また、チートを発揮したみたいです
「コハクさんおはようございます!」
この声はユキさんである。ゴウさんが去った後、俺はこのお城で泊めてもらう事になった。今日の奥様の具合の事があるからな。
「奥様の調子はどうですか?」
俺の言葉にユキさんの顔は微笑み袖を掴まれて奥様の部屋に連れて行かれた。
「コハク殿か!」
「おはようございます」
王様も、テンションが高いな。ん、今挨拶したのって奥様か?
「回復したんですよ!」
ユキさんがピョンピョン跳ねながら話している。
「落ち着きなさい」
奥様が注意をした。
「コハクさんありがとうございます」
「コハク殿のお陰だ!」
奥様がお礼を言うと王様も喜んでいた。
「お身体の方は大丈夫ですか?」
「はい、何ともありません」
「調べてもらったが魔力も回復しておる」
それなら良かったな。てか魔力って減ってたのか?
「毒や呪いは体力だけじゃなく魔力も消費するのじゃ」
後ろから、シン婆が答えていた。
「流石はコハクじゃの、アタシが確認したんじゃが完璧に治ってたよ」
「良かった……」
俺は安心した為にそう呟いた。
「よし、コハク殿来てくれ!」
俺は王様達に案内されて、よく見る王様の椅子がある部屋にいた。王様がその椅子に座ると咳払いをした。
「ゴウ殿はまだか?」
ゴウさんも呼んでるみたいだな。何の話だ?
「今来ました!」
執事っぽい人が王様に報告していた。
「やっぱりダメでしたか?」
少し嫌な登場の仕方だな。だが奥様が咳払いをするとゴウさんは驚いた目をしている
「大丈夫なのですか!?」
「はい、コハクさんのお陰で」
奥様はそう返した。
「新人の?冗談でしょ」
そう笑っている。昨日の事は忘れてそうだな。
「コハク殿のポーションのお陰だ!」
王様はそう言ってくれている。嬉しいな。まぁ、スペスイのお陰だけどな。
「キュー!」
大した事ないし、俺の力もあると言ってくれている。俺はスペスイの頭を撫でた。
「テイマーなんて、魔物の力だけなのに……」
「ギャウ!『ずっとハクにぃの事馬鹿にしてる!許さない!』」
マユはゴウさんに殴ろうとしているがケイが止めた。
「ギャウ!『ここでやると、コハク様に迷惑がかかる』」
冷静だな。流石だ。
「ウォン!ウォン?『そうだ!我の力で直ぐに終わるぞ?』」
「ルリ、落ち着いて」
俺はルリを落ち着かせた。ルリはため息をついた。本気でやる気だったな。
「ゴウよ、お主は私の所でポーションを売っておるな?」
「はい!Bランクポーションですけどね!」
ゴウさんはシン婆に対してそう答えた。
「昨日、コハクに作ってもらったポーションじゃが完売した!」
昨日俺はシン婆に半分ずつ売った。しかし、もう完売って誰が買うんだよ。結構高いのに。
「コハクがよく知っておる冒険者ギルドのマスター2人じゃ!まぁ、例外もおるがの……」
あの2人かよ!でも、ありがたいな。例外って誰なんだ?
「知ってるのなら僕のポーションの方が売れてないのは仕方ない事ですよ!」
「しかし、お主が売っていたのは数年前じゃそれに、お主の知り合いにも売っていてこの結果じゃ!」
シン婆はゴウさんの言い訳に即答した。ゴウさんは何も言えない感じだな。
「ゴウ殿、今回妻に作ったポーションの事を聞きたいのだが?」
「はい、ポローズに、薬草や、Bランクポーションを調合しました!」
「しかし、お母様は風邪だったのですよね?」
「毎回このポーションを使っていますが、患者に異常はありませんでした!」
ゴウさんは王様とユキさんにそう返した。
「ゴウよ、本当にそうじゃと思うか?」
シン婆はゴウさんにそう聞くとゴウさんは頷いた。
「アタシのギルドに変な依頼が来たんじゃ」
「変な依頼?」
シン婆の言葉に俺は引っかかったので聞いた。
「この王都に変な呪いが流行っていると聞き、王の依頼のついでにアタシが来たんじゃ」
そうだったのか。まさか、その呪いって?
「コハクは気づいたようじゃな」
シン婆の言葉にユキさんと奥様はハッとしていた。
「まさか、ゴウさんのポーションですか?」
「そうじゃ、ポローズと調合したせいで随分としんどい依頼じゃったよ」
ユキさんの言葉にシン婆はそう返した。
「アタシは、一応色んなポーションを持ち運んでおるから、毒癒ポーションがあって良かったよ」
そうシン婆は言っている。
「街の者達はどうなんです?ポーションにも限りがあるでしょうし」
奥様がそう聞くとシン婆は微笑んだ
「足りんかった分はコハクが作ったポーションがあるからそれで治ったんじゃ!」
例外ってこの街の人達だったのか。
「本当に治っているのですか?」
ゴウさんはそう聞いた。まぁ、確かに気になるよな。
「この城には、鑑定人がおる、その人によれば完治しているようだ」
ゴウさんの質問に王様は答えた。
「アタシは、ポーションの鑑定で治る物しかし渡しておらんよ」
シン婆もそう答えた。鑑定人がいたなら毒って分かってたんじゃないか?
「その鑑定人はざっくりとしか分からんのだ」
「コハクよ、顔にですぎじゃ」
王様はそう答えるとシン婆は笑っていた。
「ゴウ殿よ、どう説明をするのだ?」
王様は圧を出して聞いた。やっぱり流石王様なだけある圧だよな。
「すみませんでした」
ゴウさんはそう頭を下げた。
「ゴウよ、降格を覚悟するのじゃよ?」
「貴方が出来るのですか?」
まぁ、確かにシン婆はこの街じゃないからそう思うよな。
「アタシは顔がきくんじゃよ!」
そうドヤ顔していた。流石だな。
「なら、この新人はどうなのですか?」
俺か?
「コハクは治したじゃろ?」
「あの、スライムの力ですよ!」
「コハクが作ったポーションも売れたんじゃコハクの力もあるんじゃが?」
「それでもテイマーですよ?何か裏があります!」
テイマーってどこまで言われるんだよ!
「一応言っておくが、完毒癒ポーションはここでしか使っておらん、毒癒ポーションプラスを使ったんじゃ!」
まぁ金額的にはそっちの方が良いのか。
「まぁ、詳しくはまた連絡するから帰って良いぞ!」
シン婆がそう言うと王様も頷いた。
「ゴウ殿、お世話になったな」
王様はそう言うとゴウさんは去っていった。
「コハク殿よ、良いか?」
「はい」
俺が王様にそう言うとシン婆が俺の前来た。
「コハクよ、ギルドカードを少し預かって良いか?」
「良いよ」
俺はシン婆にギルドカードを渡した。するとシン婆は去っていた。え、ギルドカードは?
「良いか?」
王様も少し焦ってくれてる。まぁ、ギルドカードを取られたらそうなるか。それが数時間後凄い事になるのは今の誰も知らなかった。
「何でしょう?」
俺はそう言うと王様が立ち奥様とユキさんも俺の目の前に来た。
俺はこの後、貴族の本気のお礼を知るのであった。




