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第49話 暴れん坊

芽吹小学校がセットポイントを握った頃

外の状況にも変化が起きていた。



葉泉北小学校の校庭には複数の(へこ)みが形成されていた。


(はぁ、はぁ、あいつさっきからなんなんだよ、

狂ったように空気砲打ち込みやがって。

捜査官ならもっと周りの被害も考えやがれ)


角森がそう思うのも無理はない、

校庭は複数の凹みによって、月の表面のようになり、

風の結界内の木々は倒れている。

せめてもの救いは、戦いの範囲内に遊具がなかったことだ。


(あいつを地に引きずりおろす手はないのか、、、)

角森はあたりを見渡し、倒れた木々を見つけた。

(あれ、上手くつかえねぇかな)


暴風爆弾(ストームボム)!!」

「うぉっ、」

角森は追撃を避けながら、木々に近づく。

(あっぶねぇ、さて、、、)

角森は自慢の爪で木の枝を切断し、その先を(とが)らせた。


(なるほど、私をおろすにはいい手かもしれませんね、、、)


角森は先を尖らせた枝を両手に捜査官との距離を詰める。

(あいつが浮いているのは風が下から上に吹いているから、

それを利用すれば、この枝で刺すことができるはず)

(あれが刺さったら、痛そうですねー)


しかし、


「あれ、?」


「あぁ?なんだ?」


突如、2人の能力が解けた。




その頃、体育館では司が倒れていた。


「おい!司!お前、大丈夫か?」

「沖和、どうした?」

ベンチから駿と植木先生も司に駆け寄る。


司はゆっくり目を開けると、

「あーー、、、駿、交代」

「お、おう、、そうだろうけど、

お前大丈夫か?」

「疲れた」

司はゆっくり体を起こすと、植木先生の手を掴んで立ち上がる。

「沖和手が熱いが熱があるんじゃないか?」

「まぁ、疲れて、ますから、、、」

司は2階から飛び降りてきた佑を見つけ、

「佑、氷」

「人使いが(あれ)ぇな」

そう言って、佑はタオルに氷を包んで渡した。


「司くん?、、、」

朱里も心配そうに司を見つめる。

「疲れただけだ、

それより、駿に伝えてほしいことがあるんだけど、」

司はコート内でアップをする駿を見ながら朱里に伝言を(たく)した。


司たちがベンチにつくと試合再開の笛が鳴った。



早知のサーブを駿がキレイに拾い、そこからの攻撃で芽吹小学校が得点

第2セットは、芽吹小学校 7-3 竹ノ杜小学校 で

芽吹小学校が獲得した。


第3セットは沙雪と海を交代し、6人がコートにはいった。


その様子を見届けると司が口を開いた、

「植木先生」

「どうした?しんどいか?」

「外で涼んできてもいいですか?」

「おう、いいぞ。氷堂頼んだ」

「植木さーん人使い荒いっすよ」

「体育教師だからな」

「それは偏見ですね、根はやさしいの()知ってますよ」


「俺は一人でいいんですけど、、、」

「遠慮すんなって、ほら行くぞ」

司は無理やり佑に抱えられ外に出た。


そして、司と佑は外に出ると芝生に腰を下ろした。

「外も大して涼しくねぇな」

「体温上昇で倒れるやつが何言ってんだよ、ガキか」

「どう見てもガキだろ」

「都合のいい奴だな」

「で?お前学校は」

「見てわかんねぇのか?休んだ

彩に紅葉ヶ丘の動画を撮るように言われてたんだけどな、

電車の乗り間違えて間に合わなかった」

「バカだな」

「っるせぇ、このガキ、チビ!」

「あぁ?ガキだのチビだの、覚えてろよ!

あ、そうだ佑、校庭見て来いよ」

「校庭?」


そう言われて佑は校庭を見に行った。


「!?おい、なんだよあれ!

校庭凸凹(でこぼこ)になってたぞ」

「な?やばいだろ?」

「やばいだろ?じゃねぇよ、あの人がやったのか?」

「そうみたいだな。

まぁ、()()()暴れん坊だし仕方ねぇ」

「おまえ、この状況しってたのか?」

「あぁ、能力圏内だからな」

「あれどうやって直す気だろうな、

低学年はそろそろ下校の時間だろ」

「見られたら大騒ぎ

そろそろあの戦いも終わってくれねぇとな」




能力が使えるようになった捜査官と角森は戦いを再開していた。


「尖った枝を風に乗せて串刺し、

いい考えでしたけどね、もう降りちゃいました」

「降りてくれるんならそれでいいんだよ。

これで、力を開放する意味が生まれる」


すると、角森の身体は徐々に狼の体に変化していく。


「動物系能力ならではの獣型ですか」

「あぁ、そうだ。俺の能力、特に速さは格段に上がる」

角森は完全に狼に変身したが、その大きさは実際の狼より一回りは大きい。

(獣型の大きさは、使用者のそれに値する。

あそこまで大きいのは初めてですね)

「どうした?声も出ねぇか?」

「いえ、狼は初めて見ましたっていうのと、

校庭こんなに荒らしてしまって、もう加減もいらないなぁ、と」


(、こいつ、まだ余力があるのか、、?)

角森に緊張が走るが、

(どっちにせよ、攻める以外ない)


角森は四肢に力を入れ、駆け出す。


(たしかに、速いですねー。

目で追うので精一杯ですが、、、)

四方八方から襲い来る角森の爪牙を避ける。


(何で、避けられるんだ)


「もう、終わらせてもよろしいですか?」


捜査官のこの言葉に角森は息を呑んだ。



そして、また一人、葉泉北小学校の敷地に足を踏み入れようとする男がいた。

「違うってわかってても、出勤って感じで気が引きまるなぁ」

その男はネクタイを締め、髪形を整えると車を降り校庭へと向かう。


「あーあー、この状況は、やべぇっすね」


特殊能力のある世界 第49話 ご覧いただきありがとうございます。


校庭をハチャメチャな状態にする捜査官と

それを相手に戦う角森颯牙

元々悪さしに来たのは角森なんですが、

なんかもう、どっちがどっちかわかりませんね。


前本部長と落ち着いた任務、、、

そうです、別連載しているSSサイドストーリー廻風2でありましたね。

この本編と別連載のSSはちゃんとつながっているんです!

今の事態を知ったら現本部長もどう思うことか、、、


次回の投稿は 3/2(土) 19:00ごろです。


あー、資格試験が近いのに、何もすすんでなーい

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