1 無能聖女となったAさんを追跡してみます!
どうぞ宜しくお願い致します。
この世の中の人口2%が聖女だと言われておりますが、魔力を使い過ぎた聖女、つまり「廃聖女」や「無能聖女」と呼ばれている彼女たちが、どこに姿を消しているのか調べて欲しいという依頼が参りました。
私、キャサリンがその真実を追跡してみたいと思います。
なんと! かくいう私もリポーター兼聖女なのです。
私の魔力は少ないので擦り傷、腹痛しか治せませんがれっきとした聖女です。
本業はリポーターですので、聖女は副業としておりますが……私も、まだ生涯魔力の残存量を見てみますと多く残っておりますので、この先、魔力を使い過ぎて聖女としての役割を終えてしまったら、どうなるのかという不安がございます。
ですので、お寄せいただいた質問、私も気になっておりました!!
今日は、もうすぐ生涯魔力の残存量が底をつきそうだという不安を抱えているAさんについて行ってみようと思います。
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こちら、Aさんの職場の治療院前にやって参りました。
あちらで働いていますのが、聖女歴18年、独身30歳のAさんです。
彼女も、魔力を使いきったらどうなるのかまだ聞いていないとのことです。
魔力を使いきらないと、詳細は教えてもらえないとのことですが……私はどこまで真実に辿りつけるのでしょうか。
あ!今、Aさんが両手を患者にむけております。どうやら、外反母趾がひどくて歩けないというご婦人の骨を治療している模様!!
ご覧ください! きれいな光に包まれてご婦人の顔にも癒されていくのか頬が緩んできているのが遠くからでも見えます。
あ!! Aさんの治療が終わり、両手を上に挙げました。どうやら、最後の魔力を使いきったようです!!
Aさんは感動して泣いております。いったいどんな感じなのでしょうか。私も魔力を使いきるとあのように感極まるのかとワクワクして参りました。
最後の仕事を終えたAさんに司祭でしょうか? 50代と思われる男性が一通の手紙を渡しております。
あれは……お給金でしょうか?
それとも、今後の行き先について書かれているのでしょうか。
あ! Aさんの手にはどうやら退職金と……文書の書かれた紙を手にしております!
一体何が書かれているのでしょうか? 気になりますね。
Aさんが治療院を後にして、歩き出しました。
どうやら汽車の駅に向かっているようです。どこに行くのでしょうか。
私も汽車の時刻表を見ておりますが、次の汽車は三時間後の予定です。
その間、Aさんは駅でずっと待つのでしょうか。
いや! 違います!!! ご覧ください!
一台の臨時汽車がホームに入って参りました。
行き先は……なんと「廃聖女様の終末」駅です! 何と……恐ろしい名前の駅なのでしょうか。
私も魔力が枯渇したら、あの汽車に乗らないといけないのでしょうか。
あ! Aさんが汽車に乗り込みました!! 私も切符を買ってあの汽車に乗り込もうと思っております。
間に合うでしょうか!! ちょっと走りますね!
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