こんなデートその1(美希編)
零の初デートになります。
まぁ不慣れな彼が何処までやれるか?というお話ですかね。
そのうち活動報告で発表しますが、今新作を制作中でして・・・まぁ今書いているモノの経験を基に・・・・まともな感じなのを作っています。
とある休日ーー零は人が集まる広場にいた。
「・・・早くね?」
待ち合わせ時間までまだ30分以上あるが、零は既にいる。
「凪に言われたから早めに来たが・・・必要あったか?」
前日に幼馴染みの凪から改めて散々講義を受けた零・・・正直ためになったか微妙だが・・。
で、そんな凪に何時間前に待ち合わせ場所に行くかと聞かれたので、待ち合わせ時間に着くようにすると言ったら
『零ーーー脳外科に行こう。』
頭の心配をされた・・・あのエロゲーを勉強道具にしたヤツに
(携帯もって電話するほどだった・・・・病院に謝るの恥ずかしかったわ。)
結果、朝早く起きて妹の疑惑の眼差し?から逃れ・・・一足早く目的地に着いたのだが
「来てるわけないか」
零としても、ここまで早く来てどうしようか・・・困るところだが、懐から本を取り出す。
「まぁいいか、本でも読んで」
時間を潰そうと言おうとしたところーーー彼女は来た。
「い、泉!」
人混みから、小さな影・・・子供?と俺は思ったが、すぐ違うと分かった。
肌避けの黒の肩掛けに白のワンピース、つばの広い白の帽子で顔が見えないが・・・彼女だ。
照れ臭いのか、顔をなかなか上げようとしなかったが、意を決して、バッと俺を見上げる。
・・・・真っ赤であった、肩掛けによって肌が幾分か隠れているが、胸元やチラリと見える二の腕部分などが、肌が赤くなり健康的に見える。
そこまで考えていると、まだ俺が返事をしてないせいで、緊張したまま待ってしまっている彼女を見て、これはイカンとすぐさま挨拶することにした。
「よぉ黒河」
彼が待っていた女性ーーー黒河美希・・・今日のデート (仮)相手である。
・・・・うん、なぜ黒河なのかというと・・・・まあ色々ありました。
石井先輩と黒河ーーーどちらからデートすべきか
・・・・こう考えてると俺がスゲェー最低男に聞こえる・・・・ううっ凪のせいなのにぃ・・。
結局もうすぐ夏休みという事もあり、石井先輩とは夏休みの時として、黒河とデートする事になった。
「ま、待たせてしまったかの?」
「そうでもない、俺もさっき来たところだ。」
確か凪の用意したエロゲーのデートシーンに
『待った?』
『今来たところだよ?』
みたいなシーンがあったが、別に参考にしたわけではない。
単純に丁度さっき来ただけに過ぎない。
ただ凪からは
『良いかい?零。最初にミスする可能性があるとしたらーーーー集まった時だ。』
『彼女より、早く着くのが前提だと、したら間違いなく、彼女は”待った?”と申し訳なさそうに聞くはずだ。』
『分かってると思いたいが・・・・絶対”待った”と返したらダメだよ?似た風に言っても同じだから、”今来たところ”って答えるんだ。』
『本来ならこんな事言う必要なんてない程の初歩の初歩なんだが・・・・零だしね。』
オイ・・俺だしってなんだ?俺だしって・・・?
そんなわけで、その初歩の初歩とやらのミスは犯しはしない・・!
今回は俺も気合が入ってる・・!
凪の策略のせいで、黒河を巻き込んでしまう事になってしまった。
だから、今回は仮とはいえ、黒河には楽しんでもらいたい・・!
・・・どこまで出来るか分からんが・・・まあコレまでの犠牲を無駄にしないように頑張ろう・・・。
せめてもの救いは、妹に最後まで勉強道具について誤魔化せれた事かな・・・。
親には散々だったが・・・・父さんめぇ。
先日の家族会議で呆れた感じで聞いてきた父さんの顔を思い出す俺・・・・く!なんか腹たつ!
・・・何故か母さんからは、『やっと女の子に興味に持ってくれたのね!?お母さん嬉しいわ!』
などと、言われ大喜びされた俺・・・それで良いのか母よ?
「泉?」
ボーとしてる俺を心配すに伺う黒河を見て、思考を切り替える。
そうだ。今は黒河の事を考えないとな・・・。
そう思った俺は、確認も取らずに黒河の手を握り、前に出る。
「い、泉ぃ・・!?」
「・・・行くか。」
「う、うむ・・。」
目的の場所に向かおうと歩き出したところ、隣の黒河から提案がきた。
「のう・・泉」
「ん?なんだ黒河」
「ワシら仮とはいえデートをしておるじゃろ?」
「ま、まあそうだ・・な。」
緊張のせいか歯切れが悪い・・・なぜ緊張している?
黒河の顔がさらに赤くなったからか?
「な、なら、提案があるのじゃが・・・・なま・・え」
「な、なに?」
よく聞き取れません。
「じゃから・・・名前で・・・呼ばんか・・・!?」
「へ・・・?」
名前・・・名前ですか?
「仮にもデートしておるんじゃ・・!苗字で呼び合うのはなんか変じゃろ!?」
・・・確かに黒川の言う通りだ。
一応デートしてる事だし名前で呼び合わないのは、違和感があるよな。
しかし、急過ぎないかなと悩んだりもしたが、結局黒河の言う事が正しいと思い、その提案に乗る事にした。
「そうだな・・・じゃよろしくな!美希」
「うっ!あ、ああ、よろしくなのじゃ・・・れ、零」
「・・・・・。」
開始早々精神すり減らし、グッタリしている俺とくろ・・美希であった。
・・・・本当に大丈夫なのか?この先。
こちらの中学編ですが、あと3話ほど投稿したら、暫くお休みさせて頂きます。
読んで頂いてる皆様にはご迷惑をお掛けしますが、どうか今後もよろしくお願いします。