表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
82/107

第82話 百花の蕾


ドッヂボール中に指旗(さしはた)和華(わか)の能力が暴走した。

突如(とつじょ)現れたチューリップ型の大砲から放たれた弾は、

体育教師の植木(うえき)信夫(のぶお)に向かって飛んでいった。


「先生、逃げて!」

「逃げるには(およ)ばん」

植木先生は砲撃(ほうげき)の正面に立ち、中腰に構えた。

「"大樹造形(たいじゅぞうけい)-剛腕(ごうわん)"」

両腕から生えた木材が先生の両腕をつつみ、巨大な腕を()した。


「なんじゃありゃ!」

「先生の能力、あんなのだったのか」

植木先生はその両手で砲撃を包むと握りつぶした。

「ふぅ、、、」

植木先生は(ひたい)の汗を首にかけた白いタオルで(ぬぐ)い、口を開いた、

「で、誰の能力だ?危ないだろ」

「、、、私です」

(うつむ)いたまま、和華が答えた。

「ん?指旗、か」

少し首を(かし)げ、続けた、

「いつから能力を使えるようになった?」

「えっと、先月からで、さっきのは―――」

「和華は今まで、ヒマワリしか()かせれなかったの!

今さっきのチューリップは初めて!」

能力について知っていた波溜(はる)が話に()()んだ。

(おこ)りはしないから安心しなさい」

「え?怒らないんですか?」

「なんだ?怒って欲しいのか?

今のは明らかに能力の暴走(ぼうそう)制御(せいぎょ)できなかっただけだ」

「何でそんなのわかんだよ」

簡単(かんたん)に言うとだな、

今の技は、お前らのレベルで使える強さじゃなかったからだ」

「おぉ、和華すげぇじゃん!」

「和華ちゃんすごいね」

「俺からも()きたいことがあるぞ」

「なんだ、赤城(あかぎ)兄」

「俺が能力を上手く使えなくて(かべ)(へこ)ませたり、

昇降口(しょうこうぐち)のガラス割った時は怒ったよな。

何で、和華は怒られねぇんだ?」

「あのなぁ、お前、この1学期だけで何回怒られた?」

「ん~、月に2回は怒られてるな」

「その(たび)に、俺はなんて言ってる?」

「ぶつかる物がない公園で練習しろ」

「守れてるか?」

「守れてねぇけどよ、いける!って時があんだよなぁ」

「それでもダメだ!その時は俺に言え、校庭でテストしてやる」

「お、いいぜ!楽しみにしててくれ」

「何であんたが上からなのよ!」

「ってぇな、(うみ)!なんで、(たた)かれ―――」

「2人とも(さわ)ぐな。

全員今日は解散。下校しなさい。

指旗は青屋(あおや)先生と話をするから、職員室に来なさい」

「「「はーい」」」


皆が下校するなか、和華は職員室に居た。

「青屋先生、お時間良いですか?」

植木先生は、和華たち4年生の担任である青屋(あおや)風奈(ふうな)に声を掛けた。

「はい、大丈夫ですよ。なにかあったんですか?」

「ドッヂボール中に指旗の能力が暴走したので、

今後のことも(ふく)めて話が必要かと思いまして」

「児童や建物への被害(ひがい)はありましたか?」

「いえ、全て無事です」

「それならよかったです。

ちなみに、何が()()()んですか?」

「チューリップを()した大砲です」

「う~ん、武器(ぶき)、ですか、、、」

「はい。なので、赤城兄のように外での練習も危ないかと思いまして」

「そうですね。

指旗さん、その技が出た時の事を教えてもらえますか?」

「はい、、、。

今までみたいに、ボールを()ね上げる技を使おうとしたら、

チューリップが出てきて、急にドン!って、、、」

「ちなみに、お母さんやお父さんは能力のこと知っていますか?」

「まだ、話してないです」

「わかりました。

では、まず、ご両親に能力のことを話してください」

「はい、、、」

「そこで、これから能力とどう付き合っていくか話をしてください。

これからも使いたいのであれば、制御するための練習が必要です。

今日みたいなことが(こわ)いのであれば、使わないことも選べます。

(うち)には先生からも連絡(れんらく)しておくので、

心の準備ができたらご両親とお話してください。

それまでは、能力を使うことを禁止します」

「わかりました」

「今日は帰っても大丈夫ですよ。

外でお友達も待っているようなので」

青屋先生が視線を向ける先には、職員室を(のぞ)駿(しゅん)と波溜の姿があった。

「あ!」

「2人とも心配なんでしょうね。

あ、それと、」

青屋先生は和華にだけ聞こえる声で何かを伝えた。

「え!先生、何でそれを?」

「皆さんの担任ですから。

じゃ、気を付けて帰ってくださいね」

「指旗、また2学期な!」

青屋先生と植木先生は、和華を笑顔で見送った。


「青屋先生、能力の事知ってたんですね」

「すみません。

機関のデータベースでは仮登録なので学校への報告ができなくて」

「ですが、未成年者の能力者情報の提供(ていきょう)

保護者、()しくは所属(しょぞく)している教育機関でしたよね?

ご両親は知らなかった。教育機関から報告する場合は一度職員会議を行う」

「その通りです。でも、それは原則」

「つまり、今回報告したのは、訓練学校に所属する者若しくは機関に所属する捜査官」

「さすがは、元捜査官ですね」

「やめてください。昔の話です。俺も(おとろ)えました」

植木先生は苦笑いを()かべた。

「指旗さんの能力、そんなにすごかったですか?」

「暴走した能力を止めるのは骨が折れますね。

でも、本当にすごいは」

「えぇ、指旗さん本人ですね」

2人は正門をくぐる3人の背中を見送った。



「大丈夫だった?怒られてない?」

「うん、これからどうしたらいいか教えてもらった」

「和華元気になった?」

「う~ん、少しだけ?」

「急にあんなの出てきたらびっくりするよね。

うちもびっくりしちゃった」

「大砲、かっこよかったじゃねぇかよ。

俺は(うらや)ましかったぜ」

「あんたねぇ、少しは和華の気持ちも―――」

「なぁ?和華も一緒に捜査官を目指さね?」

「あんた、うちの話聞いてる?」

「、、、、、、」

「ほら!黙っちゃった」

「あ、わ、わりぃ」

「うんん、いいの。

能力のこと話すとママとパパに何言われるか不安で」

「うちはね、見たことない能力だったみたいで面白いって言われた。

和華の能力はお花だし、悪い印象(いんしょう)はないと思うなぁ」

「えぇー、俺はもっとカッコいいのがいい!

あとよ、色んな能力つかってみてぇな」

「はぁ、能力の2個持ちなんて、滅多(めった)にいないんでしょ?」

「!?いんのか!そんな奴」

「ねぇ、駿くんのかっこいいってどんなの?」

「う~ん、今日の大砲もかっこいいけど、

なんかさ、相手を追いかけるビームとかもかっこいいよな!

あとは、相手の攻撃をそのまま跳ね返したり」

「なんか、、、」

「戦い向きだね」

「戦って勝つのがかっこいいだろ!」

どこか(ほこ)らしげな駿に2人は駿らしさを感じながら笑った。

「そういえば、あんた、司との勝負はどうなったのよ」

「2学期に()()しだな」

「1回くらい勝った?」

「さぁ?どうだったかなぁ」

((勝ってないやつだ))

「じゃあ、私こっちだから。またね。

待っててくれてありがと」

「ん、また2学期ね」

「じゃあなぁ~」

特殊能力のある世界 第82話 ご覧いただきありがとうございました。


和華の能力回、あと1話。

親に能力の話をする回を書きます。

そしたら、橋本支部長救出編(5話に収めたいけど、、、)を書きます。


タイトルのままだけど、

特殊能力のある世界ってどんなかなって考えながら書いてます。

生活に馴染ませる感じ?難しい。

急に能力使えるようになったら、周りも驚くだろうし、、、。


では、次回の投稿は6/1(日)です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ