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クレーマーはまた来てまた去る

 エル達はポーションを買い終えた。


 ローラは依頼がまだ残っていたのでそっちに行った。だから俺は帰ろうとした。


「コハクよ、奥に来い!」

「何んで?」


 おっさんの言葉に俺はそう質問した。


「何個かお願いがある!」


 そう言うので俺は了承して奥の部屋に案内された。


 俺達は座るとおっさんがある言葉を口にした。


「ポーションをうちにも売ってくれ!」

「良いよ」

「決断が速くないか?」

「断る理由もないしね」


 別にポーションを売ったからって損する事はない。それに多く売った方が商業ギルドの昇格も上手く行きそうだしな。


 商業ギルドの昇格の為には何かを売らないといけない。それは誰でも良いのだ。市民でも貴族でもギルドマスターでもな。


 とりあえずノルマ分売れば文句はないのだ。


「でも問題があるんだ」

「問題?」

「あぁ、売ってくれるのはありがたいがうちには買える金がない」

「そうなの?」

「冒険者ギルドは依頼主から冒険者とギルドを合わせた報酬を貰える」


 そうなのか……


「その報酬は俺だけじゃなくてここの従業員全員に行くだからお前のポーションを多く買えるお金がない」


 そりゃここのギルド従業員全員分となればきついな。


「そこででだ!」

「ん?」

「ここでお前が売ってくれないか?」


 それだと俺が冒険者になると変わらないんじゃないのか?


「別に良いけど冒険者になるまでしか出来ないけど良いの?」

「そこでもう一つのお願いなんだよ」


 何個かと言ってたな。そういえば。


「お前の店を作らないか?」

「冒険者になるから店なんて無理だよ」


 2回目の返しだな。


「別の場所に作るのじゃない」

「じゃあどこに作るの?」

「ここだよ!」


 どう言う事だ?


「さっきも言ったけど今は行けても冒険者になれば依頼中は無理だよ?」

「だからここで俺が売るんだよ!」


 なるほどな……


「そこで取り引きをしたい」

「取り引き?」

「あぁ、お前に8割でこのギルドに2割でやりたい!」


 こっちが8割は良い話なのかな。流石に1割では厳しいか。


「俺は全然良いよ」

 俺は賛成した。断る理由もないしな。


「助かる!」


 おっさんはそう頭を下げた。そして早速だが今回は俺が冒険者ギルドで売る事になった。


 おっさんが机などを出してくれてポーションを置いていった。


「後は任せるぞ!」


 そう言うとおっさんは一旦仕事に戻った。


 俺はお客さんが来るまで座ってルークと戯れていた。


「偽物をよく売ってるよな?」


 誰かと思いその方向へ向くと見覚えのある男が笑っていた。


「本物だよ!」

「証拠はあるのか?」

「買ってみれば分かる!」

「高いのに偽物を買うかよ!」


 何で、偽物だと思うのか。それはイベントの時でもそうだったな。


「こいつか?偽物を売ってる奴って?」


 誰か来た。多分この冒険者の仲間か……


「本物なんだけど!」


俺は声をあげて言った。しかし2人は笑っていた。するもう1人来た。


「言ってた偽物売りか!」


 こいつらの中では俺は偽物を売ってると思ったいるみたいだな。


「舐めているのか!『ファア!』」

「ルーク!」


ルークが体当たりをした。俺は止めたが少し遅かった。


「何すんだよ?」

「こいつテイマーか?」


 冒険者の1人はそう言うとやり返しで殴って来たがルークは華麗に避けた。


「こいつ!」


 冒険者は武器を出そうとした。


「やめとけ!」


 仲間が止めたが止められた冒険者は反論していた。


「こいつはホークイーグルだ、俺達じゃ、かないっこない」

「マジかよ!」

「それにこいつはテイマーだからこのホークイーグルが強いだけだしすぐ死ぬぞ」


 勝手に会話を進めている。


 誰がすぐに死ぬだ……決めつけるなよ!


「まぁ良い、じゃあせいぜい頑張れよ?」


 やっぱり腹立つなこいつ。


「テイマーは最弱だからないくら魔物が強くても主人が弱かったら死ぬしな」


 そう笑いあって去っていた。迷惑なものだな。


 この会話を見ていた顔馴染みの人達が色々と宣伝してくれていたのを知るのは数分後であった。

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