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第2話 朝礼

図書室の奥から現れたのは髪の長い女性だった。

その女性は司を一目見てから口を開いた。

「えーっとー、初めまして?ですよね。

私は4年生担任の青屋(あおや)風奈(ふうな)です」

「どうも。登校したら先生のところへ行くよう指示があったのですが」

「あ、そうでしたね。大した事ではないんですけど、

朝礼の時に自己紹介をしてもらうので、心の準備をと思いまして」

「しないとダメですか?」

「ダメです。まぁ、まだ時間があるので座って心の準備をしといてください」

「はい...」

司は渋々返事をすると、近くの椅子に座ることにした。

「以前の学校でのことは聞きましたよ。成績は良かったみたいですね」

「誰から聞いたんですか?勉強は嫌いですけど」

「それは内緒です」


そんな会話をしていると予鈴が鳴った。

「さて、沖和くん、教室に行きましょうか」


2階には3,4年生の教室があるため

にぎやかな声が廊下まで響いている。


「はーい、皆さんおはようございます。席についてください。

今年度から新しい友達が増えるので自己紹介をしてもらいます」

「沖和司です。よろしくお願いします」

パチパチパチパチ

教室中から拍手が起こった。

「沖和くん、ありがとうございました。空いている席に座ってください」

そう言われると、司は窓側の一番後ろの席に座った。

(2列目が最後列か、少人数学校って感じだな)

「それでは、朝礼を始めます。まず、春休みの宿題を提出してください」

青屋先生は教卓に3つのかごを並べ、宿題の提出場所を指示する。

次々と宿題が提出される中、一人の男の子が声を上げる。

「先生!俺、まだ宿題終わってないです!」

「松平くん、またですか?

今回は何が終わってないんですか?」

「えーっと、一行日記です」

「それなら、一行日記以外を今出してください!」

「う、わかりました」

青屋先生は怒っているが、教室には笑い声があふれる。


「あ、そうだ!おい、転入生。俺の名前は松平(まつだいら)駿(しゅん)

宿題のことは俺に聞くなよ。俺は宿題をちゃ---」

「松平くん!早く席に戻りなさい!」

青屋先生が駿の自己紹介を遮った。

(自己紹介を遮られてる奴初めて見た)

司もあきれている。

「これで、皆さん宿題を出しましたね。

この後は始業式があるので、廊下に並んで体育館に行ってください」




司たちは始業式を終え、二時間目を始めようとしていた。

「さて、皆さん二時間目ですが、沖和くんの歓迎会を行います!

体育館の使用許可を特別に貰いました!!」

「まじか!」「すごい!!」

「え?遊べるの!?」「よっしゃ、遊べるぞ!」

教室内に驚きと喜びの声が上がる。

「少し静かにしてください。

内容ですが、10人クラスになったので、バスケットボールをしまーす」

「「さんせーい」」

皆が歓迎ムードのなか、

(俺はそういうのいいんだけど...)

司が本心を言えるはずもないので、歓迎ムードは続く。

「おい!司、バスケは、こいつ涼太(りょうた)が学校で1,2を争う強さなんだぜ」

駿が叫んでいる。

ボールまで持ち出して準備万端なようだ。

「それでは、体育館に移動してください。

他のクラスは学活をしているので静かに移動してください」

「「はーい」」


司はそこまで乗り気ではないが、歓迎バスケットボールが開催される。







「特殊能力のある世界」第2話ご覧いただきありがとうございます。

来週から新社会人として仕事が始まりますが、

第3話は4月4日20時ごろ投稿予定です。

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