【番外編④】公爵家ご子息に絞ります!
みなさん、キャサリンです!
「オーディエンス」を使って、私の推しそっくり公爵様を教えていただきたかったのですけれど、おかしいですねぇ。
どなたからも反応がありません。
よくよく考えてみたら、これ「記録魔法」だから相互で通信できないようだと、今頃気が付きました。
みなさんのご意見を参考にしたかったのに……残念です!
でも、大丈夫。
私、きっと推しカラーが違うだけで、えぇ、前世と同じ緑が良かったのですけれど……なんたって癒しの色ですからね。
でも、紫ジャケットを着ていた男の子が一番、顔の系統が近いので私の運命の相手……推しそっくり公爵様ではないかと目星をつけました。
紫色って高貴な色ですからね。公爵様にゆくゆくなるお方ですから……女神様が前世と違う色にしたのではないかと思っているのです。
多分ね!
よし。ひとまず出逢わなければ恋してもらえませんから。
あの紫の彼の前でハンカチを落として拾ってもらいましょう。
そうしたら……彼が公爵の子息であれば、可能性が高いと思いません? ね?
そんなのやってみないとわからないだろう?っておっしゃいましたか。
そのご意見も素晴らしいですね。
じゃぁ、見ていて下さいね。
紫ジャケットさんの前でハンカチを落として、声をかけてもらえるように頑張りますわ。
よし、今です! ジュースのおかわりに向かうようなので近づいてみますね!
パラッ
イイ感じにハンカチが落ちました! あと、5メートル、4メートル……
「お嬢さん、落ちましたよ!」
「あ、ありがとうございます」
ちっ、作戦失敗したか……おっさん……コラァー計画ぶち壊しじゃねぇか……
失礼しました!!
私の心の声が全て記録されることを失念しておりました!
えぇ、今、とても優しい紳士がハンカチを拾って下さったのです。
え? 先ほどの品のない声は誰かって?
もちろん、私、キャサリンですよ。
私だって心の中で暴言や悪態をつくことはございます。
ほら、相田さんという方のお言葉にもあるでしょう。
「だって 人間だもの」
記録魔法で黒いキャサリンの声が出てきたとしても、それも愛嬌としてとらえてくださいね。
手っ取り早く、まずお母様に彼らの爵位を聞いてしまいましょう。
私の推しが公爵というのは女神様に注文してわかっておりますので。
「お母様、あの男の子たちはどこのご子息ですか?」
「ふむふむ、緑と紫ジャケットが公爵家、白と黄色ジャケットは侯爵家、え? あのピンクジャケットの子も公爵家ですか? ありがとうございます」
皆様、どうしましょう。
公爵家のご子息五人中三人もいました。しかもですよ! どこもかしこも何一つ推しそっくり公爵様に似ていないピンクジャケットの男の子も公爵家なんですって。
さすがに……あの子は、どう成長しても推しになりそうもないのですけれど。
いや。整形すればなるとは思いますけどね、生まれつき推しそっくり要素のある子が推しになるんだと思うんですよ。
さぁ、どうしましょう。
紫か緑ジャケットの子でしょうね。きっと。
え? 何ですって? 早まるなって? あのピンクの男の子を除外しない方がいいですって?
どう見てもモブなのに? 入れて置いたほうがいいって?
えーーーーー。
年上の話は経験が違うから聞いておいた方が間違いないって?
いろんな小説読み漁っているから、この後の展開も予想がつく?
私、キャサリン歴は前世で34歳+現世10歳ですのよ? 合計44歳の経験がありますのよ?
それでもあなた、年上の話を聞いた方がいいって?
あ、私よりも年上の方もいらっしゃったようです……偉そうな物言いしてすみません。
それならば、ご意見取り入れた方が良さそうですね。
では、人生の先輩の助言を参考に、緑、紫、ピンクの三人に焦点をしぼって行動を起こしてみようと思います!!
お読みいただきありがとうございます。
番外編なので、不定期更新になってしまいますが、気が向いた時にお読みいただけると嬉しいです。