第3話 開戦 歓迎バスケ
司たちは体育館に移動し、青屋先生の周りに集まった。
「それでは、皆さん揃ったようなので、チームを発表します。
チームA 峰石くん、湯滝さん、松平くん、大野さん、田所さん。
チームB 沖和くん、指旗さん、新見くん、本庄くん、片桐さん、です。
試合時間は前後半10分で行います。
とりあえず、今から5分で作戦会議をしてください。」
「「はーい」」
(チームメイト朝会った子以外知らないんですけど...)
自己紹介もなく、作戦会議へと進んでしまった。
青屋先生を含めみんな早くバスケをやりたいようだ。
チームAサイド (峰石涼太、湯滝波溜、松平駿、大野奈穂、田所光)
「まずは、誰にマーク付くか決めたいんだけど、希望とかある?」
バスケ経験者の涼太が最初に口を開いた。
「マークとかよくね?俺はたくさんシュートを打ちたい!」
「駿うるさい!!涼太が仕切ってるんだから静かにして」
勇み立つ駿を波溜が一蹴し、言葉を続ける。
「うちはいつも通り和華に付くよ」
「まぁまぁ、落ち着いてぇ。私は運動苦手な拓也だと楽かなぁ」
波溜に続いてのんびり屋の奈穂が希望を告げた。
「わかった。僕は司くんに付いてみたいから、駿くんは信介くんに、
光ちゃんは朱里ちゃんについてもらってもいいかな?」
「私はいいけど、また駿くんが文句言うんじゃない?」
「そうだぞ!俺だって司の相手したいんだよ!」
「じゃあ、僕が前半やってみて、駿くんにも止めれそうなら変わろっか」
「うーん、まぁそれならいいか・・・」
「へぇ、うるさいだけの駿も引き下がれるんだ」
波溜が笑いながら駿をバカにする。
「はぁ?バスケだから涼太に従っただけだ」
「あ、そうだ。波溜ちゃんは体力配分に気を付けてね」
「そうね、わかった」
チームAは涼太を中心に作戦がまとまりつつある。
一方、チームBはというと、
チームBサイド(沖和司、指旗和華、新見信介、本庄拓也、片桐朱里)
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「えーっと、どうしようか...」
誰も話そうとしないので、和華が口を開いた。
それに朱里が続く。
「向こうは涼太くんいるし、ちゃんと作戦立ててそうだよね」
「そうだね、どうしようか。司くんはバスケ得意?」
「ドリブル以外なら人並にできる」
「ちょっとまてよ、俺もドリブル苦手なんだが」
割って入ってきたのはぽっちゃり体型の拓也だ。
「拓也は運動が苦手の間違いだろ。
ドリブルできないなら、パス回したらいいじゃん?」
信介が動きの軸を提案する。
「じゃあ、パスを中心にするとして、シュートは?」
「皆さーん、5分経ったので戻ってきてくださーい。
試合はじめますよー」
チームBはまだ途中だったが、時間が来てしまった。
「じゃあ、僕らは打てる人が打つってことで」
最後に信介が一言だけ告げて、作戦会議は終わった。
「両チームとも準備はいいですか?では、ジャンプボールをします!」
((やば、決めてなかった))
両チームともジャンパーを決めていなかったため、不自然な間が生まれた。
「もしかして、決めてないんですか?
誰でもいいので出てきてください!!」
「チームAは俺がやる!司!出て来いよ」
駿はどうしても司と勝負したいようだ。
「え?なんで?いやだけど...」
「いいんだよ、はやくこい!」
司は一応チームのほうに目を向ける。
「駿くんが勝負したそうだから、司くんおねがい」
和華の一言によってジャンパーは
松平駿(140.6cm) と 沖和司(145.5cm)の対決となった。
「はーい、じゃあ始めます。よーいスタート」
青屋先生の合図とともにボールが宙に浮き、歓迎バスケが始まった。
どうも、新社会人の幽波です。
入社2日目ですが、かなり疲れてます。
今までのバイトが楽しかった分恋しいですね。
さて、「特殊能力のある世界」も第3話です。
いつも読んでいただきありがとうございます。
「あれ?特殊能力は?」って方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、すでに出てきていたりもします(わかりにくいですが)
次回、第4話は4/10 20時に更新予定です。
学生の多くは来週から新年度ですかね?
残りの春休み、楽しんでください。
くれぐれも、宿題をやり残さないように。
(4/10 追記)
第4話の更新は4/11 20時頃に延期します。
ごめんなさい。