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陰陽省 - 報告書【虚白】
【報告】
神無月ノ末から神楽月ノ頭に掛けて未知の怪異を確認。
先より問題視されている〝怪異の氾濫〟によるものと見られるが仔細は不明。
現在「乙丑」率いる追跡部隊が、「丙子」の協力のもと動向を探っている。
以下、怪異の特徴を記す。
・人と同等の姿を持つ
・煙の如き性質を持ち出没鬼没
・他の怪異、幽霊などと争う姿が見られる
・人を襲った様子はない
現時点で交渉の余地ありと判断。
新たに生まれた「土地神」や「守護霊」である可能性も高い。
下手に刺激を与え、機嫌を損ねないよう注意されたし。
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【対処】
交渉・使役を目的とした接触を嘗試。
「庚戌」「丁未」「丙子」の三名に一任する。
先立ち――呼び名を「虚白」と定める。
「乙丑」が確認した気配と同一のものかは調査中。
〝怪異の氾濫〟の現場となった金色岳の調査は「癸酉」「己巳」両名に引き継ぐものとする。
進展があり次第、総責任者「壬辰」に報せを送ること。
再三と成るが、闇雲に刺激し機嫌を損ねないよう注意されたし。
陰陽省長 壬辰




