第1話 初登校
1作品目、連載スタートします。
ープルルルルル、プルルルルル、プルルッー
「もしもし、」
「お、司!起きてるか?」
「なんだよ、お前の電話で起きたんだよ」
「怒んなって、元同級生が気ぃ使って電話してやってんだからよ」
「別に頼んでないだろ」
「まぁ、いいじゃねぇか。今日から学校だろ?」
「あぁ。お前はちゃんと授業に出ろよ。じゃあな」
「あ、おい!司、ちょま---」
ーブツッー
(ふぁ~、ねむたい。朝っぱらから急に電話してくるなよ)
時刻は6時50分
元同級生からの電話で起こされたこの人物は沖和司、
今日から芽吹小学校の4年生に転入することとなった。
司は眠たい目をこすりながら、朝食の支度を始める。
(家を出るまで時間あるし、テレビでも点けるか)
テレビでは占いのコーナーをやっていた。
「それでは、4月10日の運勢を発表していきま~す。
今日が始業式という人も多いのではないでしょうか?
そんな今日の運勢第1位は、、、獅子座のあなた!!
切磋琢磨しあえるいい相手に出会える予感。つづいて、、、」
(なんだ、俺じゃないのか。まぁ、学校行くの嫌だしな
そろそろ準備して出るか)
朝食を終えた司は荷物をまとめて家を出る。
家から小学校までは約20分だが、
近くの公園に集まって集団登校をするため、少し早めに家を出る。
司が公園につくと既に男の子2人が遊んでいた。
そのすぐ後に、班長の5年生が来て4人で学校へと出発した。
昇降口の下駄箱は学年ごとに分かれている。
司が靴を履き替えていると後ろから声をかけられた。
「ねぇ、君、転入生?」
振り返ると眼鏡をかけた小柄な女の子が立っていた。
「そうだけど」
「やっぱり!私は指旗和華。これからよろしくね」
「沖和司です。こちらこそよろしく」
「教室まで案内しようか?」
「ありがと、でも職員室に用事あるからいいよ」
そういうと司は昇降口を後にした。
(司くん、職員室の場所わかるのかな?)
和華の心配をよそに司は職員室の前についた。
(大人の多い部屋が外から見えてよかった。さて、)
司は一呼吸置くと、職員室の扉をノックした。
ーコンコンコンー
「失礼します。4年の沖和司です。担任の先生に用事があってきました。」
「おー、君が沖和くんか。青屋先生なら図書室にいると思うよ。
昇降口前の階段から2階に上がったら左手にあるから、行ってごらん」
植木に水をやりながら男の先生が答えてくれた。
「ありがとうございます。失礼しました」
(次は図書室か...)
時刻は8時10分、昇降口に児童が増えてきた。
司は階段を上り図書室の前に到着した。
「失礼します。4年の沖和司です。青屋先生はいますか?」
電気は点いているが人は見当たらない。
(いないのか?いや---)
「はいはーい、青屋ですけど。なんの用ですかー?」
図書室の奥からのんびりとした口調で返事があり、人影が現れた。