第8話 謎の人物 戦闘
山津の事故の犯人である土井一を捕まえるべく
能力犯罪捜査機関が動き出した。
しかし、氷堂佑と高木彩は土井との戦闘に苦戦。
土井が逃げようとしたところに、謎の人物が現れる。
土井にくないを投げ、膝をつかさせた謎の人物。
ゆっくりと土井に近づき問いかける。
「お前、おとなしく捕まるか?」
「ふんっ、そんなわけなーーー、ぐはぅ」
土井の返答を聞き、
謎の人物は土井の顔面に蹴りをいれた。
「この、ガキ!生意気な!」
侍像の1体が標的を謎の人物に変えた。
「おい!お前、危ねぇぞ!」
佑が心配するが、
謎の人物はそんなことは気にしていない。
(はぁ、このまま捕まってくれたら、楽だったのにな...)
謎の人物は振り下ろされる刀を避けると
そのまま侍像に回し蹴りをきめる。
ーガラガラ ガシャンー
蹴られた侍像の左腕が崩れ落ちた。
「なっ、私の侍像が!」
「誰なんだ、お前!応援なんて呼んでねぇぞ!」
佑たちもこの事態に
謎の人物が捜査機関の関係者ではないかと考えたようだ。
「子どもが大人の事情に、首を突っ込むんじゃねぇ!」
土井は崩された土を刀に再構築し、
片腕の侍像と共に斬りかかるが、
ードンッ、バキッー
「う゛、、、」
土井は胸部をトンファーで殴られうずくまる。
「重い刀ほど振り上げた時に隙ができやすい。
もう一度訊く、まだやるか?捕まるか?」
「捕まります...」
土井は力無く答えた。
そして、侍像は2体とも崩れ去った。
佑が謎の人物に向かって叫ぶ。
「おい!お前誰なんだ!どこの支部だ!」
「まだ、名乗る気はない。
今後も頑張ってくれ、氷堂佑、高木彩」
そう言い残すと、謎の人物は去っていった。
「いやー、捕まえれてよかった。
2人ともありがとうございました。」
「いえ、私は何も。
先生、さっきの人誰なんでしょうね?」
「私もあのような生徒は知りません」
「次会ったら、このくない投げつけてやる」
佑は謎の人物が土井に投げた
くないを拾い上げる。
「ゆーくん、なんか怒ってる?」
「あいつが気に入らないだけだ。
応援も呼んでねぇのに手ぇ出しやがって」
「まぁ、危なかったしいいじゃん?
帰ったら支部長に確認してみよ?」
「危なかった、か。俺らもまだまだだな」
「さぁ、2人とも帰りましょう。
お礼に晩ご飯奢りますよー」
一方、謎の人物はというと、
「もしもし、千陽さん、任務完了しました」
「あれ、もう終わったの?お疲れ様」
「おいこら!ちゃんと橋本支部長と呼べよ」
どうやら電話口にはもう1人いるようだ。
「景山さんもお疲れ様です」
「お疲れ様です、じゃないだろ!」
「景山もそんなに怒らんであげて」
「しかし支部長」
「で、どうだった?その姿での戦闘は」
「動きづらいですね。頼んでたやつまだですか?」
「まだかなりかかりそうよ」
「それなら仕方ないです。
千陽さんまた特訓つけてください」
「いいよー、実弾使ってもいい〜?」
「支部長!それはダメです。
それにこのガキは俺が支部長への敬意を叩き込んで...」
「景山さんとですか?
俺からもお願いしたいくらいですよ」
「ふっ、安心したよ。相変わらず実技好きは変わらないんだな」
「まぁ、今度支部にお邪魔した時に、
お時間が合えばお願いします。では、また」
かくして、土井一の確保は
江良威人、氷堂佑、高木彩
そして、謎の人物の活躍で幕を閉じた。
特殊能力のある世界 第8話 ご覧いただきありがとうございます。
いやー、謎の人物強かったですね。
犯罪者とはいえ、一方的にやられる土井はかわいそうです。
そして、新キャラ、橋本千陽支部長と景山。
この2人は3月くらいからあっためてたキャラです。
本当はもっと後に登場予定だったのですが
登場させたくなったので今回出しました!
これからちょくちょく出てきますので、お楽しみに。
周りの友達にすすめてくれた方ありがとうございます。
これからも面白い話を作る努力をします。
次回 第9話は5月15日19時ごろ投稿予定です。