日記と育成計画書
ここはゼムの実験室みたいだ。
部屋の真ん中に俺の入っていた水槽、それを取り巻く何かわからない器具。
水槽の前にゼムの机と椅子。もちろん椅子にはゼムのミイラが座っている。
反対側の壁には書架があり、魔法書らしきものが整然と並んでいる。
だけど出入り口がない。
俺は脱出の手がかりを探した。
ゴミ箱の中には、あった、俺の服と双流星、服を着て双流星の柄に入れてあった非常食の飴玉をなめた。
これで少し落ち着いて行動できる。
机の上にはゼムの日記帳、何冊かの魔道書、それから弟子育成計画書。
俺はまず日記帳を後ろから斜め読みしていった。
俺について書き込まれていたことを要約すると大神官ゼクリスに弟子の自慢話をされた。悔しいから、それ以上の弟子を育てて見返してやりたい。そのために子供をさらったが、実際に捕まえてしまったのが修羅である俺だったので、とりあえず改造して、当初の予定通りに進めることにした。
角はとろうとしたが無理だったので小さくしてみた。
あっ!あった!!
頭を手でよく探してみると2ミリくらいになった二本の角があった。
角さえあれば、女にされたことなんて些細なことでしかない。
俺を女にしたのはゼクリスの弟子ソフィアが少女だから、比べて自慢するのに条件を同じにしたかったからだとさ。
続いて育成計画書を読んでみた。
俺 アモン・ディモン 修羅族18才 2本角
小柄なことを生かして洞窟専門のハンター。
赤い髪の毛、赤い瞳、褐色の肌 目つきが悪い
双流星
2本の短剣をロープでつないだもの。
厚刃でスコップやハーケン代わりにもなる短剣を使用。
柄の部分が非常食などを入れる小物入れになっている。