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夢日記  作者: 森の小人
恋愛編
124/160

《season2》リアルの動き出した歯車

ドリームファームのとあるカフェに貴子とこーへいが向かい合って座っている。

今日こーへいに「家具を買いたいから一緒に来てほしい」と頼まれたはずなのに、こーへいは何故か家具屋には向かわずカフェに入り、今に至る。

「あの…家具屋さんに行かないんですか?」

「うん。…その前に、報告したくて」

「報告?」

「正式に…離婚したんだ」

「え?」

「澄子さんに聞いてるよね?俺がまだ離婚してなかったこと」

「…はい…」

「本当にごめん。離婚してないのに、わんちゃんに告白したこと…。無責任だった」

「………」

「あの人とは前から別居してて、上手くは行ってなかったんだ。言い訳に聞こえるかもしれないけど」

「…それは、………こーへいさんが、小林さんを女性として見ていなかったからですよね…?」

「…え?」

「小林さん言ってました。結婚してもこーへいさんが小林さんを愛してなかったから、浮気に走った、って」

「それは違うよ。……これをわんちゃんに言うのは変だけど…、俺は澄子さんに一目惚れしたんだ」

「え?」

「澄子さんの父親が俺の上司だったこともあって、澄子さんを紹介してもらって…そして俺たちは結婚した。けど、結婚したら澄子さんが浪費癖の悪い人だって分かって」

「………」

「毎日のように高級なものを買って、それを注意すると今度は…家に帰って来なくなってさ」

「それって…」

「浮気してたんだ。結婚する前から複数の男性と関係があったみたいで、俺は探偵に依頼して証拠を撮ってもらった」

「そんな……」

「俺は澄子さんに浮気を止めてもらうように言ったんだけど、証拠を見せられた澄子さんは…反省するどころか、ドリームツールを使って浮気を始めたんだ」

「もしかして…浮気の為に、ドリファムを?」

「うん。そのことを澄子さんの親友に聞いて、俺もドリファムを始めた…」

「そう…だったんですね…」

「けど、ドリファムで証拠を撮るのは出来ない。色々とネットで調べると、ドリームツールを作っている会社が、こういう時の相談所を設けていることが分かったんだ」

「相談所?」

「浮気場所としてドリームツールを使う人たちが増えてきたせいだと思うんだけど、そういう問題を解決してくれる所」

「へぇ…」

「詳しく言うと、ドリームツール内で選ばれた調査員のような人達が、対象者を見張って、記録して、それを現実の裁判でも有効になる書類を作る、ということをしている」

「なるほど…」

「その書類を提出して、現実の裁判所でようやく離婚を認められた」

「へぇ……」

「実はグループにいる緑さんはその一員なんだよ」

「え!?知らなかった!」

「ははは、だろうね。他にも何人か居るんだけどね」

「へぇ…」

「それで…」

「?」

「緑さんに聞いたよ…」

「え?」

「わんちゃん達が恋人限定マップで澄子さんと会話してた内容…」

「…………嘘……」

「ごめん。でも!俺はそんな事は気にしてないんだ!」

「…………」

「ただ…ツライ目に遭ってたのに…気付けてあげられなくて、ごめん…」

「……良いんです……もう、解決したことなので…」

「え?」

「彼、また転勤して海外に行ったみたいで。たぶん、もう会うことないと思います」

「そっか…。良かった……」

「…はい」

「澄子さんも、もうドリファムに来ることは無いよ」

「そうなんですか?」

「うん。彼女、父親の逆鱗に触れたみたいで、彼女も海外に行かされたんだ。彼女、日本語以外話せないのに。はは」

「そ、そうなんですか…」

「ドリームツールは日本でしかオンライン出来ないし。……だから、もう…心配しなくて良い」

「え…?」

「いや…。何でもない。これからも宜しく」

こーへいは笑って貴子に手を差し出した。

「……はい…」

そして2人は握手する。


「じゃ、家具屋に行こうか!」

「……はい…」





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