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世界に捧ぐ幻想花  作者: にぼし
第3章 能力は生活必需品
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おまけ そのころ

シオンと三葉が山で修行8日目を迎えた日の話です。

誘拐事件後の白花と鞠のその後、かなり短めです。

「はぁ…平和ねー」

「あら、気を抜いている暇はないわよ白花ちゃん。いつ事件が起こるか分からないんだから」

「うるさいわね、いいでしょ本当に平和なんだから

 霜月しもつき 白花はくか17歳、今日も平和である。こんな平和な時間が永遠に続けばいいのに。

 私は誘拐事件以来、何事もなくだらだら毎日を過ごしている。もちろん、毎日モエミの相手をしている。なんでこいつは毎日来るのだ、なんの仕事してるか知らないけど働きなさいよ。

「ねぇ、ずっと気になってたんだけど、あんたの仕事ってなんなのよ?」

「私?私の仕事は白花ちゃんを見守ることよ」

「やめてよバカバカしい、真面目に答えなさい」

「そうねぇ、そのうち教えてあげるわ」

 なんなのよモエミのやつ、ケチなんだから。

 そんな感じの会話を毎日している。昨日は確か、お茶の葉の置き場所を変えた事に文句を言われた。私の家なんだからどこに置いたっていいじゃない。

 そんな時、ふと私はあいつの事を思い出す。

「そういえば最近あいつ見ないわね」

「あいつ?鞠ちゃんの事?」

「あぁマリ?マリは最近図書館に行ってるのよ」

 そう、マリは最近私の家に来ない、おそらくアレサと会っているのだろう。別に寂しくないからいいけど、今度からかいに行こうかな。

「私が言ったあいつってのはシオンの事よ」

「えっ…シオンって…」

 なんだ、モエミのやつ妙に驚いている、何か知ってるのか?

「ええそうよ、あの森の薬屋で働いているシオン。1週間前に会ったのが最後なのよね」

「……」

 モエミ、本当にどうしたんだ、何もないように装っているけど、明らかに動揺しているというか不安そうというか、そんな感じに取れる。

「あいつさ、キアレと戦う時に私に変われって言ったの、信じられないでしょ?まぁそのあと美味しいお菓子をくれたからいいけど、知ってる?シオンって結構料理上手なのよ、そのお菓子もシオンの手作りなのよ」

 そう言って私はお茶と一緒に食べていたお菓子を見る、ちょうどモエミが食べているやつだ。

「………」

「どうしたのモエミ、さっきからおかしいわよ?」

「ううん、なんでもない。今日は帰るわ、用事思い出しちゃった」

 そう言ってモエミは能力の瞬間移動で帰っていった、変なやつ。




「鞠さん違う、それじゃ二重敬語になってる。二重敬語は失礼なのよ」

「そんなこと言われても分かんないよ、やっぱ私には合わないんだって」

 私はあの事件以来、真知さんの図書館で礼儀作法と言葉遣いについて勉強している。が、もう限界だ、息が詰まりそうだ。

「あのさぁ真知さん、なんでそんなに礼儀礼儀って言うかな?私の場合はふれんどりーって事でいいじゃないか」

「確かによく言えばあなたはフレンドリー、でもね、親しき中にも礼儀ありっていうでしょ?その辺はちゃんとしなきゃ」

 もう、意味わかんない。だいたい私はアレサに会いに来るついでに勉強してるから、そんなにやる気は無いのに。

 こんなに本があるのに自分の読みたい物が読めないのは辛い、事件解決後は気の迷いであの本を借りてしまったが…1ページ目を見てもういいやって思った。

「はぁ、魔道書が読みたい…」

「はいはい、これが終わったらね」

 ああもう!知らない、私は知らない!もう帰るからな…

「あれ、マリ?お茶持ってきたけど…もう帰るの?」

 アレサが奥からお茶とお菓子を持って出てきた、ぐぬぬ…お菓子は食べたい、でもここで帰らなきゃまだ勉強しなくちゃいけない…どうしたものか。

「自分の中好きなようにしなさい」

 げっ…真知さんに能力で心の中を読まれてしまった、わかったよ…勉強すりゃいいんだろ。

「じゃああと10分だけな」

「はいはい」

 アレサの持ってきたお菓子はすごく美味しかった、お菓子目的ではないがまた明日も来よう。

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