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第1話「我が名は吸血姫セリス」

遥かな地、ルーマニアのヴァンパイア貴族の家系、公爵の公女、吸血姫セリス=ローゼンブルクは、自身の側仕(そばづか)えを探すために、日本へと飛んで来ていた。



日本は、現在。夜の8時。ここは、東京の街の上空。

薄い黄色の満月の月光が差し込み、キラキラと星が見える。

雲も少なく良く晴れている日だった。



彼女の背中まで掛かる、ウェーブの掛かった緑色の髪に赤いバラの花飾りがとめてあり、その髪が風になびく。まつ毛が長くルビーのような赤い瞳を二度またたかせた。

セリスは、背中に生えた黒いコウモリの羽を羽ばたかせながら、街の様子や人々の生活を眺めた。


レースとフリル、りぼんがあしらわれた黒のドレス。

いわゆる、ゴスロリファッションと言うものである。



それを高貴な彼女が、着こなして嫌味もなく、良く似合っている。

「ふむ、手頃なわらわ好みのおなごは、おらんかの」

セリスは、急降下して一軒の家の屋根の上に座り辺りを見回す。


彼女は、街の一角に建っている神社が目に入った。

「むっ……。この国の神の(やしろ)か。妙な気配じゃ」

セリスは怪訝(けげん)そうに眉をひそめた。



すると、その神社の階段を長い黒髪の巫女服を来た。少女が下りてきているのを見かけた。

「ふふ、わらわ好みのおなご発見、じゃ!」

セリスは双方の瞳を怪しく光らせて、にやりと笑った。


彼女はふわりと、その巫女の前に降り立つと。優雅に会釈をして、にこりと微笑む。

周りに歩いていた人々は、ざわつき映画の撮影かなにかと思い込んで、カメラを探している。


一見、白百合が似合いそうな清楚で可憐に見える。その少女は、セリスのその優雅な所作と美しさに、しばらく見惚れていたが。

はっと気がつくと、黒曜石のような瞳で見つめ、セリスの腕を引っ張り物陰に隠れた。

「あんた、何なんだ?空なんか、飛んで来て!こんな、住宅街で堂々と飛んで来たら駄目だろっ!」

「そなた……ただ者ではないな?わらわを見ても、微動だにせぬとは。」


セリスは拍子抜けし、きょとんとして矢継ぎ早にたずねた。

「我が名は、吸血姫のセリス、セリス=ローゼンブルクじゃ。ルーマニアから来た。そなたの名は?なぜにわらわを恐れぬのじゃ?」

「ボクは、水野玲香(みずのれいか)。高校生で、この神社の巫女だ。ボクが君を恐れないのは、幼い頃からそういうものを見慣れてるからで……でも、君は」

玲香は、人外のセリスを警戒してのことだろう。



その先の言葉を飲み込み、落ち着き払い自己紹介をした。

「まあ、吸血鬼でも仕方ない。こんな所にいたら、騒ぎになる。セリスボクの家においで?」

玲香が柔らかく微笑み、手を差し出すと。セリスは、思わずぽっと頬を染めて手を取った。



――みつけた!わらわの側仕え。否、未来の伴侶をーー

セリスは玲香に導かれ、神社の向かい側の住宅に入って行った。

これが、吸血姫セリスとJK巫女、水野玲香の出会い。

〇登場人物紹介〇


吸血姫セリス=ローゼンブルク


物語の主人公。

由緒正しき、貴族の公爵の娘。ヴァンパイアの家系で女の子が大好き。

緑の髪、赤色の瞳の少女吸血鬼。年齢は、120歳。見た目の年齢は、16歳。

自身の側仕えを探すために日本へやってきた。一人称は、わらわ。



水野 玲香-みずのれいか


物語のW主人公の一人。

家が神社で、そこでバイトをしている。黒髪ロングヘア―の17歳、高校生の少女。

ただのバイト巫女さんかと思いきや、高い霊能力を持っており、本物の巫女の素質を秘めている。一人称は、ボク。

見た目は、清楚で可憐に見えるが性格や言葉遣いは、男っぽい。出張中の父、母、弟が一人いる。


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