テイマーって何かしたの?
「申し遅れました、私の名前はユキ・ウェザーです」
ウェザーって、あのウェザー家の?しかもユキって名はお姫様の名前だな。
ちなみに、ウェザー家とはこの世界で1番偉いと言われている貴族だ。その貴族さんだから、護衛が多いのか。
「貴方は古代魔法を知ってるのですか?」
「詳しそうな感じでしたね」
お姫様の言葉に護衛の代表みたいな人もそう言っていた。
「冒険者なので耳にしただけです」
俺はそう答えた。
「君は若い、そんな話を聞くとは思えないが?」
代表みたいな人がそう言うと面倒なのでギルドカードを渡した。
「ふっはっはっはっは!」
俺のギルドカードを見ると何故か護衛の人達は笑っている。
「何かの間違いか?」
代表みたいな人がそう言った。
ギルドカードには職業も書いてるからそれでだろうな。
「コレ!失礼ですよ!」
ユキさんはそう注意してくれた。
「でも、テイマーですよ!」
また、それか。ほんとに、テイマーって悪い事したのかよ。
「そうですよ!テイマーがCランクって変な話ですよ!」
護衛の1人がそう言った。その言葉に代表みたいな人も頷いている。
「なら、貴方達は今すぐにどきなさい!」
お姫様はキレてそう言った。
「クレナイ、彼らをどかしなさい」
「承知しました、ライアー」
お姫様はそうお願いするとスーツを着た女性は結界魔法のライアーを使った。
結界魔法とは初めてだな。光魔法だけど余り使わないしな。結界魔法はライアーしかない。その一つが強力すぎるのだ。
「先程は失礼しました」
執事さんがライアーを終えるとユキさんは俺に頭を下げた。
「いえ、気にしないでください」
お姫様の謝罪に俺は返した。
「私には貴方の攻撃は素晴らしく思えました、とてもテイマーには思えない」
「そうですね、あの力はテイマーを超えていました」
ユキさんと執事さんはそう褒めてくれたけど、テイマーを少し馬鹿にしているのは嫌だな。
「では、これで僕は」
俺はそう言い去ろうとした。
「お待ちください!」
これ以上テイマーの悪口を聞くとルリ達が暴れそうだな。今でもユキさん達を睨んでる。護衛の人達には殺意が少しあるな。これは、良くないな。
「私には達の事を助けて欲しいのです!」
なぜか、嫌な予感がするな。
「まず質問です」
そう言いお姫様は咳払いをした。
「貴方は、古代魔法についてどう思われますか?」
その質問の答えは1つしかないな。
「良くはないやり方だと思います」
俺はそう直ぐに言った。
「どうしてです?言う事聞くようにするのはテイマーにとっては必要な事だと思いますが?」
貴族だが何だか知らんがアホなのか?
「何もしてない者を傷つける意味がわかりません」
「魔物ですよ?」
「関係ないですよ、魔物も好きな用に生きてるだけです」
俺はお姫様の言葉にそう返した。するとユキさんは頭を下げた。
「先程の言葉、深く謝罪申し上げます、貴方の覚悟を試したかったのですが必要ないみたいですね」
「何故、お姫様がその様な真似を?」
俺はそう質問するとお姫様はにこりと笑い答えた。
「聞いたかもしれませんが、私達は古代魔法の処分を考えています」
確かにその様な事を言っていたな。忘れていた。
「貴方の発言は古代魔法に良い印象を持っていなかったので、何かの手助けをしてくれるかと思ったのです」
なるほどな、流石はお姫様だ。人を馬鹿にはしないな。
「古代魔法について詳しく知りたくないですか?」
その質問には俺は頷いた。面倒事はごめんだが、古代魔法はこの世に、あってはならない魔法だ。テイマーとしては、どうにかしたいな。
「助けてくれたお詫びもしたいのでウェザー家に案内します」
「ありがとうございます、ちなみに騎士団についてはご存知ですか?」
そう言ってくれたので俺はその誘いに乗ることにした。ついでにある質問をしてみた。
お姫様の頭の上にクエッションマークが浮かんでいるみたいだ。
本当に何の事か分からない顔をしているな。
「すみません、我がウェザー家には昔から騎士団は存在しないのです」
聞いた事があるな。家族の家には騎士団が居るのが普通だが稀に騎士団が存在しない所もあるのだと。そこが、ウェザー家だったのか。
「私達ウェザー家には、騎士団との因縁の恨みがあるのです」
その話は初めてだな。てことは、古代魔法と騎士団の繋がりは分からないのか。
「どうしてそんな事聞くのですか?」
あ、しまったな。まぁ、貴族さんだし、良いか。俺はゴルさんの話を名前を伏せて話した。ややこしくなったら嫌だしな。
「その噂ですか、私も詳しくは知らないんです」
お姫様でも知らないのか……
「では、その話もお父様に聞きましょう」
お父様って事は、王様か!?
お姫様はそう言うと馬車に案内してくれたので入ろうとした。
「何ですか?」
急に護衛の人達が刀を向けてきた。
「テイマーを国に案内するとは馬鹿ですよ」
また、この人か。
「刀をどけなさい」
「意味が分かりません」
お姫様は注意をするが何も聞く耳を持っていない感じだ。
「クレナイ、護衛を解雇しなさい」
「承知しました」
解雇するの早くない?
「何でですか!」
「そうですよ!俺達は雑魚いテイマーを国に入れない様にしてるだけです」
「貴方達にその権限はありません」
「テイマーの何がいいんですか?」
「キュー!!」
「キュー!」
キンスラとキンスイが怒り元の大きい姿になった。
「キ、キングスライムだと!?」
「行けー!」
護衛の人たちは攻撃するが跳ね返されてしまった。
「何してるんだ!」
「その真似はさせません!『ギャウ』」
護衛の代表が剣を抜いて俺の方に方がケイが止めてくれた。
「くそ!」
そう、悔しくがっている。すると護衛の1人が呟いた。
「代表とテイマー自身が勝負したらどうです?」
「それは良いな!魔物の力無しでやれば俺達の言う事が正しいとわかるからな!」
「そうですよ!みた感じ魔物が強いだけですからね!」
本当に何回目だよ、これ!
「分かりました」
お姫様も納得しているようだ。
「しかし、負けたらウェザー家に今後一切関わらないで下さい」
そう、護衛の人達に言い放った。
そして代表の1人が剣を抜いた。
この護衛達は知らない。テイマーの本当の強さを……




