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プロローグ

前書きとして。

約20年前にJRのCMとしてブームになりました。とあるJR社員の思い付きだそうです。

この時代に、一般的に携帯電話なんて普及していません。週に1、2度通話時間と料金を気にしながら電話をして、月に1、2度しか会えない。今はホント便利になりましたね。メイルという機能、テレビ電話が携帯電話で出来るんですから。

でも、やはり会って、傍に居るのが一番ですね。遠距離恋愛で離れた距離を行き来するのは楽な事ではありませんが、会えたら楽しい時間が待っているものです。恋人のいる方なんか、たまには手紙を送ってみてはいかがでしょうか?きっと新鮮だと思います。私には恋人は居ませんが、恋人が出来たら手紙を送ってみたいと思います。

もう、何年前のことだろうか。携帯電話も普及していなければ、メイルの機能なんてまるでない時代。手紙と固定電話が唯一の通信手段の時代のこと。

週末を東京で過ごした恋人達が、新大阪に帰るための最終のひかり号。それをシンデレラエキスプレスと呼んだ。一分一秒を惜しむかのように恋人達は抱きしめあい、口付けを交わす。

「また会えるよね」

そんな言葉を交わし、恋人の温もりを感じる。会えるのは暫く先の事だから、この温もりを、感じておきたいという気持ちは、お互いの心にあるのだろう。

恋人が列車に乗り込んで、扉が閉まってしまえば、そこにいるのは、ただの召使と、仕事に追われる王子。ガラスの靴を残したまま、恋人はカボチャの馬車で帰って行く。

新大阪に着くのは12時前、家に着くのはもう鐘の鳴り響いた12時過ぎ。だからシンデレラエキスプレスと呼ばれているのだ。

恋人がデッキに立つと、離れるのを惜しむかのように手を離さない。ホームに別れを告げる発車ベルが鳴り響く。そして、無情にも扉が閉まる。扉が閉まると、繋いでいた手を離し、扉の向こうの恋人を見つめる。恋人の顔を忘れないように、見続ける。

東京駅のホームに、早めの12時の鐘の代わりに、汽笛が寂しく鳴り響く。列車は二人の別れを惜しむかのようにゆっくりと走り出す。

恋人を追いかけようと駅のホームを走る。しかし、列車は速度を上げて二人を放そうとする。ホームの端まで来た時は、テイル・ランプは、恋人の涙の代わりに、滲んでいく。走り去っていった、シンデレラエキスプレスは、二人の次の再会を願うように汽笛を鳴らし、街中を縫って走っていく。


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