世界を変えて欲しいそうです
「君にしたいお願いは、改革だよ!」
改革って随分と幅広いな。
「国を作れって事じゃないから安心してね?」
そりゃ、今から作れってしんとすぎるしな。それに今はルリ達と冒険したいしな。
「言うと、商人の君に頼みがあるんだ!」
商人は良いものを作れば改革が出来るであろうから言われているのか。
「聞きたいんだけど、普段はご飯ってどうしてる?」
「木の実や悪い魔物のお肉とか?」
神様の言葉に俺はそう答えた。
「この国で魔物を倒すと牙や爪や、魔石、それに肉がドロップアイテムになるんだ」
魔石は知らなかったな。俺、どんだけ運が悪いんだよ。
「基本的に肉は当たり前でそれにプラスで他のものがドロップされる」
なるほどな。
「君の魔石知らずについてだよ!」
神様だから俺の心声が分かるんだな。それより、その事は知っていたのか!?
「神様だからね!」
やはり、流石だな。
「元々僕達のせいだからね」
ん?どう言う事だ?
「魔石は運なんだよ」
「今の話を聞いてら限りそうだろうな」
「言うと、この世界の神が邪魔したんだ!」
物騒な話だな。
「普通は神が人の運を操るのは禁止なんだ、僕達神は運になるとその前の行いで決めるんだ」
なるほど、良い事をしていれば運は良いし悪い事をしたら運は悪いのか。
「話が早くて助かるよ!」
神様はそう言い咳払いをした。
「僕達神も人を送ればそれで終わりだったんだけどね、君には、また特典をあげようと言う話になったんだ」
革命って話はどこに行ったんだ?
「察しが良いねぇ!」
神様は嬉しそうな顔をしている。
「君にはすでに特典をあげてるよね?」
全属性の魔法に鑑定スキルに、全支援か。それにルリ達もそうなのか?
「その通りだけど、君の身体能力も特典の一部だよ」
確かにそうだったな。
「君にあげる特典とは、ドロップされるのが高確率でレアになるスキルだよ!」
凄いな。そのスキル。
「言っておくけど、君が何かを作れって意味じゃないからね?」
心のどこかで思ってた事を言ってくれた。
「改革とは、商人なら出来ると思うよ」
多分、鍛治だとゴルさんを頼れって事だろうな。
「やっぱり、話が早いね」
さっきも聞いたな、そのセリフ。
「君には信頼できる大人が数人いるよね?」
その言葉に俺は頷いた。
「その人達にも手伝って貰って経済的に良い国にして欲しいんだ!」
また、難しく言うなぁ〜
「でも、君にはそれを出来る力があるんだよ!」
まぁ、色々と特典をくれたしな。
「それ以外でも君は頭が良いからね」
そう褒めてくれると照れるな。
「それと、この世界の神の行いについて全部の世界を見守ってくれている創造神様からも特典があるみたいだよ」
「あるみたい?」
「そこまでは詳しくは知らないんだ」
てか、俺らの世界には動物界と人間界があるけどこの世界にはそう言うのは無いのか?
「それが、人間界と魔物界ってのがあるんだけどその2人が手分けして君の運を操ってたってわけさ」
まじか……
「それで、君をこの世界に呼んだ僕がこれから見る事になったけど、君の前世の動物界も忙しいからね、それで君に手伝ってもらおうって訳さ!」
大変だなぁ、神様も……
「分かってくれて助かるよ、それに、もう準備が出来たみたいだよ!」
準備?
「創造神様のね!」
そう言うといつのまにか、前の風景が変わっていた。
「初めましてじゃの、コハクくんいや、速高琥珀くん!」
目の前には背筋が良いお爺さんが立っていた。
「君にお詫びがしたくてのぉ」
そのお詫びがとんでもないものだと言う事を今の俺は知らないし、旅も終わるものだと勘違いしていたのはここだけの話だ。