年下って事を忘れないでください
「主よ、朝である!」
昨日はヒースイが欲しがってた薬草を採取した。見た事ないものはなかった。
「起こしてくれてありがとう」
俺はお礼を言うと木の実を分けていた。そうしないと皆が揉めるからだ。
俺が朝ごはんを分けると皆で食べた。
食べ終わるとルリ達と薬場ギルドに行く予定だったので向かった。昨日結構採取出来たからな。
俺は街を歩いていた。
「来たぞ!」
声がする方を見てみるとライとエメだった。
「どうしたの?」
俺がそう聞くと頭を下げた。
「「また教えて下さい!」」
魔法の練習の事か。昨日は力を見ただけだがな。
「良いけどいつにする?」
「今からとかどうだ?」
「良いよ」
俺達は昨日に実力を見た森に移動した。
俺は実力は見たので合う魔法を教えていた。数時間が経ったので休憩にした。
「コハクくんは疲れないの?」
「うん、全く」
「凄いな」
ライとエメは俺の返しに驚いていた。
「昨日俺達の魔法を防いだのって何割だったんだ?」
「気にせず教えて欲しいの」
2人は真剣な目でそう聞いた。エメは昨日絶句していたが大丈夫だろうか。
「昨日コハクくんの力を見て気づいたの私達はまだまだだったって!」
エメは泣きそうな顔でそう言っている。
「あれはわからなかったからルリの力なしで全力だよ」
俺は答えた。
「なら今、俺達が魔法を撃つからやってもらって良いか?」
「分かった」
今回も最初はエメからだ。
「サンダー!」
「サンダーウォール!」
ルリ無しの片手で少し弱めでやるが普通に止められた。
「ほんとに、凄い!」
エメは目がキラキラしていた。
「次は俺だ!」
ライは準備をした。
「いくぞ、フレイ!」
「ウォーターウォール!」
先程と同じ強さでやったがやはり止められた。
「おぉ〜!」
ライは驚いていたがエメは感動している。
「ちなみに何割か聞いて良いか?」
「3割から4割程度?」
俺はそう答えた。
1割2割は普通のスライム数匹倒せるかどうかだ。なのでこの2人は磨けば絶対に光るはずだ。
「嘘だろ……」
「流石です!」
ライは驚いているがエメはまた感動している。
「これからもよろしくお願いします!師匠!」
「そうだな、師匠!」
エメが頭を下げるとそれを見たライも頭を下げた。
「年下なんだけど!」
「そんなの関係ないです!」
俺が言うがエメに返されてしまう。エメはそのまま俺の手を持ち上げた。
「スライムの時もギルマスの時もロインの時だって凄すぎます!」
「何で、急に敬語?」
「尊敬しはじめたので!」
「師匠、言っても無駄だぜ」
エメの暴走には誰も止められないみたいだ。
まぁ、良い評価だから良いか。ルリもスイ達も自分のように喜んでるしな。
俺達はこれから先も魔法の練習をするのであった。