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学園生活10

「ホスタ様、ご一緒していいですか?」


 おかしいですわね、スノーフレークさんが近くに居るのが疎ましいので馴染みの席を移動いたしましたのに、ホスタ様たちまで移動なさったので結局状況が変わりませんわ。

 それにしても、ホスタ様が返事をなさらないのはいつもの事ですが、カクタス様までもがスノーフレークさんに視線を向けませんわね。

 親しくしていたと思うのですが、何かあったのでしょうか?

 どちらにせよ、わたくしに関係ないところでしていただきたいものですわ。


「あ、ホスタ様たちってセロリとか食べれるんですね。私、セロリって無理なんですよ。ブロッコリーもピーマンもナスもグリーンピースも駄目なんです。美味しくないじゃないですか。パセリとか添えられてる意味が分かんないですよ。食堂の食事ってどれかが絶対に入ってるから憂鬱なんですよね」

「どれも、民が苦労して作っているものだ。アレルギー的に食べる事が出来ないと言うのであれば別だが、そうでないのなら粗末にすべきではないだろう」

「えー、嫌いなものを食べるとかやっぱり私には無理です」


 そんな声を聞きながら、わたくしは付け合わせのニンジンを口に運びました。


「この間の定期試験でもブルーローズ様は首席でしたね」

「総合得点が満点以上だなんて、本当にすごいです」

「試験科目の全てで満点以上を毎回記録するのは学園始まって以来ですよね」

「これは聞いた話なのですが、古典文学の回答で今までにない視点からの新解釈をまとめた論文をご提出なさったと言うのは本当ですか?」

「今までにない視点と申しますか、中心に近い人物でありながらもあまり着目を浴びていらっしゃらない方の視点になっての解釈をまとめた論文を提出いたしましたのよ」


 世界樹システムに接続してしまえば、正しい歴史なんてすぐに分かるのですが、やはり自分なりに落とし込んで物語を作り上げるのもたまには面白いですわね。

 ただ、武術と魔法系の実技試験に関しては判定する教師陣がお相手してくださいませんのよね。

 魔法で作り出された幻影相手に遊ぶのもそれなりに楽しいのですが、手ごたえが無いと申しますか、やはり折角転生をしたのですし、ダンジョンや流星群イベントで遊ぶような手ごたえが欲しいですわ。


「そういえば、ダンジョンについての問題があったじゃないですか。行った事も無いダンジョンの事なんて分かるわけないのに、ひどいテストですよね」


 隣のテーブルから聞こえて来た声に、友人達が一瞬動きを止めましたけれど、すぐに何事もなかったかのように手と口を動かします。


「あ、でもバーベナ様は詳しかったりしますか? だってお兄様が魔法師団の第三師団の師団長ですもんね。色々教えてもらえるんでしょうね。羨ましいです。やっぱり家族ってそうやって支え合うものですよね。それなのに私のお姉様ったら、本当に情が無いって言うか、冷たいですよね」

「兄さまは、ほとんど家に居ないから」

「そうなんですか? 忙しいんですか? 大変なんですね。でも仕方がないのかもしれないですよね。なんたって魔法師団きっての実力者なんですもんね。あっ! そういえば、聞いてくださいよ。私のクラスの人が私の事を虐めてくるんです」

「虐め?」

「そうなんですよ、バーベナ様。なんか私が迷惑をかけてるとか、身の程をわきまえないとか難癖を付けて来て。お姉様が先導しているんですよ。私がホスタ様たちと仲がいいから嫉妬しているんです。卑劣ですよね、他人を使って虐めてくるとか。だから私、関係ない人を巻き込まないでってお姉様に言うために王宮に行ったんですけど、門番の人までお姉様の毒牙にかかっていて入れてくれなかったんです」


 スノーフレークさんがそう言った時、ホスタ様が食事が終わったのか立ち上がってトレイを手にしました。

 続く形でカクタス様もトレイを手にして立ち上がったようですわね。


「王宮には資格を持った者か招待されたものしか入れない。平民の子供でも知っている常識だと思っていたよ」

「ホスタ殿下、普通の平民は知っています」

「だろうね」


 お二人はそんな言葉を残してテーブルから離れていきました。


「なんか嫌な感じですね、バーベナ様」

「いや、二人の言うように常識だと思うよ」

「それでも、あんな風に責めるように言うとかちょっとイメージ崩れちゃいます」

「そう?」


 わたくし達も食事が終わりましたのでテーブル席から立ち上がってトレイをもって返却口に向かいました。


「そうだ、バーベナ様だけでもいいですから課題に付き合ってくださいよ。個室って貴族の人が一緒じゃないと使用許可が出ないみたいですし」

「Sクラスに在籍している人なら平民でも使用出来るよ」

「だから、どっちの条件にも当てはまってるバーベナ様が丁度いいじゃないですか」


 はあ、公爵家の跡継ぎ予定をちょうどいいとは、流石ヒロインですわね。

 本当に、とことん関わり合いになりたくないですわ。

 それにしても、ホスタ様が食事を終えたというのにタイミングを合わせないなんてバーベナ様にしては珍しいですわね。

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