やはり俺はチートみたいだ
「早速だがルリ加減の仕方を教えてくれ!」
俺は明日の勝負の為に森でルリに頼んでいる。
「任せろ!」
「キュー!」
ルリがそう言うとスイ達もやる気だ。
ルリは支援あるから分かるけど明日勝負をするのは俺なんだけどな?
俺はルリに魔力の込め方を教えてもらって加減の方法も教わった。
そして夕方になった。朝からゴルさんの所に行っていて良かったな。
「主、血の匂いがする!」
「案内してくれ!」
ルリに案内してもらいその場所に行った。
「エメ、魔力はどうだ?」
「少し回復したけどもう少し時間稼いで!」
もしかしてライとエメの2人か?
「この数だとやばいぞ!」
ゴブリンの群れは手強い。ゴブリンは元々Gランクであり群れていても倒せるが2人だと多少きついのだ。
そしてゴブリンは人だろうが魔物だろうがゴブリン以外には襲いかかるのだ。
話などは聞くが何もしなければ敵とみなして攻撃してくる。
「よし、行くぞ!」
「承知!」
俺とルリ達はゴブリン群の前に立った。
「グライさんの息子!?」
「え?早く逃げて!」
2人は心配してくれている。だがそんな必要はない。
「ウィンダー!」
この魔法は風を起こせるので群れには丁度いい。
一応加減もしてるから片手で少し弱めにしているのでルリの力を借りても森に影響する事はなかった。
しかしゴブリンの群れは全て倒した。
「流石だな」
「そうね!」
「加減はしたけどね」
俺は2人の褒めにそう返した。
「確かにブラックウルフを倒した時よりは弱くなってるな」
やはり見られてたか
「でも早いね」
「ロインを倒す様な奴だからな」
良かった。加減は分かってくれた様だ。
俺はまた、冒険者ギルドに連れて行かれた。
理由は助けてくれたお礼らしい。別に要らないがな。まぁおっさんに話してくれるのはありがたいから行くか。
「また、コハクじゃねぇか!」
何でここに居るんだよ。
「ギルドマスターが何で居るんだ?」
「同意見です!」
ライとエメが驚いていた。
「職員が居ないから俺がやってるんだよ!」
イラつきながらおっさんは答えた。
「で、何しに来たんだよ?」
「ゴブリン退治の依頼に関してだよ!」
「それとコハクが関係するのか?」
「コハクが助けてくれたんですよ!」
ライとエメは依頼に関して俺に少し報酬を分けたいと言っていた。
「また、加減してなかったのか?」
「今回は加減したよ!」
「我の支援もあるからな!『ウォン!』」
ルリは胸を張っていた。ルリの支援があれば加減しても結構な威力だからな。
「なら明日じゃなくて今日勝負をしようか!」
「分かった!」
俺としては明日ゆっくり出来るから早くするのはありがたい話だ。
勝負の為に俺達は訓練場に行った。観客は多いみたいだ。
「遠慮せずに来いよ!」
「とりあえずはルリは無しだ」
「承知した!『ウォン!』」
「ウィンダー!」
片手で放つがおっさんは剣で風を切った。やばいなこのおっさん!
「そんなもんか?」
「まさか!」
俺はそう言うと先程と同じウィンダーを放った。片手だが全力でだ。しかしおっさんにまた切られた。化け物だなこの人……
「加減は出来てるな!」
おっさんはそう言うとやる気を出した。
「なら両手で来い!」
俺は両手で少しだけ加減した。それをおっさんが切ろうとするが無理だったので剣で守ってしのいだ。
「やるなぁ、これでも加減だと分かる」
おっさんは剣を構えていた。
「本気の魔法で来い!ルリもありでな」
そうおっさんが言うと俺はルリに声をかけた。
「行けるか?」
「いつでも『ウォーン』」
ルリも準備満タンだった。
「フレイムソード!」
剣に炎を纏う上級魔法だ。ロインも使っていたファイヤーソードよりも纏う炎の量や威力も数倍違う。これは俺も本気で行かないとな。
「フレイムサーベル!」
炎魔法を剣の形にする上級魔法だ。ルリの力もある為にフレイムソードの倍近く迫力がある。
「上級魔法も使えるんかよ!」
「手加減なしの本気だよ!」
おっさんの驚きに俺はそう返した。すると鼻で笑った。
「面白い!」
おっさんは攻めてきたので俺はそのまま向かった。2つの魔法は交わった。おっさんの剣の技術は凄い。隙があれば絶対にやられる。
隙を作らずに戦うしかないな。
数分は戦っていた。魔法は遠距離系の魔法しか練習していない為に近距離系は初めて使う。
その為、技術は無いから攻めまくってるが全て見切られている。まぁおっさんが本気に来いと言っていたから何も言わないだろう。
「久々に手強い相手だ!」
何故かおっさんは喜んで見える。
俺の体力はもう限界に近い。おっさんを見るが全然平気そうだ。ここはルリに教わったとっておきをやるしかないな……
「ウィンダー!」
俺はフレイムサーベルじゃない方の手で本気でウィンダーを放った。初級魔法だが少しの邪魔ぐらいにはなるだろう。
「初級でもこの威力か!」
おっさんは防ぐのに必死だそこで俺はある魔法を使いおっさんの後ろに周った。
「終わりだな」
俺は軽くおっさんにフレイムサーベルを当てた。
「俺の負けだ」
「「「「わぁーーー!!」」」」」
周りは凄い盛り上がっている。
「おかしいだろ!」
これに納得していない者がいた。
「ロイン……」
「もう一回俺とやれ!」
この試合で俺の評価が上がってるのは知らないしロインとの一悶着でまた上がるのは知らない。
そしておっさんは俺の最後のとっておきに驚くのはもう直ぐだ。