File.4「BOX the S-undo-M」
怪異名:S-undo-M[ソドム]
別名 :背徳の箱
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怪異概要:
太陽と月と星とを閉じ込めた3つの細工箱。
転じて、太陽は男を、月は女を、星は子を意味する生命の営みを封じる檻と成る。
根幹は〝日月を盗みしワタリガラス〟の民話だが、類型の伝承を呑み込む内に肥大化――背徳の箱と化した。
観測できる要素は以下に及ぶ。
・日月を盗みしワタリガラス
・三足烏(金烏・八咫烏など)
・ソドム
・Who Killed Cock Robin
複雑にも見えるが〝カラス〟と〝太陽〟にまつわる伝承の融合体である。
太陽の象徴――つまりは他者を導く存在が堕落。
男色などソドムと称される背徳を司る存在へと変わり果てたと考えられる。
その容姿は本人が認める通り〝金烏〟に準ずるものである。
〝金烏〟の性質か、ソドムの形質か、自らの対となる存在〝玉兎〟を求めていた。
(※玉兎については割愛する)
人身御供については誤認を誘うものと思われる。
怪異にとってはある種、自らの存在を正しく認識される事が弱点となる。
〝幽霊の正体見たり枯れ尾花〟にも通ずるものがあるだろう。
信仰や恐怖をもって力を増すのが神ないし怪異というもの。
更なる要素(ex西遊記)を取り込む糧でもあり、自らを認識させないためのブラフのようなものと考えられる。
もっとも〝クネクネ〟のように認知が死へと繋がるパターンもある。
軽率な判断はすべきではないだろう。
(※人身御供ならびにクネクネについては割愛する)
長々と論じたが――大元は〝嘘吐きないし口八丁なカラス〟に過ぎない。
此度はクックロビンの童謡からアプローチを試行。
言霊にも近いが、駒取――転じて駒鳥など、相手の存在を〝固定化〟する事で一矢報いる手段を構築するに至った。
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被験体情報:
異装[I-sow]適合率:121%
同調率:79%
適合率にいくらかの落ち着きが見られる。
この数値は高ければ良いというものではない。
安定して100%前後を測定できる事を最良とする。
同調率も僅かだが安定して上昇、このまま経過観察が望まれる。
両数値が100%(誤差3%程度が許容値か)になる必要があり。
■ィ■■ロスの適応性については問題なし。
本能的に使いこなせているようだが、データ不足につき結論は保留とする。
他に〝宝食の箱〟など、喰らった怪異の能力再現が見られた。
■■の習性――否、特質なのだろう。
■蟲としての覚醒に期待すると共に、暴走がないよう監視を徹底する。
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備考および留意点:
ブラ■■■ボ■ク■については、エ■ファ■のカー■の復元・解析を実行。
一部機能の復元に成功するがアク■■には失敗。
遺■の回収あるいは■ウの■ログ■ムを拝借し、ハッ■ン■する必要あり。
しかし――知識が足りない。
プ■■コ■実行の傍ら、■■■に解析を一任する。
急務だった■ートの補修は完了。
その際、ジェ■のものと思われる煙草を発見。
物資保管庫に食料以外の嗜好品の類はなく、久々の煙草となる。
少し湿っていたが、ありがたく頂戴する事にする。
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追記:
背徳の箱の言う――狐。
思い当たるものはないが――どうにも狐に縁があるらしい。
思えば――…………
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引用:Triskelion,Sodom,Nursery-rhyme,Sacrifice,XiYouJi
case.5に続く。
次回8/21に更新予定。評価等々頂けましたら嬉しいです!




