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成人祝いのパーティー5

「イレイシー侯爵、夫人、そしてベロニカ様。本日はご参加くださりありがとうございます」

「エッシャル大公女様に置かれましては、無事のご成人喜ばしく。今後の益々のご栄達を願っております」

「感謝いたします」

「ブルーローズ様。そちらが以前お話ししてくださっていた魔人のお知り合いでいらっしゃいますか?」


 あら、ベロニカ様には霊薬の効果がないのでしょうか?

 けれどもフィラ様に対して熱を向けているというのとはなんだか違うようにも見えますわね。


「ぜひ一度お目にかかりたいと思っていたんです。ブルーローズ様があんなにも自慢げに他の方を褒めるなんて見たことがありませんでしたし、今も傍を離れず仲睦まじい姿を見ていますと、ブルーローズ様の一方的な想いというわけでもなさそうですよね。先ほど披露なさったダンスも息がぴったりで見ているだけでため息がこぼれてしまいました」


 あ、あら? わたくしってばベロニカ様にフィラ様の事を話したことがございましたかしら。

 うーん、そういえばスピエラ様にご教授いただいていた時に、スピエラ様以上の存在がいるのかと聞かれた際に、お話ししたことがあるような気も致しますわね。


「ブルーローズ様にとって最高の存在といえばと前置きをされた際は、もしかして既に伴侶と決めていらっしゃるのかと思いましたが、魔人と言う事もあり、それはないかとも思っていたのですけれどこうしてお二人を見ているとお似合いだと思います」

「そうでして? ええ、もちろんフィラ様の隣にわたくし以上に相応しい存在がいるはずがございませんけれども、やはり皆様の目から見てもそうなのでしょうか?」

「ええ、少なくとも私にはそう見えます。少なくとも会場に居る男性陣をずっと牽制するほどにはブルーローズ様を大切になさっていると思います」


 その言葉にフィラ様を見ましたが、澄ました顔をしながらも手はしっかりとわたくしの腰に回しております。


「フィラ様」

「なんだ?」

「ご心配なさらなくても、離宮で申しあげたとおりにフィラ様の傍を離れるつもりはございませんわ」

「当たり前だ。我が傍を離れた瞬間、有象無象の者どもがお前に群がる光景が目に浮かぶ」

「まあ。そのような有象無象の者などフィラ様の前では全て霞んでしまいましてよ」

「それでもロジーに引き寄せられる身の程知らずは居るだろう」

「わたくしは不誠実になった覚えはございませんの」


 にっこりと微笑んで見つめ合っていますと、ふと会場中から視線を感じまして目を走らせれば、どこか驚いたような、それでいて恍惚としたような眼差しを向けられており、やはり霊薬は近くに居なければ効果はないのだと内心ため息を吐き出してしまいそうになりましたわ。

 一度近くに来て不快感を覚えても、のど元過ぎればという言葉もございますし、離れてフィラ様の麗しさを目の当たりにしてやはり見惚れてしまうのかもしれませんわ。

 流石は人気No1キャラですわね。

 ユーザーだけではなく貴族の女性陣を虜にするなんて、番であるわたくしという絶対的な存在が居るとはいえ、叶わぬ夢を見てしまう人はいるでしょうし、それこそ有象無象を排除するのは面倒ですわ。

 かといって、魔国の次期魔王になるフィラ様のお仕事に影響するような霊薬を使うわけにもいきませんし、難しいですわね。

 悩まし気に頬に手を当てて息を吐き出しましたら、会場にどよめきが起こりました。

 何事かと思いましたが、顔を上げれば困ったように眉を下げているフィラ様がいらっしゃいまして、わたくしは原因はこれだと首を横に振ってしまいました。


「フィラ様。ただでさえ麗しいお顔でございますのに、そのように様々な表情をお見せになってはいけませんわ」

「ロジーにだけは言われたくないな」


 そんなことを言い合っておりますと、コホンとベロニカ様が咳払いをなさいましたので視線を戻しました。


「ブルーローズ様が美しくなる秘訣はたゆまぬ努力と愛されることと、愛することだとおっしゃっていた意味が分かった気がします」

「そうですわね。確かにそれらは美しくあるために必要不可欠ですわ」

「目の前で見せつけられますと、嫌でも納得してしまいます」

「そうでして? わたくしが美しいのは当然ですので仕方がございませんけれども、ベロニカ様も素材はよろしいのですから努力なされば輝きましてよ」

「私は将来は魔法師団に入って最前線で活躍することが目標ですから、美容関係はそこまでは」


 肩を竦めるベロニカ様に、美は人に強要するものではございませんのでこれ以上言うのはやめましたわ。

 それに、何をもって美とするかなど、それこそ十人十色でございますもの。

 ベロニカ様は本当に魔法への関心が高く、お家で家庭教師で学ぶだけに飽き足らずに自主訓練は疎か、成人前からダンジョンに行きましてその腕を磨いていらっしゃいます。

 努力を続ける姿は素晴らしいと思いますし、それもまた美の形の一つだと思いますわ。

 挨拶を終えてイレイシー侯爵一家が離れていき、次の貴族との挨拶が始まりましたが、なぜかフィラ様がわたくしの体を先ほどよりも抱き寄せたり、挨拶をしてくる方はもちろんの事、周囲にチラチラと視線を向けていらっしゃいますが、気にかかることがあるのでしょうか?

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