新人の推薦は可笑しいみたいです
「何かの間違いかい?」
「何がですか?」
ゴウさんの質問に俺はそう返した。
「君が推薦をもらえるとは思えないな」
そう言われてもな。何かあるならシン婆に文句言ってくれよ。
「だが、ギルドカードはAと示していたぞ?」
「あれは本物でしょう、偽物だとバレるでしょうから」
「だから、何か、騙したのですよ」
王様がそう言ってくれるがゴウさんは訳の分からない事を言っている。
「アタシの目が節穴だって言うのかい?」
そう、見覚えのある人が立っていた。
「誰ですか?」
「客が来る予定はなかったと思うが?」
ゴウさんは知らないみたいだ。王様も知ってないみたいだ。しかしお姫様は呆れている。
「今日は、有名な薬場ギルドのギルドマスターが来てくれると聞いてたのですが?」
お姫様は知ってるみたいだな。
「そうだったか?」
「そうですよ、それまでにヒグレ草を取って来いって言ったのはお父様ですよ」
なるほど、一応手はうってるんだな。そのヒグレ草探しで盗賊達に襲われたんだな。
「そうだった!私とした事がすっかり忘れてたな」
「コハク、久しぶりじゃな」
「久しぶり」
シン婆に挨拶し返した。するとゴウさんが立ちシン婆の前に行った。
「何かの間違いですか?」
「間違っておらんよ」
ゴウさんにシン婆は返した。
「なら何でこんな新人に推薦を出すんですか?」
「アタシ的には良いと思ったんだよ、それにこれまでの結果もあるしね」
そう直ぐに答えた。
「私達にも教えてくれませんか?」
「確かに聞いてみたいものだな」
お姫様と王様がそう言うのでシン婆は光癒ポーションプラスの事から夜中依頼の事や商業ギルドの事も話してくれた。
「とても、新人とは思えんな」
王様はそう笑っている。
「僕にはとてもじゃないが出来るとは思えない、それに僕もAランクだが僕より上な筈がない」
「キュー!」
ヒースイとハイスラは俺を馬鹿にした事を怒っている。
「はっ、しかもテイマーか、なら今すぐにギルド登録を解除した方がいい!」
「何故じゃ?」
「テイマーじゃ、底が知れてるからですよ」
そう俺を笑ってみていた。
「なら、コハクよやってみるが良い」
「良いの?」
「あぁ、元々アタシの依頼じゃがコハクになら任せられる、王様もそれで良いな?」
「私は構わない、コハク殿は面白そうだからやってくれそうだ」
シン婆って王様に敬語は使わないのか?
「アタシは昔からこの国にポーションなどを売ってたから仲は良いんだよ」
「今は何処でも手に入るようになっているから会ってないがな」
俺の疑問にシン婆と王様が答えた。
「すみませんがもう一度鑑定してもよろしいですか?」
「良いか?」
「構いません」
俺が質問すると王様と奥様は答えてくれた。よし、ナビ、毒の前の元の原因は分かるか?
「鑑定します、分かりました」
「どうせ、新人テイマーには無理だと思うが頑張ってくれよ!」
この一言を言った人が後に自業自得な目に合うのは今の、誰にも分かっていない。