チートは本番が命である
「屋台ってよく行ってたけど出店は初めてだな!」
「出店するはライじゃなくて師匠なのを忘れないでね!」
ライは嬉しそうに言うがエメに注意されてしまった。
「分かってるけどさぁ……」
「手伝ってもらうんだからそれぐらい思ってくれないとね」
「師匠が言うならしかないわ」
俺がそう言うとエメはそう呟いた。ライはこれ以上言われない事に安心していた。
「朝早く起きたのは良いですけどやる事ってあるんですか?」
エメが聞いていた。そう、イベントの日は今日なのだ。
「キュー!」
ヒースイはとても楽しみのようだ。
俺も楽しみではあるな。自分達で作ったのがどれだけ評価されるのかが……
俺達はシン婆に言われた場所に行った。そこには色んな人が屋台の準備をしていた。
「来てくれたね」
「そりゃもちろん」
「調子はどうだい?」
「多分1番の出来だよ」
「それは楽しみだね」
シン婆と会話をしていた。すると屋台を出す時間になった。
「アタシは色々と見てまわるから頼んだよ」
シン婆はそう言うとその場を去った。
「シン婆にここなら良いポーションがあると聞いたが本当か?」
「冒険者ギルドでたまに見る2人ね?」
「良く頑張ってる印象あるな」
「そうね」
冒険者らしい男女4人組がきた。
「あ、貴方たちは!?」
エメは驚いてる。ライも目を見開いている。
俺は分からなかった。
「2人とも知ってるの?」
「そりゃもちろんですよ!」
「知らないってのがおかしいぞ!」
「でも師匠は独学中だから分からないのは当たり前ですよ」
そんなに有名な4人なのか。
「2人は薬場ギルドに登録しているのか?」
そう聞かれると2人は首を横に振った。
「てことは君が?」
俺を指した。
「いや、独学中の人が出来ないでしょ」
「まさか推薦か?」
「シン婆が推薦はしないと思うよ」
4人は俺の顔を見た。
「その通り推薦だよ」
俺はそう言って薬場ギルドのギルドカードを見せた。
「確かに本物だな」
冒険者達は納得してくれた。
「名前を言ってなかったな!」
そう男性1人が言った。
「俺はAランクパーティ、ファイヤグールのリーダーで剣聖のエルだ!」
Aランクパーティだと!?
ファイヤグールは聞いた事がある。炎属性の魔法を使える人達が集まったパーティだと。
「俺は武闘家のタキだ」
「私は魔術師のレナよ」
「私が僧侶のローラ!」
ファイヤグールの皆は自己紹介をしてくれた。
剣聖と魔術師が揃っているのは凄い。
「僕はコハクです」
一応敬語で話しておこう。
「敬語はいらないし呼び捨ても良いぞ」
エルからそう言った。
「多分そこの2人はやめといた方が良いぞ」
タキが言うと2人は不思議な顔をした。
「エルは鑑定持ちで自分の力に見合う相手なら何でも許すのよ」
レナが答えた。
「コハクは俺達を遥かに超えている」
そう言うと他の皆は驚いている。もちろんエメやライそれに俺もだ。
「嘘よ!」
ローラは言うがエルは首を横に振っている。
「エルの鑑定は生き物にしか出来ないが当たるだろ?」
生き物にしか出来ない鑑定もあるのか……
俺は人には出来ないからな。多分。
何故か俺だけ皆タメ口と呼び捨ての許可をもらえた。
「そんな事は良いから商品を見なよ!」
俺は商品を紹介した。
「何これ?」
1番初めに声を出したのはローラだ。
「私はポーションなら鑑定出来るけどほんとに本物よ!」
また、鑑定持ちか。しかもポーションと限定されることもあるのか。
「買っても良いか?」
「もちろん!」
色々と買ってくれた。また感想も言ってくれるようだ。そしてファイヤグールの人達が宣伝してくれたお陰でうちは結構儲かっている。
「魔物がいるー!」
あと少しと言う所で騒ぎになってしまった。エル達の時もルリやルークにスイ達も大人しくしてくれていた。もちろん今もだ。
「魔物は私が倒す!」
「俺も!」
冒険者であろう人たちがいる。
俺は素早く間に入った。
「テイムしてるので大丈夫です!」
そう言うと納得してくれたが驚いていた人達がいた。
「ゴールドフェンリルとホークイーグルなのは知ってるのか?」
「それはもちろん」
俺は答えるとエルは笑った。
「どうしたの?」
レナはそう聞いた。
「俺は好感度とかも見えるんだけど何故かコハクの従物は全てMAXなんだよ!」
凄い空気になった。
「なら大丈夫そうだな」
そんな空気のまま今日は終わった。忘れていたがこのイベントは1年に1回だが3日連続であるのだ。明日はどうなるのか……




