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婚約いたしましょう20

 お爺様達にもご報告が終わり、無事に婚約が相成ったわけでございますので、わたくしとフリティラリア様は離宮に戻ってお茶を頂いております。

 ついでにわたくしの離宮で働いている使用人の紹介も致しました。

 ガーネットの精霊で女性型メイドは基本的に離宮の掃除や洗濯を担当してくれています。シトリンの精霊の女性型メイドはわたくしの世話を中心にガーネットの補佐も兼任しております。オニキスの精霊の女性型メイドは基本的にわたくしのお世話をしております。

 ジェイドの精霊の男性型執事はわたくしのスケジュール管理や外部との調整をしております。ラピスラズリの精霊の男性型料理人は主に調理担当ですが食物の作成にも携わっております。アメジストの精霊の男性型庭師は庭園や温室の管理をしております。

 わたくしの使用人が全員只人ではなく宝石の精霊であるという事にフリティラリア様は「君はもう何でもありだな」と呟いていらっしゃいましたけれど、最古参で廃課金者でトップランカーなど誰もが似たり寄ったりでございますわ。

 運営曰く数百万人いる中で十人もいないと言われましたが、居ることに変わりはないのですからわたくしばかりがおかしい者のように見られるのはとても心外ですわ。

 確かに他の方は召喚獣とかすさまじく性能の高い武器や防具を要求していましたが、とにかくわたくしだけが特別扱いではありませんの。


「庭園もそうですが、温室もお気を付け下さいね。錬金工房や書架はさほど危険はございませんが、庭園と温室は下手に迷い込むと危険がございますもの」

「危険?」

「空間拡張をしているというか、空間が歪んでいるというか、わたくしや使用人であれば慣れておりますので問題はないのですが、慣れないと出口を見失ってしまう可能性がございますわ」

「生活の基本の場所であるこの離宮自体は大丈夫なのか?」

「生活の場でございますので、多少空間拡張をしているぐらいですから外見よりは少々広く感じるかもしれませんが、迷うほどではございませんわね」


 わたくしの言葉にフリティラリア様は何かを言いたいのか何度か口を開いたり閉じたりなさいましたが、最終的に「そうか」とだけおっしゃいました。


「それにしても、絶対攻略不可とわかっていながら我を婚約者に選ぶとは、そんなにその乙女ゲームとやらで我の事を好いていたのか」

「え?」

「え?」

「フリティラリア様の事は好きですけれど、別にわたくしの最推しと言うわけではございませんわよ?」

「は?」

「わたくしの話をちゃんと聞いていらっしゃいましたの? ヒロインである異母妹と出来る限り関わりたくないから、余計な難癖をつけられないようにするために絶対攻略不可のフリティラリア様にプロポーズをしたのであり、絶対攻略不可であるからこそ異母妹に靡かないと信じているからこそ婚約したのですわ」


 わたくしの言葉に、フリティラリア様が顔を引きつらせております。


「我を、好きではない?」

「やはり話を聞いていらっしゃいませんのね。好きだと申し上げたではありませんか。最推し、つまり一番好意を持っているキャラクターではないというだけでございます」

「き、君はプロポーズをする前から浮気をしていたのかっ」

「なぜそうなりますの? 最推しに対しての感情は人それぞれ。確かに乙女ゲームではございましたし、ゲームの中で伴侶にしたいのは誰かと聞かれればあの方を真っ先に選びますけれども、現実問題、ヒロインである異母妹に靡く可能性があるキャラクターを婚約者にして略奪されて、わたくしが笑いものになるなんてもってのほかではございませんか」

「己の保身だけで我を婚約者にしたと?」

「最初からそうお話ししましたわよ? 悪役令嬢なんて呼ばれるのならいっそ婚約者を作ってしまおうと思うので婚約者になってくださいませ、と」


 おかしいですわね、わたくしはしっかりご説明いたしましたのにちゃんと聞いていただけていなかったのでしょうか?

 それとも、まさかとは思いますが魔王陛下のご子息であり次期魔王になるお方でここまでの美形でいらっしゃるご自分に惚れない女は居ないと考えていらっしゃるのでしょうか?

 確かに、先日の晩餐会で殺気を含んだ視線が向けられましたが、乙女ゲームの設定資料集には特段私生活では女性を侍らせているというような記載はございませんでしたわよね。


「まさかの男色」

「まさかとは思うが我がそうだと思ったわけではないだろうな」

「冗談でしてよ。確かにフリティラリア様は数多の攻略対象を押しのけて『花と星の乙女』における人気No1キャラでございましたし、そのおかげで二次創作界隈で色々な扱いを受けておりましたけれど流石にリアルで男色だとは思ってはおりませんわ」

「そうか」

「ただ、未来のわたくしの容姿のご説明をしても食指が動かないと言われてしまい、女性の趣味と性癖に関して若干の不安を覚えておりますが」

「おい」

「まあ、いざとなれば性的興奮を高める霊薬を服用していただけばよろしいですし、あまりにも拒絶なさるようでしたら体の自由を奪ってしまえばいいだけですし、記憶の関係で苛まれるようでしたら忘却させてしまえばいいだけですのでご心配なさらないでくださいませ」

「心配しかないなっ」

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