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世界に捧ぐ幻想花  作者: にぼし
第2章 優しさに酔いしれて
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なんだこいつら…

白花視点になります

 マリがアレサとの戦闘を終える、どうやら真犯人はキアレというやつらしい。

 真知さんは、アレサが動物を連れてきたから犯人だと思っていたらしい、そこは能力使ってちょうだいよ。

 まあ仕方ないのか、能力を使っちゃえばアレサの考えが、ガンガン心にダメージを与えるかもしれないものね。

「ごめんなさい、私あなたの事を疑ってたわ」

「いいんですよ真知さん、そのおかげでマリと友達になれたんです。むしろ感謝ですよ」

 アレサはにこにこと笑いながら言っているが、真知さんは内心怖いんだろう、口だけなら何とでも言えるもの。

 後、こんな事を言うと性格が悪いって言われそうだけど、魔力の泉行けばいいじゃない。

 まあせっかくマリに友達ができたんだ、言わないでおこう。

「ところで、肝心のキアレって人はどこなの。ほらマリ、シオン、さっさと終わらせてきなさいよ」

 私は早く帰りたいんだ。今気づいたのだけれど、この事件って世界守の仕事なの?カナン関係ないじゃない。

「そのことなんですけど、キアレは今ここにはいないんです。お気に入りの場所に行ってて…」

 真知さんが私のシオンに言った言葉に対して反応してくる。

「お気に入りの場所?どこなんですか?」シオンが真知さんに尋ねる。

「それが、結構危ない場所で…いやその、場所自体が危ないわけではないんだけど」

 どういうこと?危ない場所、どこなのそれは?

「砂丘、あるでしょ?本当に何もないただの砂丘。そこにいるはず」

 ますますわけがわからない。砂丘が危ない?確かにあの砂丘は危なくないけれども、キアレの能力に関係があるのか?

「まあいいわ、シオン、マリ、行ってきなさいよ。私はここで本を読んでるから」

「ああ悪い、私はここで離脱だ。魔力使い切ったからハク頼むわ」

 は?なんでなのよ、確か前の日にしっかり寝たって言ってたのに。

「悪いなハク、シオン、私防御魔法苦手なんだ。調整に魔力を無駄に消費したから」

「はぁ、本当にあんたは…まあいいわ、シオンに倒してもらうから」

 白花さん、働いてくださいよ、とシオンは言いたそうだが私は気にしない。

「じゃあ行ってらっしゃい、キアレは強いわよ」

 真知さんの忠告を受けて、私とシオンは砂丘へ向かった。


 砂丘、ただの砂丘。説明することなんてない。本当にただの砂丘です、場所説明終わり。

「暑い…砂漠じゃないんですかここ」

「馬鹿ね、砂丘と砂漠じゃ全然違うわよ。具体的には…えっと…そう!力強さが違うわ」

「あ、そうなんですか。初めて知りました」

 あはは、嘘言っちゃった。後で調べとこ…

「ところでキアレさんはどこにいるんですかね?遮る物がないから、すぐに見つかると思ってたんですけど」

 シオンが言う。確かに変だわ、どこを見ても砂しかない。もう帰ったのかしら?


その時だ、


「何してんのー!ここには何もないよー!」

なんだ、どこかから声が聞こえる。でも見渡す限り砂、砂、砂で誰かがいる様子はない。

「おーい!どこ見てんのー!うえだよ、う、えー!」

 上?そういえば上を見てなかった、眩しいから避けていたのだ。

 見上げてみると、こっちに向かい笑顔で手を振る少年がいた。あの子がキアレか?

「ねぇ!とりあえず大声出すの疲れるから降りてきてよ!」

 私がそう言うと少年が、わかりましたー!と言って降りてくる。

「ふぅ、暑かった。で、どうしたの?ここには何もないよ?」

 暑かったんかい、「いやね、ちょっと人探しをしてるの。もしかしてあなたがキアレ?」

「うん、キアレは僕だけど…何か用?」

「キアレさんが連れて来た動物達についてなんですけど」そうシオンが聞く。そういえばあんたいたわね。

「あ、ああ動物達の事?捨てられた子達を連れて来たんだよ」そう言うキアレだが、明らかに目が泳いでいる。

「ネタは上がってるんですよ、さあ早く白状してクニマスを2、3匹分けてください」

 なんだ、シオンも真面目にやってるわけじゃないのね。クニマス、美味しいのかしら?

「クニマスなんていないよ、連れて来たのは籠に入れられてたトキとかツノウサギとかだよ」

 なんだ、クニマスいないのか。ちょっとがっかり。

「そうなんですか。しかしツノウサギなんて飼ってる人なんているんですね」

「まさか、ツノウサギは珍しいから飼ってる人なんていないよ。外界の生き物だし、保護されてますよ」

「そうですよね、珍しいですもんね。よし覚悟しなさい」

「うん、もう薄々こうなると思ってた。僕強いよ、動物達の為だから本気出す。みんなをあんな籠の中なんかに閉じ込めさせてたまるもんか」

 なんだろう、シオンとキアレは波長が合うのか?私には似たものを感じられる。

「じゃあ白花さん、俺戦ってきますね。そうだ、これ持っててください」

 薬?なんで私が持たなきゃいけないのよ。

「ねぇ、これ勝負途中で使ったらいいじゃない」

「そんなことしません、それにもう俺に薬使っても意味ないですから」

 どういうこと?薬を使う意味がない、怪我したらどうすんのよ。

「いいんです、しっかり持っててくださいね」

 そう言ってシオンは再びキアレと会話する。

「お待たせしました、じゃあ始めますか。俺が勝ったら動物達は元の保護者返す、いいですね?」

「うん、いいよ。負けないから」


 シオンとキアレが空へ向かう。広い場所での戦いは空中戦の方が何かとやりやすい。それに今回、地面は砂だから足場は最悪だもの。

「よーっし、特訓の成果見せますよー!」

 シオンは早速両手を銃の様に構え、魔力弾を何発かキアレに向かって撃った。

「小さいね、弱そうだね、その弾は」

 キアレが左手を広げ前に出す。すると、1秒の溜めもなく巨大な火炎弾を放ってきた。

 シオンの弾が勝てるはずがない、そのまま火炎弾に打ち消される。依然、火炎弾は進行を止めない。

「うーん、それはずるいですね。まあ問題ないですが」

 火炎弾が突然爆発する、シオンが何かしたのか?

「へー、まあ最初はこんなもんだよね」

 キアレがそう言ったおよそ5秒後、

「白花さん」シオンが降りてきて私を呼ぶ。

「何?どうしたの?」

 私は次のシオンの台詞に耳を疑った。

「すみません、変わってください」


………は⁉︎

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