
「いいか。こういうのは下手に出たらダメだ!」
「そういうことじゃなくて…」
「親戚に連絡するのはそれからね!」
「そうだな」
「貴子。安心して今日は早く寝なさい」
「そうだ。赤ちゃんに何かあったらいけない」
2人は貴子の背中を押して貴子の部屋に押し込む。
「じゃ、おやすみ☆」
2人はドアを閉めてリビングルームへと戻った。
「…………」
するとそこに一美がドアを開けた。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「ははははは。もう勝手にして、って感じ」
「ごめんね…」
「ふぅ。良いよ。一美は大丈夫?陽性だったみたいだけど」
「……うん。妊娠してるって分かったせいか、変に吐き気がする」
「バレるのも時間の問題だよ?」
「うん……、分かってる。明日、俊介さんが双子の迎えに来た時に話そうと思ってる」
「そっか」
「うん…」
「もう寝たら?眠いんでしょ?」
「うん…、ありがとう。おやすみ」
「うん、おやすみ」
その夜、貴子はドリームツールを使わなかった。
考え過ぎてなかなか寝付けず、結局朝4時まで起きていた。