お礼は精霊も驚くようです
「本当にありがとう!」
王様と同時にユキさんと奥様も頭を下げた。
「いや、気にしないでください!」
「気にしますよ!コハクさんはお母様を救ったのでふから!」
「そうです、謙虚なのも良い事ですが事実は事実です」
俺の返しにユキさんと奥様はそう言った。
「コハク殿よ、何か欲しい物はあるか?」
「ないです!」
「本当か?金や、地位、名誉なんでもやるぞ?」
「お父様、名誉って大丈夫なのですか?」
「あぁ、私はコハク殿を気に入ったからな!」
ユキさんの心配した質問に王様は笑って答えた。
「何もいりません!欲の為にやった訳じゃないので!」
俺は誰でも助けたかった。前世の俺は何もできなかったからな。少しでも人が笑顔になるなら俺は何も要らない。
「何もやらんとは王としては許されないぞ?」
「そう言われましても、自分は報酬が目的ではなく、1人でも救えるようにしただけです」
俺はそう返した。ポーション代はちゃんともらってるからな。
「そういえば……」
奥様はそう考え込んでいた。
「お母様どうしたのですか?」
「お礼と言えるか分かりませんがあの石を渡してみたらと思ったのよ」
「石とは?」
ユキさんと奥様の会話に俺は質問をした。
「昔からこの家に伝わる石なのだ!」
王様はそう言うと執事さんに指示を出した。
「私は精霊が封印されていると思っています」
「確かに前からそう言っていたな、私にはわからないが……」
奥様の言葉に王様はそう呟いた。
「一応ですが私も精霊が見えます!」
「私は見えません」
奥様が答えるとユキさんはそう言った。
「遺伝ではなかったのだ」
俺が思いそうな事を王様は言ってくれた。まぁ、謎だからな。
「私は精霊が見えるだけだが、妻は精霊のオーラも分かるのだ」
凄いな。
「それに、私は精霊とちゃんと話せる事は出来ない」
「どう言う事ですか?」
「精霊は見えるのだが話すとなると少し聞こえづらいのだ」
だからエルトが確認した時も少し強引だったのか。
「しかし、妻はちゃんと話せるのだ!」
「私達貴族には、封印を解く力はありません」
奥様はそう言った。
「その石には多分だが、上級の魔法が必要なのだ、私達は上級魔法を使えるが何を使えば良いのか分からないのだ」
石には鑑定出来る人は居ないのか?
「鑑定出来る者は数人しかおらず、名前と精霊が封印されている事しか分からないのです、ちゃんと鑑定出来る者はマスターしかいません」
ナビはそう言っている。え、そうなの?
「はい!」
ドヤってるな。まぁ良いがエルトの時大分凄い事やってるな、シン婆だったから良かったな。
「少し見せてもらえませんか?」
俺がそう言うと王様は台を持ってきて置いてくれた。俺は鑑定をした。
ルミナ
Sランク
精霊が封印されている
闇属性の上級魔法が必要
呪われている
なるほど、呪いか。でも呪いにしてはそんな暗くないな。でもあれならいけるかもな
「魔法を使ってもよろしいですか?」
俺がそう聞くと王様は頷いた。
「ノーダーク!」
これは呪いを解く上級魔法だ。俺はルミナにそれを使うとルミナは浮いた。
「何でしょうか?」
ユキさんは我慢を抱いていた。俺もそう思うな。
「貴方が、解いてくれたのね!」
なんと、黒い羽が生えた精霊がいた。
「ありがとう、てっエルト!?」
お礼を言うとエルトに驚いていた。
「やっぱりルミナか!」
エルトも知っていたようだ。どんなしりあいなんだ?
「ルミナもゴルと仲良かったんだよ!」
そうだったのか。また、ゴルさんの所に戻らないとな。
「流石、コハク殿だな……」
「凄すぎます!」
「私も初めて見ました」
王様、ユキさん、奥様は驚いていた。
「これがお礼とは情けないな……」
いや、俺からすると充分だよ!
「こういうのはどうでしょう………」
奥様は俺に聞こえない声で王様とユキさんに何かを言っている。
「それは良いな!」
「流石お母様ですね!」
2人とも納得しているみたいだな。何について話してるのか謎だな。
「冒険者ギルドのカードを見せてくれないか?」
王様にそう言われたので俺はギルドカードを見せた。このギルドカードがとんでもないことになる事を今の俺は知らなかった。




