最終日も騒ぎになるようです
今日でイベントの最終日だ。気合いを入れないとな。
今日も朝から結構来てくれている。
思った以上の人だ。多分、来てくれた事のある人や噂に誘われて来てくれた人もいるからな。
「師匠やばいよ!」
「どうしたんだ?」
ライは焦っていた。
「ポーションがあと少ししかないんだよ!」
「ため置きしてるだろ?」
こんな事にならない為に何個も結構な量を貯めているのを置いているのだ。
「それが無いから言ってるんだよ!」
「え!?」
俺は嘘だと思い入れていた箱を見るともう数本しか無かった。
昨日の夜に見た時は大丈夫だと思ったけど予想外の人の量で無くなったのか!
「やばいな……」
今ここで抜けると人手不足になる。しかしヒースイに行かすのも申し訳ない。
「キュー!」
「面白いな『ファアー』」
ヒースイとルークが何か話している。俺はどうするか考えている為その話は聞こえなかった。
「キュー!」
ヒースイがルークと森に行くと言っている。
「良いのか?」
2人は喜んで行くと言ってくれたので任せた。そして時間が経つと帰って来た。
ギリギリ在庫が尽きない所でヒースイとルークが帰って来た。
「キュー!」
ヒースイが調合してくれているがヒースイだけに任せるのは申し訳ないな。
俺が外れたら人手が減る。どうするべきか……
そうだ!
「今から調合ショーします!」
お客さんは驚いている。調合ショーとは何か分からないからだと思うからだな。
「ヒースイは俺の後ろで静かにやってくれ、ルリ見張り頼んだぞ!」
「承知!『ウォン!』」
ヒースイの調合を誰かに見られたら危ないかも知れないからな。
「師匠、何で調合ショーをするんですか?」
「今、俺が外れると大変だろ?」
「確かに回らなくなりますね」
「流石考えてるな!」
俺とエメの会話にライが誉めながら入った。
「皆、待ってるぜ!」
その言葉に俺は調合の準備をした。
光癒ポーションプラスやフィニティ系はヒースイの力がいるのでそれ以外のポーションを作るか。
俺は調合していった。そしてヒグレ草を残した。理由としては光癒ポーションを作る為だ。
今回の屋台にはプラスもだが普通の光癒ポーションも売っている。
「ほんとに何なのこの子!」
ローラがいた。
「すまんな!どうしてもローラが行きたいって言うから連れて来たんだ」
タキが答えた。ありがたいがまた来たんだ。
「こんな簡単に光癒ポーションが作れるなんて……」
「あなた、私と取り引きしない?」
「取り引き?」
「そう、私も薬場ギルドには登録してるの」
ローラは俺に提案をして来た。
「コハクには凄い才能がある!それに推薦だからギルド登録は出来てるでしょ?」
「そう言えば薬場ギルドのランクはどれくらいなんだ?」
タキが質問した。
「Cランクだよ」
俺は答えた。
「いや、Bランクじゃよ」
そう答えたのはシン婆だった。
「いつ上がったの?」
「今じゃ!コハクは頑張っておるしイベントのお陰でこのギルドも人気になっておる」
そうなのか。知らなかった。
「私と時々で良いから薬場ギルドの依頼をこなして欲しいの」
これは凄い誘いだな。周りはざわついている。流石にAランクの人に誘われたらそうなるのか。
「私は一応薬場ギルドもAランクとして登録してもらってるの」
「こやつも光癒ポーションを作る事が出来る1人じゃからのぉ」
凄いな。てか俺にメリットはないだろ。単に俺の負担が増えるだけだからな。
「後でじゃダメか?」
これ以上するとお客さんにも迷惑だ。
「俺達の事は気にするな!」
「折角の誘いなんだから話して下さい!」
この言葉以外にも様々な声がする。それらの言葉に甘えるか。
「取り引きは良いが俺にメリットはあるか?」
そう言った。
「無いなら個別でやった方が早いからな」
これは正論だろう。
「冒険者でもあるからお金には余裕があるしやってくれると倍であげるよ!」
申し訳ない案だな。断るか。
「そんな事はしなくて良い!」
否定したのはシン婆だ。
「お主らには2人以上の依頼を任せる」
シン婆は1つの紙を取り出した。
「一応持ち歩いておるがこれは例でユウグレ草の採取じゃ」
ユウグレ草とはDランクで組み合わせによればBランクポーションにまでなる優れ物だ。
「普段は50本の採取で報酬もパーティなら山分けじゃしかし2人以上じゃと倍になるが報酬は2人とも同じ報酬になるのじゃ」
採取で50本は多いがユウグレ草は何処にでもあるので割と簡単なのだ。
あくまで例と言っていたから他のもそうならありだな。
「それなら良いよ」
俺が言うとローラは喜んでいる。
「これなら私ももっと勉強できる!」
ローラは光癒ポーションを数本買ってタキを連れて行った。
周りは凄い空気だ。まぁAランクからの誘いが俺みたいな子供ならそう言う反応になるのか?
そう思ったが周りは俺を褒めてくれている。流石だと言われている。このイベントで評価が上がったようだ。
そんな感じで今日は終わった。
「ライ、エメありがとう!」
俺はお礼を言った。
「当たり前だよ!」
「そうですよ!」
エメは言うとテンション上げた。
「しかしあのローラさんが認めるとは流石すぎます!」
多分暴走するな。その前に止めるか。
「ルリもスイ達もご苦労さん!」
「何のこれしき『ウォン』」
「キュー!」
スイ達は楽しかったと喜んでいる
「ヒースイとルークのお陰で助かったよ!」
「キュー!」
これからもいつでもやるよと言ってくれているので俺はヒースイを撫でた。とても喜んでいる様子だ。
「楽しかったぞ!『ファア!』」
ルークも機嫌が良い。本当に助かったからありがたかった。
そして解散になった。ライとエメはちゃんと家に帰っている。Dランクはまだ旅をする依頼がない。だから親にも怪しまれるのだ。
まだ2人とも12歳だからな。
15歳になると成人扱いなのだ。だからまだ子供の2人は俺みたいな理由も無いのでちゃんと帰している。
あと約1年だからな。忘れかけてたけど姉のエリカとの勝負もあるから余裕ぶらずに頑張らないとな……




