やっぱりテイマーは認めてもらえない
俺と姉の勝負は俺が勝った。
「何で、こんな奴に謝らなきゃいけないのよ!」
姉は謝らない気だな。でもそれだと取り消しか?
「なら入学は諦めなさい!」
母はそう言ってた。やっぱり結果は変わらないよなぁ……
「もう1回よ!」
そう言ってきたか!でも結果は同じだと思うがな。
「今度はコハクの従物とやらして!」
俺はルリ達の顔を見ると皆、やる気満々の目をしている。
「あの、ゴールドフェンリルはなしよ!」
ルリはがっかりしている。
「どうして?」
謎だったので俺は聞いた。
「あんなのインチキじゃない!」
もの凄い言いがかりがきたな。
「何がインチキなの?」
また俺はいてやった。
「私がSランクの魔物に勝てるわけないじゃない!」
確かに普通の人に倒せる魔物ではないな。それはルークもだがな。
「まぁコハクの従物ぐらい余裕で倒せるけどね!」
そう胸を張っていた。
「私に行かせてくれませんか?『ギャウ?』」
ケイが前に出た。まぁ良いだろう。
「良いけど弓は禁止な、危ないし」
弓で矢が姉に刺さったら大変だしそんな事は俺はさせたくない。
「分かりました!」
ケイはそう了承すると姉の前に立った。
「新しい技で勝つわ!」
そう言い魔法を打つ準備をしていた。
「ウィンダー」
俺も使っていた風魔法だな。するとケイは素早く姉の背後に周り手刀を入れた。そして勝負はついた。圧勝だな……
「コハクの勝ちだな」
父は呟いた。
「ほんとお姉ちゃんの独学取り消すの?」
リンカが質問した。
「反省色がないからね、コハクをテイマーだからって下に見たりするのが可笑しな話だらね」
母はそう答えた。するとエリカが起きた。
「次はどんなデタラメかしら?」
まだ否定してるな。
「いい加減にしろ!」
大声を出したのは父だった。
「どんだけコハクを馬鹿にしたら気が済むんだ?」
「テイマーが強いなんて可笑しいからよ!」
「何が可笑しいんだ?」
「……」
父の質問に何も言い返していなかった。
「コハクはちゃんと自分の力で勝ったんだ」
「嘘よ!」
姉は認めていなかった。
「でも負けたのは事実だろ?」
「うぅ……」
姉は何も言葉が出ていない。
「入学は取り消しだ!いいな?」
父はそう言うと姉は俺を睨んで部屋に戻った。そして俺もまた父達に挨拶をして森へと帰るのだった。