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夢日記  作者: 森の小人
恋愛編
101/160

《season2》リアルのエイプリルフール

その日の夜、ドリファム内では密かに会議が行われていた。

「やっぱりウサコさんが小林さんだったのか」

と大海が言った。

「え!?前に言ってたストーカーってウサコさんのことだったの!?」

「うん。わんちゃんが怖がるかなと思って言わなかったんだよね」

「でもなんで俺がその小林ってやつをグループに入れなきゃいけねーんだよ」

「かと言ってこーへいさんを追放するのもなぁ」

「あいつのせいだろ?離婚調停ってことはまだ離婚してねぇってことだろ?」

「んー、そうなの?」

「そうだよ」

「小林を入れるとかあり得ねぇ」

「そうだよ、貴子さん。俺せっかくあの人から逃げてきたのに…」

「でもさ、こーへいさんとの関係に協力したら、ストーカーされることは無いんじゃない?」

「ああいう地味な女ほどしつこい」

そうアクマが言うと、やけに説得力があった。

「経験者は語る、だな」

「あー!じゃあどうしろって言うのよー」

「だから、こーへいを追放させて」

「何?何?何の話?」

そこにエルフ精鋭グループのメンバーの1人が話に入ろうとする。

「うわぁ、面倒なのが来た」

「こらこら!面倒とか言わんでくれよー!」

グループの管理人、ニコラスが言った。

「あー、うぜぇ。俺、まぢでこいつ嫌い」

ユウがため息を吐く。

「またまたぁー!本当は好きなく・せ・に♡」

ユウは聞こえないフリをした。

「団長ー!遊ぼー!」

エルフ精鋭グループのズームがニコラスに言った。

「今!俺はユウさんと遊んでるの!」

「遊んでねーよ!」

「団長の浮気者〜!」

「(コウ)………何なんだ?このやりとり」

「(レイ)………さぁ?…」

貴子たちは特に気にせず話を進めている。

「もしくは…」

「ん?」

「私がこの組合から抜けるか」

「は!?」

「え!?」

「あり得ない」

「そしたらここに来れねぇだろ」

「家には入れるじゃん」

「釣りは?」

「キャンプ場とか、海とか?」

「えーー、ヤダ!」

「わん汰が抜けるなら俺も抜ける」

アクマが貴子のことを見つめながら言った。

「それなら俺も抜ける」

コウがそう言うと

「じゃあ俺も」

とユウが言い、全員が

「どうぞ、どうぞ」

と言った。

「うるせーよ!」

「ねぇ、わんちゃん」

「ん?」

「本当に良いの?こーへいさんのこと」

「…うん」

「本当に?」

レイも尋ねる。

「うん」

(こんな時にユーリが居ればなぁ…)

レイは強く思った。


結局話はまとまらず、うやむやになる。唯一の救いと言えばこーへいがオンラインしていないことだ。


「気晴らしに、虫取りに行く?」

ニコラスはスキップしながらユウに近づく。

「行かねーし。つーか近寄んな」

「そんなに照れなくても良いんだぞ♡」

「このオカマどうにかしてくれ、まぢで」

「今日は畑仕事しなきゃ。イベント用に畝増やさないと!あと小屋掃除も」

「じゃあ俺はそこで釣りやる」

「じゃあ俺も」

「え?虫取りは?」

「1人で行ってこいよ」

「ぶー!」

ニコラスは仕方なく貴子の家のリビングにあるソファでくつろぐ。

「つーか、他のメンバーはどうしたんだよ」

「限定依頼やってる」

「ふーん」

ユウも別のソファに寝転がる。

コウは貴子の居る小屋に行く。

「そういえば、掃除、ありがとうな。それと、飯も作ってくれて助かった」

「冷蔵庫にあるもので作ったんだけど、美味しかった?」

「ああ」

「そっか。良かった」

「なんなら…」

「ん?」

「俺ん家に、居座ってもいいからな…」

「え?」

「な!なんでもねぇよ」

貴子はコウの反応に笑った。

「何だよ…」

「ううん。ただ…」

「?」

「もしかしたら…、浩太郎さんのこと、好きになったかも」

「……え…」

「ふふふ」

「……確か今日、エイプリルフールの日じゃねえか?」

貴子は怪しげに笑っている。

「ふふふ」

「何?本気か?それとも嘘なのか?」

「ふふふふふ」

「おい!」

「あ!限定依頼やらなきゃ!」



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