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テイマーは馬鹿にされるよなぁ

「どうだった!?」

 父が俺よりテンションが高い感じをさせながら聞いてきた。


「テイマーだったよ」

「やっぱり使えないわねぇ」

「魔物と触れ合えるってロマンじゃない?」


 リンカのテイマーに対する評価は良いみたいだ。


「それに意思のある魔物とは話せるみたいだしな!」


 父の言ったようにこの世には意思のある魔物とそうでない魔物がいる。意思のある魔物とはテイマーだと話せる事が出来るのだ。


「コハクは何になるか決めてるのか?」

「冒険者かな」

「危ないけどテイマーには向いてるから仕方ないわね」


 父の質問に答えると母は心配しながら賛成していた。


「あははは!!コハクが冒険者?」

「死ぬ様なもんじゃん!」


 姉のエリカ1人だけが笑っていた。


「どうせ魔法も1属性しか無いに決まってるわわ!」


 魔法は稀に使えない人もいるのだ。てか、どうしてこんなに馬鹿に出来るのか。

 俺には今までの記憶がないからそれが分からない。


「いつギルドに行くんだ?」

「早いうちに行っときたいから明日にしようと思う」

「落ちなきゃ良いけどねぇ!」

「冒険者は基本的に合否はないみたいだから大丈夫そうだけどねぇ……」


 姉の嫌味に母は少し不安そうだった。


「まぁ大丈夫!」

 俺がそう言うと何故か空気がどんよりとした。

「なら私と勝負よ!」


 その空気を壊したのは姉のエリカだった。


「私はソルディン学園を今のところは首席だから力はあるはずよ!」

「でもお兄ちゃんってまだ魔法も分かってないし魔物もテイムしてないよ?」 


そうなのだ。今勝負を挑まれても何も用意が出来てないのだ。


「とりあえず明日ギルドで魔法が分かってからで良い?」

「仕方ないわね!」

「明日の夕方からでいいわ」

「親としては認めたくないがこれもコハクの為なら仕方ないかぁ」

父は俺と姉の戦いは良いらしい。

「でも、お兄ちゃん負けちゃうかもよ?」

「そうね!私が勝つからね!」

「喧嘩はやめてほしいわ」


 姉妹の話しに母親が止めていた。


 しかし父が少し黙り咳き込んだ。


「俺も姉弟喧嘩なんて見たくないさ。だがエリカは自分は強いと過信している。」

「事実よ!」

「誰かと戦ったか?」

「それはないけど……」

「コハクは今日就職が分かったんだ。魔法も分かってないから伸び代は考えられるんだ。」

「伸び代があったとしても普段から魔法の練習している私の方が上よ!」 


 それはそうである。

 明日に勝負を受けたがまだ何も分かっていない。

どの魔法が使えるかやどんな魔法が打てるかなど知りたい事があるのだ。


しかし待たせるとうるさいので受けたのだ。


「それは当たり前だ!コハクはまだ魔法の打ち方すら知らないんだ、それでエリカに勝ったらお前の方が劣ってると言えるぞ」

「あなた、言いすぎすよ!」


 俺が思ってる事を父親は言ってくれた。しかし母は必死に父を止めていた。


「普段のエリカがコハクに対する態度を見たら甘いものだ!」


 父はキレていたのだ。

 こんな良い父親だったのか。

「何なのよ!」


 姉はまだ言う気なのだ。


「もうお父さんもエリカも辞めなさい!明日になったら分かるんだから良いじゃない」


 そう母は宥めた。


「お昼から依頼があったから行ってくる!」


 父は今、冒険者なのだ。だが俺らの事もある為にギルドマスターからの依頼でしか行かないのだ。そして先日依頼があったらしいので父は外に出た。


「お夕飯の準備があるから買い物してくるからお留守番をお願いして良い?」

「任せて!」


 姉がそう言うとリンカも頷いた。


 母は買い物に出かけた。


 俺を見ていた魔物が家の近くで待っている事を知るまであと僅か……

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