《season2》[番外編]ニコラスとふた葉Ⅱ
あの日から2日間、ニコラスがオフラインのまま、ユウはズームに『男について』熱く語った。
「いいか?男なら、そんなナヨナヨしてねーでシャキッと歩け」
「はい…」
「腹筋とケツに力入れろ!」
「はいーー!」
それを
「何これ…」
「パリコレでも出る気?」
「いや、無いでしょ」
貴子とユーリ、レイがダイニングルームから残念なものを見るような目でズーム達を見ていた。
「あーあ、最悪だぁ…」
貴子の家に貴子、レイ、ユーリ、ユウ、ズーム、コウが居るが、ユウとズーム以外はニコラスがユウのことが好きだということ、別のアカウントでドリファム内にいることを知っている。
「本当、世の中って残酷よね…」
「どうしようー!?百合さん、助けてー」
「ゴメンね。今回は私にも分からないわ」
「いつから知ってた?」
コウは貴子の横に座る。
「先週…。こんなはずじゃなかったのに……」
貴子はダイニングテーブルに項垂れた。
「貴子のせいじゃないだろ」
「でもさ、応援するって言っちゃったし。けどズームも可哀相だし…」
「ズームはニコラスがオンしたらすぐにでも告る気だよ?」
「ニコラスにはこの事言ったの?」
「………言えない……」
「……だよね…」
「あ。ふた葉からメッセ来た…」
「え?何て?」
「レベル10になったって」
「いよいよね…」
「どうしよう…」
貴子がふた葉を家の前に呼び、ズームがニコラスは女だと言ってしまったということを伝えた。
「……嘘…」
「ゴメンね!本当にごめんね。止めようと思ったんだけど…」
「……はは。じゃあ、このアカウント取った意味、無かったね…」
ふた葉の様子から、ひどく動揺しているのが分かる。そしてふた葉の姿が薄くなり、消えてしまった。
「あ……」
(起きちゃったか………)