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婚約いたしましょう19

「ブルーローズ! なにが、なにが不満だったのだ! お前の婚約者は儂が直々にその能力を全て試して選ぼうと思っていたのに! 急に自分で婚約者を決めてしまうなど、そのように頼もしい存在にいつの間に成長してしまったのじゃ!」


 ファンタリア王国のお爺様に婚約のご報告を終えた後、わたくしが婚約を済ませたことはファンタリア王国内ではお爺様と伯父様だけの胸に秘めておくという事になりましたわ。

 なんでもわたくしの婚約者の座を狙って若者が切磋琢磨する機会を失うのも勿体ないとのことですが失礼な話ですわよね。

 わたくしは都合のいい餌ではございませんのに。

 そして今、アンデルフ皇国にフリティラリア様の魔法で転移して来まして婚約をしたことをご報告いたしましたらこの反応でございます。

 暑苦しいですわね。


「魔人など、しかも魔王陛下のご子息で次期調停者の資格保有者など文句のつけようがないではないか! 孫娘の婚約者いびりをするという儂の老後の楽しみを奪うなど、なんと爺不孝者なのじゃ! その慈悲深い心はエキナケア譲りじゃな!」


 お爺様はアイテムボックスからお婆様の肖像画を取り出してうっとりと眺めながら頷いていらっしゃいます。

 兄妹愛が深いのはよろしいのですが、シスコンも大概にして欲しいですわね。そのシスコンのせいでわたくしにアンデルフ皇国の皇位継承権があるわけなのですけれども、なんでこんな微妙な肩書ばかりあるキャラクターなのでしょう。

 まあ、ファンタリア王国でも、アンデルフ皇国でも、継承権を持つにふさわしい血統の証明である色味を持って生まれているからなのは知っているのですけれどもね。

 ファンタリア王国では王族の証であるピンクブロンドの髪がなければどんなに正統な血が流れていても継承権が微妙なものになり、アンデルフ皇国では正統な血を持っていても黄金の瞳を持って居なければ継承権が与えられることはありません。

 逆を言えば、傍流であってもその色を持って居れば継承権は発生するのですわ。

 これに関しては、各国が持っている特殊魔法や魔道具が関係しておりまして、正統な証が無ければ正確に発動出来ないのです。

 継承権の順位も、証の確かさで決まってしまうぐらいに重要なので、正直な所、王族や皇族は万が一の時の為に産めよ増やせよと幾人もの伴侶を持つことを推奨されておりますわ。

 証を持たずに生まれた子供の母親がそのせいでどれだけ肩身の狭い思いをしたり、蔑まれたり、心を病んだりするか配慮しないところが残酷ですわよね。

 しかも性質が悪い事に、この世界では近親婚が当たり前のように存在しておりますの。

 そこまで推奨されているわけではございませんが、近親婚であったり近親でそう言う関係になっても「そうなんだ」ですまされてしまいますのよ。

 乙女ゲームの世界なだけあってなんでもありですわね。

 万が一にもないとは思いますが、遺伝子上の父親が何をしてくるかわかったものではありませんし、お母様が亡くなった後に馬鹿な事を言って王宮から追い出されて正解でしたわ。

 乙女ゲームの世界だからか、男女の肉体関係にも緩い価値観なのも身の危険を感じますわよね。

 フリティラリア様との婚約契約を交わした今となってはわたくしにそう言った意味での身の危険はございませんけれども。


「しかし、ブルーローズの婚約者を決めるにあたってたるんでいる者どもに発破をかけるつもりであったのじゃがどうしたものか」

「ファンタリア王国の方ではお爺様と次期国王になられる伯父様の中でだけ情報共有して、フリティラリア様がわたくしの婚約者であることは公表しないそうですわ。魔国ではお披露目済みですけれど」

「なるほど。それも一つの手ではあるな、こちらもそれでいくか。本来ならブルーローズの婚約者候補をそなたの誕生日パーティーに連れて行く予定であったのだが、ブルーローズが昏睡状態に陥ってしまって延期になってしまったしの」

「それに関してはわたくしも残念でなりませんわ」

「伴侶を増やす予定は?」

「婚約契約書に契約対象者以外へ性的目的を前提とした接触をした場合、接触者に対して危害が即時下されるという物がございますわ」

「……ああ、ここの部分か。他にも妥協として曖昧にした項目もあるようじゃな」


 あら、流石は皇国を治めている方ですわね。ファンタリア王国のお爺様もお気づきになりましたけど、ちゃんと気が付いてくださって何よりですわ。


「よかろう。こうして婚約契約書まで結んでしまっては撤回も出来ぬ。しかしながらフリティラリア様」

「なにか」

「たかが人族と侮ってこの契約内容を承諾したのでしょうが、窮鼠猫を嚙むとも言いますし、身内びいきを抜きにしても儂の孫は優秀でございましてな。少々個性的な面はあれどもそれを差し引いても魅力にあふれる娘でございます」

「何が言いたい」

「他の男が放っておくほうが難しいかと思いますぞ」


 お爺様がそう言って笑いますが、『花と星の乙女』ではわたくしは攻略対象と準攻略対象、その他関係者から悪役令嬢と言われる存在なのですよね。

 お爺様方が言うわたくしの魅力がわからないなんて、本当に嘆かわしい事ですわ。

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