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第28話 南雲支部


黒鉄(くろがね)(あきら)と少女によって

箱による行方不明事件が解決されたその後、

新たな事件が起きたいた。


その事件の報告は日をまたぎ、

翌日の日曜日に葉泉支部にも伝えられた。


「どういうこと!?

犯人と警察だけじゃなく

警察車両まで行方不明になった!?」

橋本支部長は景山から報告を受け、声を荒らげた。


「はい、先ほど葉泉警察署から連絡がありました」

「どうしてそんなことに、箱の犯人は別にいるってこと?」

「いえ、その線はなさそうです。

今回、逮捕された女は仕事の上司数人に恨みがあったことが判明しており、

本件の被害者の中に該当する人物がいました。

そのほかの、赤城洸をはじめとする人物は無差別と思わせるための被害者です」

景山が現時点で分かっている事件の全貌を説明した。


「それなら、二つの事件は別物になるわね。

女が使っていた箱はどうなってるの?」

「黒鉄によって完全に破壊されています。

女は身体検査の後に警察車両に乗せられているので、

予備の箱を携帯している可能性もありません」


「そっか、車ごと人を3人行方不明、

異空間系の能力だとしたら、かなりの手練れね」

「それと、被害者の中に気になる人物が――――」


「なになに~、朝から深刻な顔して」

オフィスに松浦(まつうら)優莉(ゆうり)が入ってきた。

「なんだ、松浦、今日は休みじゃなかったのか?」

「いやー、それがねさっき四阿(あずま)支部長に会って、、、」

松浦は先ほどの会話を思い出す。


「優莉さん、先日の(もや)の報告書に関してですが、

同時に起きていた宝石店強盗の報告書を送ってくれませんか?」


「って言われてさー、

その報告書を送りに来たってわけ」

「四阿先輩にどこであったの?」

「さっき電車の中で。

相変わらず目立ってましたよ」

「四阿先輩目立つよね、今でこそ支部長になって顔が知れたからいいけど、

昔はよく職務質問されてたみたいよ、

ですよね?景山()()?」

「そういう時だけ、先輩呼びですか。

俺と四阿は同期だからな、飯も一緒に食いに行ってたし、

そのせいで、俺まで職質される始末だった」

「え、景山さんと四阿支部長って同期なんですか!?」

「まぁな、紫水(しすい)は昔からキレッキレだったぞ」

「「キレッキレねぇ」」

橋本支部長と松浦がにやけながら復唱した。


「お前らなぁ、一応先輩だぞ」



能力者犯罪捜査機関 南雲(なぐも)支部

会社のオフィスのようなレイアウトに対し

その一角には、小さな池と鹿威しが設けられている。


「へっっくしょん!」

「あっらら~、四阿支部長、風邪?」

「多分違いますね、噂話でしょう。

先ほど、葉泉支部の松浦優莉さんに出会ったので、、、

先日の送られてきた報告書について話をしたんですよ」

長髪を後ろで束ねた細身の男性が刀を手入れしながら答えた。


「四阿支部長はその件かなり気にしてますね」

「そうですね、3ヶ月前の事件と類似している点があるので、

まぁ、用心するに越したことはないでしょう」

「ですね~

犯罪の対処をしてる捜査官が背後から何者かに狙われる、

それも、解決後に犯人と話をしているときに、、、」

「何者かが、機関を狙っている線もありますからね」

「たしかに、気に掛ける大事ですね」


すると、40代の男性が一人、

酒瓶を片手にオフィスに入ってきた。


「うぃ~、支部長~、、あ~、

頭の回転がぁ~、あ、はやいねぇ~」

どうやら相当酔っぱらっているようだ。


「あ~、だがぁ~、考えすぎも、よくねぇよぉ~」

男性は酒瓶を四阿支部長に向けた。


「ちょっと!斗升(とます)さん!何時だと思ってるんですか!

13時ですよ!大遅刻!」

「怒んないでくれよ~、シャルちゃん~

ふぃ~、あ~、歩いてきたからね~、時間かかっちまったのぉ~」


「斗升さん、朝から飲んでましたね」

「ふぃ~、支部長にゃ~かなわねぇなぁ~

飲んじまったら、運転~、あぁできねぇよなぁ~」

「はぁ、支部長の私も怒られるんですから、

ほんと勘弁してくださいよ」

「あ~、6時間も歩くとぉ~、つかれるなぁ」

斗升合蔵はソファーにドカッと腰を下ろした。


「シャルロットさん、お水と反省文を持ってきてください」

「はーい、お任せあれ!」


「それと、斗升さんは先月の事件の報告書をいい加減書いてください」

「せんげつぅ~?あぁ~、さっき引ったくりぃ~」

「違います!先月の立てこもり事件です」


「四阿支部長、この酔っ払いは私が手伝うです。お任せあれ!」

そう言いながらシャルロットは斗升に頭から水を掛けた。


「はぁ、、、、、」

四阿支部長は刀の手入れをしながらため息をついた。




赤城洸をはじめ、行方不明になっていた人が解放されて

初めての月曜日を迎えた。

この日の放課後は学校対抗球技大会に向けた練習が行われるため、

芽吹小学校の体育館には、数名の児童が集まっていた。


もちろん、練習を仕切るのは体育教師の植木(うえき)信夫(のぶお)だ。


「今日は、球技大会に向けての練習初日ですが、

思ったより多くの児童が来てくれたので、早速ですが、、、

実戦形式の練習を行います!」


植木先生がチーム分けを発表し、

児童たちはそれぞれのコートに分かれた。


「っしゃー、洸さんと同じチームだ!」

「お!駿か、悪いが俺の方が点取ってチームに貢献するからな!」

「お兄ちゃんは後衛なんだから無理でしょ」

「なんだと!弟の分際で!まぁいい、

司と慎悟がいるチームと戦えるんだ、勝つぞ!」


「お?なんだ洸?やる気か?

こっちだって受けて立つ!なぁ?つかさ!」

「、、、、、、、、、」

「なんだ~?緊張してんのか?楽にいこうぜぇ」

慎悟が司の肩をつかんで前後に揺らす。


(はぁ、めんどくさい、

しかも、向こうの前衛に結奈がいるのかよ)



「よーし!練習試合かいし!」

植木先生の号令で試合が開始されようとする。


  チームA        チームB

片桐朱里 元原開   松平駿  赤城洸

沖和司  須藤海   糸原結奈 赤城陽

足立真帆 木本慎悟  旅津沙雪 津田麻由


試合はチームAの足立(あだち)帆真(まほ)のサーブから始まる。


「あの、強くないサーブでもいいですか?」

「おう!入れば何でもいいぞ!」

慎悟が力強く言った。


その言葉に安心した真帆はボールを打つ。



(結奈のやつ、何やってんだ?)

司は体の前で両腕をクロスさせている結奈を不思議に思った。


真帆の打ったボールはネットを越えたかと思うと、

何かに捕まったように失速した後、

チームAのコートに跳ね返ってきた。


「「「!!!???」」」


「どう?私の能力」

結奈がどや顔で司に言い放った


―ピッ チームA 1-0 チームB ―


「ちょっと!何で相手に点が入るのよ」

「結奈ちゃん、サーブはブロックしたらダメなの」

「え!?そうなの?ごめんなさい」


「何の能力だ?」

「見えない何かがあったな」

「沙雪のブロックだけでも厄介なのに」

チームAのメンバーは困惑している。


「1点は取られたけど、

相手チームの動揺は必至なようね!」


ミスしても誇らしげに言い放つ結奈、

彼女の能力は一体何なのか



(はぁ、俺の代わりに選抜に出ればいいのに、、、)

特殊能力のある世界 第28話 ご覧いただきありがとうございます。


新たな事件と、新たな支部そして新キャラ3人

そして、学校対抗球技大会

次の話は何を描いていこうか、選択肢が多くて困っております。

31話までの下書きはできてるんですけどね。


10月はついに!有給休暇を取得しようと思います!

10月20日かなぁ?音楽を聴きながらゆっくりしたいんですよね。


次回 第29話は 9月30日(土) 19時頃投稿予定です!


ついに、あの人物の名前が判明します!


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