表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/82

第26話 捜索隊

社会科見学の週の木曜日

芽吹小学校の5年生クラスに糸原結奈が転入してきた。

そして、その放課後、赤城洸は公園で古びた箱を拾うが、、、

糸原(いとはら)結奈(ゆな)が転校してきた翌日の金曜日

芽吹小学校は異様な空気に包まれていた。


司は登校すると昇降口である会話を耳にした。


「ね~聞いた?6年生で行方不明になった人がいるんだって」

「え!?この学校で!?」

「うん、今朝私の家の近所にすっごい人が集まってたの」


(転入生の次は、行方不明者か、、、)


司がそんなことを思っていると、

後ろから駿が激突してきた。


「つかさ、つかさ、つかさーーーーーー!!!!」

「なんだ、うるさい」

「洸さんが、、昨日の夕方から家に帰ってないって」

「じゃあ、周りが騒いでる行方不明者って洸のことか」

「でも、洸さんは足が速いんだよ!

だ、か、ら!犯人は何かしらの能力を持ってると思うんだ」

「で?」

「で?て言われても、、、

あ!景山(かげやま)さんにこのことを連絡を!」

そう言って駿はスマホを取り出した。


「その程度の情報、機関に入ってるだろ」

(てか、何で景山さんの連絡先知ってんだよ)

「じゃあ、俺らも何か情報を手に入れて―――」

「やめとけ、怪我してからだと遅いぞ」

「ぐぅぅ」


そんな話をしていると教室に着いた。


「うーっす、おはよー!」

「「駿くん、おはよ」」

「駿、うるさい!」

「波溜、てめぇ、朝の挨拶はな―――」


「司、あんたにお客さんだよ」

「俺に?」


司が自分の席に目を向けると、

1人の女子が座っていた。


「おはよ、沖和司」

「糸原結奈、か」


「何だ、なんだ?お前ら知り合いか?」

「話をするのは今日が初めてよ、にぎやかさんっ」


((にぎやかさんってその通りすぎる))


司は結奈に近づく、

「前の学校では入学以来、成績は毎学期トップ3に入り、

ある時から学校にぱったりと来なくなった先輩(せんぱい)

俺に何の用ですか?」

「あら?私って有名人なのね。

ちょっと顔を見に来ただけよ。

それと、ここでは結奈って呼んでくれる?

じゃっまたね」


結奈は4年生教室を後にした。


「なんだったんだ?」

「つかさ~、あんたああいうのがタイプなの?」

「結奈が勝手に来ただけだろ、何でそうなる」

「な~んだ、つまんない」




「全体の面積から、欠けている部分の面積を引くと、

色のついている部分の面積が24㎠となるわけです」

4年生クラスでは、青屋先生が算数を教えていた。


そんな中、駿は司にこっそり話しかけていた。

「なぁ、司、行方不明事件の犯人はどんな能力かな」

「さぁな」

司は板書を写しながらテキトーに答えた。


「俺はなぁ、拘束(こうそく)系かなって思ってんだよ。

そしたら、洸さんも逃げられなく―――」


「松平くん?さっきの問題の答えは?」

「あ、えーっと、、、」


「おい駿、14だぞ」

拓也がこっそり教えた。

「えーっとー、14です!」


「残念、違います。

ちゃんと話を聞いておいてください」


隣では拓也がゲラゲラ笑っている。

「駿、(だま)されてやんのー」

「おい!何で間違いを教えるんだよ」

「その方が面白いだろ?」

拓也はまだ笑っている。


「間違いを教えるのもよくないですが、

そもそも授業中に関係ない話をするのもよくないです。

2人とも反省するように」


「「はーい、」」



その日の放課後、帰り支度(じたく)をしている拓也を駿が呼び止めた。

「おい拓也、ちょっと来い」

「なにさ、授業中のことは謝ったじゃん」

「その話じゃねぇよ、頼みがあんだよ」


駿は拓也を連れて5年生クラスを訪れた。


「あれ?(よう)くんに(うみ)さん集まってどうしたの?」

「拓也、誰にも言うなよ。

俺らはな、今から洸さんを探しに行くんだ」

「洸がいないと6年クラスすっごい静かなんだから」

「海さんが僕らに声をかけてくれたんだよ」

「で、何で俺も呼ばれたの?

危ないから俺は行きたくないんだけど、、、」

「お前は家に居ればいい。

ただ、俺らは校区内を移動するたびに連絡するから、

そのメモだけ取っといてほしいんだ」

「うちらに何かあっても、

時間と場所が分かった方がいいでしょ?」

「ってわけだ、他の人に言うなよ。

特に先生や司はダメだ、わかったな」

「安全なのはわかったけど、

あの子に聞かれてるんじゃないの?」


拓也は教室で本を読んでいる結奈に目を向けた


「私は気にしなくて大丈夫よ、先生には言わないわ。

もちろん司にもね。

そもそも、洸って人しらないし」


「ほらな?大丈夫だろ?」

「決まりね」

「じゃあ、拓也くんよろしく」


駿、陽、海の3人は校区内を回り始めてしまった。



「もしもし、景山さん、黒鉄(くろがね)です」

「どうした?」

「小学生3人が行方不明になった赤城洸を探し始めたようです」

「はぁ、やっぱりか、

さっき松平からメールが来たんだよ」

「どうしますか?」

「悪いが、しばらく1人で様子をみててもらえるか?

3人は帰るときまでまとまって行動するらしいから、

帰りまでにはこちらで応援を2人手配する」

「わかりました」

「頼んだぞ、、、

って、君、今日も学校サボったな」


―ブツンッ―


(あっ、切られた、、、)



駿たち捜索隊(そうさくたい)は校区内の公園、公民館など

いたるところを回ったが

何も手がかりを得ることはできなかった。

そして、最終地点、なかよし公園にたどり着いた。


「お兄ちゃんはいつもここで能力の練習をしてるんだよ」

「パッと見変わった所はねぇな」

「そんなこと言ってないで(すみ)まで探すのよ!」


3人は散り散りになり、広くはない公園で手がかりを探し回った、が、

ここでも何も得ることはできなかった。


「なにもないわね、」

「警察も調べてるだろうし、

(すで)に持っていかれた後なのかも、、、」


「おーい、2人ともこれ見てくれよ」

駿は公園の隅にある桜の木の下に2人を呼んだ。


「何かあったの?」

「大したことじゃねぇんだけどよ、

この木だけ、下の方の枝が全部折れてるんだよ」


海はあたりの木と見比べる。

「確かに、、、変といえば変ね。

でも、何につながるのか、、、」

「「うーーーーーん」」

3人はしばらく頭を悩ませた。


「わりぃ、何でもないかもな」

「ここが最後だったけど、何なかったね」

「今日はもう遅いし、解散しよっか」

「そうだな」


すると、公園に1人で入ってくる人物がいた。


「ねぇ、誰か来た」

「ん? あ、司じゃん、おーい」

駿は公園に入ってきた司を呼んだ。


「なんだ、駿たちか。なにやってんだ?」

「俺たちは洸さんを探してんだよ。

お前こそ何しに来たんだ?」

「散歩」

「本当か?実は洸さんが心配なんだろ?

残念ながらここにも何もなかったぜ」

「ま、海と陽がいて何もないなら、そうなんだろうな」

「俺も探したよ!

まぁ、いいや。せっかくだ、一緒に帰ろうぜ。

社会科見学の感想文がまとまってなくてよ」

「自分でやれよ、そのくらい」


(、、、しかも提出今日までだし、、、)


日が暮れそうになるまで手がかりを探した捜索隊だったが、

何も見つけることはできなかった。

駿は司と帰り、海と陽もそれぞれ解散した。



特殊能力のある世界 第26話 ご覧いただきありがとうございます。


洸が行方不明になり

探しに出た捜索隊でしたが、何の手がかりも得られませんでした。

洸はどこに行ってしまったのか?

ただわかっていることは

宿題を出していない駿はまた青屋先生に怒られるということだけです。


小説を投稿し始めて半年が経とうとしています。

そこで!新連載を始めます。その名も!

『特殊能力のある世界 サイドストーリー』

そのままですね。

本編で描かれなかったお話しを上げていきますので、

こちらも合わせてご覧ください。

また、違った世界が見えてきますよ。


特殊能力のある世界 本編 次回 9月19日(火)20時ごろ投稿します。

サイドストーリーは 明日9月15日(金) 19時ごろ投稿予定です。


サイドストーリーは本編とは別に投稿されるので、

作者(幽波)の作品ページから閲覧してください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ