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匣ノ中ノ獸  作者: yura.
匣ノ中ノ獸
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File.3「BOX the B-om」

怪異名:B-om[ボム]

別名 :浮沈(ふちん)の箱


正確には〝浮揚(ふよう)の箱〟と〝沈殿(ちんでん)の箱〟の()()から成る怪異である。

性質を考えるに片方が朝を奪う箱で、片方が夜を奪う箱か。

二つが合わさる事で光全てを奪う――()()()退()()()()()()()()と化した。


---

怪異概要:

ウキヨ伝説および堆珠湖(たいじゅこ)伝説を根幹に持つ怪異。

〝浦島太郎〟として親しまれるお伽話(とぎばなし)の変容形――あるいは類似形。

辰子姫(たつこひめ)〟の伝承と混ざり合った末に生まれ、一部地域で語り継がれたものと推測される。

ウキヨ伝説の概略は以下の通り。


「不老不死を願った娘が日がな祈りを捧げ続け、ついに神の声を聞く。

 その神託に従い、満月の雨夜に湖の水を飲むと龍になった」


ここまでは〝辰子姫伝説〟に類似。

龍神となった娘・回香(ウキヨ)のその後が乙姫(おとひめ)になぞらえて語られるようになった模様。

童歌として残る「浮気夜(うきよ)の罪」が〝玉手箱〟とも考えられる。

玉手箱とは化粧箱――かねては嫁入り道具として使われた財産に他ならない。

自らの元を離れた男が他の者に(うつつ)を抜かし金が要り様になった時、玉手箱を開く事で呪いが爆発的に広がるようになっていたのだろう。


もっともここまでは一般的な推論に過ぎない。

もう一つの憶測として、男が龍神を殺し龍宮の宝を持ち帰った説が考えられる。

というのも堆珠湖(たいじゅこ)に残る伝承が一因だ。

南――回香(ウキヨ)の領域から来た青年が多大な富をもたらしたが、その宝はどこから来たものなのか。

また回香(ウキヨ)の妹・菩提樹(タイジュ)とも何らかの関係を持っていたようである。

しかして真実を知るのはチリという名の青年のみ。

引き続きウキヨ並びにタイジュの伝説については調査をしていきたい。


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被験体情報:


異装[I-sow](イソウ)適合率:132%

      同調率:72%


適合率に問題。

感情の起伏による一時的なもののようだが、肉体への多大な負荷が懸念される。

同調率は大きく上昇。

このまま安定する事が望ましいが、不安要素もあり。


※その他の留意点は「File.4」にまとめて記載する

---

引用:Tamate-box,Urasima,Tatsukohime,Pandemic

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