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第60話 雷轟電撃


昂輝(こうき)凛奈(りな)を追おうとする葉泉支部支部長の橋本(はしもと)千陽(ちはる)を止めると、

堂々と名乗りを上げた。


「俺たちは犯罪のサポートで金稼ぎをする組織 AACA。

俺は戦闘員、稲鳴(いななき)昂輝(こうき)だ!」


「昂輝!あんたバカ?

何で捜査官相手に堂々と名乗ってんのよ!」

昂輝のイヤホンにまつりの怒鳴り声が入ってきた。

「るせぇ、カッコいいからに決まってんだろ」


インカム越しに昂輝に文句を言うまつりの前で

ジョン・スミスも仲間たちと連絡を取っていた。

「なるほど、停電が、

中には村井兄弟が入ります。

私は目の前に居る敵を倒してから行きます」

ジョンはスマホを切るとまつりの方を向いた。

まつりも昂輝に文句を言い終え、ジョンを見ていた。


「そっちも中に仲間がいるんだね」

「えぇ、私より強いのが2名ほど向かいます。

あなたたちのお仲間が何かしたようですから」

「大丈夫、中にいるのも私より強いから。

バカだけど」

「では、お互い」

「早く加勢に行かなきゃね」




一方、西白共立美術館入口


「兄者!」

「大人しくしているわけにもいかないな」

「いくか?」

「当り前だろ!」

村井兄弟の誠斗(まさと)勇斗(ゆうと)

入口にいる職員の制止を振り切り、

北館と南館に架かる木漏れ日の間に向かった。




その木漏れ日の間では、

昂輝、捜査官4人、笠尾組の下っ端3人がにらみ合っていた。


「あ゛?てめぇらか、彫刻持って行ったのは」

「だったら、なんだ?」

「誰が、どこに持って行ったのか吐け」

「バカか?言うくらいならこんな手の込んだことしねぇよ。

これだから下っ端のままなんだろ?吐かせてみろよ」

昂輝は下っ端たちに、来いよと指で挑発した。


「所詮、ガキ1人だ」

「あぁ、村井兄弟の手を(わずら)わせるまでもねぇ」

3人の下っ端がそれぞれ昂輝に銃口を向け引き金を引く。


「まだ、一般じ―――」

捜査官の1人が叫ぶが、


「俺らには関係ねぇ!」

それぞれ発砲するが、弾丸はすべて壁にめり込んだ。


「あいつ、避けやがった」

「動いたのは見えたんだが、」

「どこだ」


「ここだ、バカ野郎」

下っ端の1人が(あご)を蹴り上げられ倒れた。

「こいつ、いつの間に」

残り2人が銃口を向けるが、

昂輝はすぐさまその場を離れる。


「くそ、照準が定まらねぇ」

「こいつ、車より速いぞ。

銃じゃ使い物にならん」

下っ端の1人が地面に手をつくと、3本の(つる)が生えてきた


「お?捕まえれるもんなら、やってみな!」

昂輝は急停止、急加速、急旋回を繰り返し挑発する。


「くっそ、何だこいつ」

蔓を駆使しても昂輝が捕まる気配はない。


「お兄ちゃん、あの能力って」

「すげぇな、俺より速くて自在に操れるのか」

洸はまだ自分が使いこなせていない力を操る昂輝に見入っている。


しかし、昂輝が縦横無尽(じゅうおうむじん)に動くため、部屋は滅茶苦茶(めちゃくちゃ)になっていく。


「橋本支部長、ここは我々で避難させますので、

先ほどの犯人を追ってください」

「ありがとう、助かるわ」

橋本支部長が、出口から北館に向かおうとする。


「おっと、それはさせねぇ」

昂輝は能力を使っている下っ端を連続蹴りで倒すと、橋本支部長を狙う。

しかし、

「こっちもさせねえよ!」

捜査官が手を伸ばすと、昂輝の目の前に炎の壁がそびえ立つ。

「ちっ。

凛奈、そっちに捜査官が1人向かったぞ」

「了解」


― ジリリリリリリ、ジリリリリリリ ー


突如、機械音が鳴り響き木漏れ日の間にシャワーが降り注ぐ。


「つっめた、なんだよ、、水?」

「さっきの炎のせいじゃない?」

「なんだよ、散々だな」

「彫刻大丈夫かな?

、、、ってあれ?」

「ん?どうした?」

「周りの彫刻も無くなってる」

「ほんとだ!いつの間になくなったんだ」

急に立ち止まる洸と陽にみぞさんがぶつかる。

「おっと、2人ともどうしました」

「みぞさん、周りの彫刻も無くなってる」

「ん?ほんとですね、捜査官が片付けたんですかね?

ささ、早く入口を目指しましょう」


「天井のスプリンクラーか、鬱陶しい」

残された下っ端が手を上に向け能力を発動しようとするが、

「う゛ぁ、が、、、」

どこからか両肩を撃ち抜かれた。


(困るんだよね、そういうの)


しかし、倒れた下っ端の手から洸たちに向かって丸太が伸びる。


「「「!?」」」

その場の捜査官も予期しない方向に攻撃の手が伸びる。

(あっちゃー、気絶しなかったか。しか―――)


「木壁-温羅(うら)-」

洸たちと下っ端の間に壁が現れ、下っ端の攻撃を防いだ。


「うわぁ!」

「何だこれ」

「君たち、早く進みたまえ」

「「え、あ、うん」」


展示会の先に行った6人を除き、

木漏れ日の間に居た一般人8人は部屋の外に出た。




「「んー、めんどくせぇなぁ」」

北館と南館、木漏れ日の間の出入口の直下、

「ウィンド・フィスト!」

「バーン・フィスト!」


床を突き破って木漏れ日の間の出入口に村井兄弟が現れた。


「兄者と同じか」

北館に繋がる出口通路に弟、勇斗

「お前も近道か」

南館に繋がる入口通路に兄、誠斗

2人が昂輝を挟む。


「派手な登場だな。

てめぇらが、村井兄弟か?」

「ああ、その通りだ」

「兄者!下っ端が」

村井兄弟は、あたりを見渡した。

「なるほど、

お前の仲間は木漏れ日の間出口から北館か」

「それなら俺が追いかけ―――」

勇斗が北館に行こうとした瞬間、昂輝が行く手を塞いだ。


「!?速いっ」

勇斗は咄嗟(とっさ)に後ろに跳び、誠斗の横に立った。

「兄者、あいつ()る気だよ」

「そのようだな」


昂輝は部屋の中央に戻ると地面に手をついた。

「"充電(チャージ)"」

特殊能力のある世界 第60話 ご覧いただきありがとうございます。


遂に、村井兄弟が木漏れ日の間に到達しました。

裏口では、笛鳴まつりVSジョン・スミス

木漏れ日の間では、稲鳴昂輝VS村井誠斗/勇斗


橋本支部長は凛奈たちに追いつくのか、

凛奈の戦闘はあるのか、楽しみにしておいてください。


洸はここで自分の能力の上をいく昂輝に出会っちゃいましたね。


次週は投稿をお休みさせていただきます。


次回の投稿は5/25(土)です。

休載週には、ぜひ過去話を見てみてください。

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