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屋台にクレームは付きものだ

今日は2日目のイベントだ。


 準備で採取は出来た。


 昨日は沢山売れたがまだ余裕に在庫はある。


「今日も頼んだよ」


 シン婆はそう言ったので俺は頷いた。


 そして屋台には沢山お客さんが来てくれている。昨日のエル達のお陰だと思うので感謝しないとな。


「お、結構人気だな!」


「ゴルさん!」


 ゴルさんが遊びに来てくれた。


「どうしたの?」

「ダークブルードラゴンの鱗についてだ」


 そう俺に耳打ちした。


「終わってからじゃ駄目なの?」

「別に良いが今した方が盛り上がるだろ?」


 そう言うとゴルさんはダークブルードラゴンの鱗を出した。結構な大きさであった為に周りはざわついている。


「あれって何?」

「ブルードラゴンか!?」

「それにしては暗すぎるだろ!」

「じゃあ何だよ!」

「ダークブルードラゴンとか?」

「ありえないだろ!」


 色んな会話が聞こえてくる。


「じゃ、頑張れよ!」


 ゴルさんは去った。この状況を何とかして欲しいな。


「師匠、凄い騒ぎですね!」


 エメはこの騒ぎに喜びながら俺に伝えた。


「喜んでる場合じゃないよ」

「何でですか?」

「この騒ぎを何とかしないと静かに見たい人が寄れないだろ?」

 俺はエメに少し注意すると納得していた。

「誰が倒したんだ!」


 そう1人の男性が言うと俺が答えた。


「僕です!」


 そう言うがまだ見た目は若いので嘘だと疑われている。


「ガキが嘘つくんじゃねぇよ!」

 怒りを上げた強面で体もゴツい人が居た。

「嘘じゃない!」


そう言ってくれたのはライだ。


「なら俺と勝負だ!」

 何でこの世界にはこんなに戦闘狂しか居ないんだよ。全てを戦闘で決めてたら何も終わらないぞ!

「やる意味がない」


俺がそう返事をした。


「俺はBランク冒険者だ、それにパーティとしてはAランクだ!」


 冒険者ギルドではパーティを組むと平均のランクになる。この人はAランクの人達に認められているのだ。


「他の客の迷惑にもなる」

「ここの客は馬鹿だよなぁ?」

「何がだよ!」


 ライが反抗しようとしている。


「だって光癒ポーションプラスやフィニティなんてデタラメだろ?」

「それはアタシの目を節穴と言っているのかい?」


 冒険者の言葉に聞き返したのはシン婆だった。


「だって嘘だろ?」

「お主、鑑定スキルは持っておるのか?」

「持ってない!」

「なら何故分かる?」

「雰囲気だ!」

「アタシは鑑定持ちだから分かる、全て本物じゃとな……」

 シン婆の言葉に他のお客さんは信じてくれている。


 それにシン婆の目は鋭い。するとその冒険者は逃げた。


「今日は勘弁してやる!」

 最後に叫んで言った。


 ダークブルードラゴンの鱗はレジの横に置いた。これを見たくて来てくれる人も増えた。多分来た人が噂してくれたのか。


 今日の売り上げも良かった。後は明日だけだ。

 騒ぎになっても良いように準備をしないとな……

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